やねうら王開発者、電王戦FINAL第3局当日の実況と対局時間設定の変更を断念

2015年3月28日の将棋電王戦FINAL第3局に出場するコンピュータソフト「やねうら王」の開発者である磯崎元洋さん(通称:やねうらお)が、その前日になって当日の実況用Twiterアカウントを開設しました。

しかし、すぐに実況の断念を表明。

その後に表明した、やねうら王の対局時間設定の変更も断念したことをツイートしています。

スポンサーリンク

実況アカウントを開設、しかし・・・

やねうらおさんは、5年ほど寝かせておいたと思われるツイッターアカウントで、以下のようにツイート。

このアカウントのプロフィールには、

2015年電王戦、実況用アカウントです。中の人は、やねうら王の開発者やねうらおです

としており、このアカウントについて本人のブログでも

2015年電王戦、実況用twitterアカウント

であるとしています。

しかし、その後西尾明六段から以下の指摘が。

持将棋の開発者の判断とは電王戦の対局ルールの以下の部分です。

いずれかの対局者から持将棋が提案された場合、公式戦規定24点法を準用する。ここで、コンピュータ将棋に持将棋提案への諾否回答機能がない場合があり、その場合の対処は、コンピュータ操作者が諾否の解答をすることとする

つまり外部とのやりとりができるということは、持将棋の場合の助言を受けることが可能となり、つまりルールに抵触することになるということです。

やねうらおさんは、これを受けて以下のようにツイート。

しかし、最終的には以下のように断念するに至っています。

持ち時間の設定を変更しようとする

一方、やねうらおさんは、やねうら王の対局時間(持ち時間)の設定の変更もすると予告。

その理由としては以下。

これは、対戦相手である稲葉陽七段が、事前に貸し出されたやねうら王で本番と同じ「5時間、秒読み60秒」の持ち時間で練習対局(研究)していることを想定し、やねうら王をそれ以外の時間で稼働させることで練習対局とは異なる手を指させるという戦略。

当然、ソフトは持ち時間が長い方が多くの手を読むことになるので、いい手が指せる可能性が上がるのですが、その手を事前に研究されていては敵わないとみたのだと思います。

ですので、あえて持ち時間を減らして、ベストの手を指さなくても、研究を外すことを考えたのだと思います。

このあたりはやねうらおさんのブログでも言及されていますが、稲葉七段は「門を開けて飛車を捕獲する」方法を早々に見つけており、研究を外すことに勝機を見出したのだと思います。

しかし、以下のようにこれも断念。

そして、思考時間もランダムにすべきだったと述べています。

これに関してはやねうらおさんらしく以下の様なツイートも。

(「私の判断ミス」とは、思考時間のランダム性を入れなかったこと)

これについては、第1局のAperyの開発者、平岡拓也さんも以下のようにツイートしています。

今回「FINAL」となっている電王戦が、今後も継続するとすれば、思考時間のランダム性はトレンドになる可能性もあります。

角川歴彦会長、将棋電王戦の継続に意欲

先崎学九段の電王戦FINAL観戦記「来年もこの形式でやろう」

なお前述のとおり、やねうらおさんは当日のTwitter実況は断念しており、これら以外の言いたいことは後日ブログなどでまとめるとしています。

将棋電王戦FINAL第3局は、3月28日午前9時半からニコニコ生放送で中継されます。

スポンサーリンク

将棋ワンストップをご覧いただきありがとうございます。ぜひシェアをお願いします

記事の追記や更新の通知はツイッターで行います。フォローをよろしくお願いします!

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。