2015年1月25日に放送されたNHK杯テレビ将棋トーナメント3回戦・第8局(飯塚祐紀七段VS屋敷伸之九段)で、解説をした野月浩貴七段から、屋敷伸之九段が「嘘つき」だという話が聞けた。
屋敷伸之九段と野月浩貴七段は、同じ北海道出身で、学年は屋敷九段が2つ上。
同郷の野月さんにとって、屋敷さんは子供の頃から目標だったそうだ。屋敷さんは北海道では敵なしで上京、そして史上最年少の18歳6ヶ月でタイトルを獲得(棋聖、今でも最年少記録)するなどしている。
そんな屋敷九段が「嘘つき」だとは・・・?
屋敷伸之九段は努力している姿を人に見せない
対局中のトークで、野月七段は屋敷九段について「あんまりね、努力している姿を人に見せない」と発言。
なるほど。学生とかだと、「俺、試験勉強してないんだよね」とか言いながらいざ試験になるといい成績を取るタイプですね。わかります。学生の方に申し上げたいのは、こういう人は、決して悪気があってこのような発言をしているわけではないということ。社会に出ると、逆に「俺は一生懸命頑張ってるんだ」とアピールしてくる人の方がいっぱいいるのです。すみません、余談でした。
屋敷さんは子供時代から努力家
野月七段によると、「屋敷九段は”あまり将棋の研究してない”、とか言ってるんですが、子供の頃から、僕の知ってる屋敷さんは、ひたすら将棋ばっかり。暇さえあれば詰め将棋解いたり、将棋の本読んでるんで」とのこと。その習慣が子供の頃からずっと続いているのだそうです。
野月七段は「たぶん(屋敷九段は)こっそり勉強している。いまだにトップ戦線で戦っているので」と話していました。
インタビューで堂々と嘘をつく
聞き手の清水市代女流六段も「でなければあんなに大記録作ったりタイトル獲ったりできないですよね」と相づち。
清水女流六段によれば、取材で記者が屋敷九段に「将棋の研究は?」と聞いたとき、屋敷九段は「1日10分ですかね。新聞の詰将棋を解くぐらいです」と答えたそうです。
そのエピソードを聞いた野月七段は即座に「嘘、嘘、嘘、絶対嘘です」と発言。
続けて「だって指している将棋見ても、最新型には全部ついていってますし。この(対局中の)将棋見ても、見たことない形、自分なりの新しい工夫をしたり。思いつきだけじゃできないですからね」とコメントしました。
屋敷九段は真面目でニコニコしていて明るい
野月七段は「(屋敷九段)実際は真面目なんです」とコメント。清水女流六段は「いつもニコニコされていて」と相づちし、野月七段も「そうですね、明るいですよね」と、屋敷九段のお人柄についてトークしていました。
そうですね、屋敷さんは将棋の講座でもいつもニコニコされているし、たとえ対局で負けた時でもニコニコされていて、すごく感じが良い方です。
それでいて「研究してない」とか言いながら一生懸命研究している。素敵です。
屋敷九段は敗戦
この対局は、角換わりから後手の屋敷九段が工夫する展開に。
しかしそれがうまくいかなかったようで、最後は屋敷九段の攻めを受けきった飯塚祐紀七段が勝利しました。
コメント
他の人にとっての「勉強」が屋敷九段にとっては「習慣」なんでしょうね
嘘ではなく、本人は勉強という感覚すらないのかなと感じます。
努力の天才タイプはこういう風に日常の習慣に取り入れることができるタイプが多いそうですよ。
コメントありがとうございます。
そうですね、何でもそうですがトップになれる人っていうのはそういう勉強とか努力とか言う感覚ではなくて、普通のこと、習慣という感じなんだと思います。私もそういう人に憧れます。努力する才能というか、やり方を知っている人には敵わないですね。