2015年6月20日深夜のテレビ朝日系「見る人が見た!!」で、山口恵梨子女流初段と海女さんの中川静香さんとの対談が放送されました。
キーワードは「美人すぎると呼ばれる女たち」。山口女流がリポーターとなって、中川さんを取材していました。
この対談によれば、二人ともいつの間にか「美人すぎる」と呼ばれるようになったらしいです。そして二人とも将棋界のため、または海女業界のためにその呼び方を受け入れているということでした。
巷に溢れるこの「美人すぎる」「美しすぎる」というフレーズには違和感がある方もいる(後述)と思いますが、ここはまあ「海女」と「女流棋士」という2つの就業人数が少ない職業に就いている女性を比較するという趣旨ということで、よろしくお願いしたいと思います。
データ比較
番組内で紹介された、2人の情報を比較してみます。
中川静香海女 | 山口恵梨子女流 | |
基礎情報 | ||
職業 | 海女、会社員 | 女流棋士 |
デビュー | 高校3年生(17か18歳) | 16歳 |
獲得称号 | ミス伊勢志摩グランプリ | 女流初段 |
お仕事 | ||
メインの収入 | 海女や会社員としての報酬 | 対局料 |
イベントや広報活動の謝礼・報酬 | ほとんどボランティア | 段級位によって報酬額が違う |
意外なメディア出演 | サスペンスドラマの海女役 | リアル車将棋リポーター |
プライベートなど | ||
美人すぎると言われてどう? | 自分では思ったことがない | 何で私が?みたいな |
部屋 | 女子っぽい。LINEのクマのキャラクターのぬいぐるみが置いてあった | 本がたくさん置いてある。盤、駒、チェスクロック、将棋年鑑、将棋世界などが置いてある |
合コンは? | 未経験 | 未経験 |
男性のタイプ | 仕事が真面目で、安定している職業で年上 | 一緒にいて楽しい人。自分の将棋を応援してくれる人 |
中川静香さんは海女だけではなく、実家の旅館を手伝ったり、週1回会社員としても勤務しているらしいです。年齢はあえて書きませんでした。お二人とも20代前半です。
若くしてデビュー
二人の共通点は、若くしてデビューしたこと。
山口女流は16歳、中川さんは高校在学中のデビューです。いずれも、就業人口が少ない業界に挑戦するという決断。
自分の10代のころを考えると、このような歳で厳しい世界に入る決断をするというのはそれだけで尊敬です。
報酬
海女さんの方はだいたい想像通りでした。女流棋士の話、意外だと思ったのは、対局料だけじゃなくイベントの報酬(聞き手とかも)は段級位によって違うんですね。
当たり前といえば、当たり前なのかもしれませんが、一般的な会社員と同じように社内の格付や役職によって給料が変わるシステム。
段級位は、成果報酬的要素もありますが、年功序列的要素も強いと思いますので、日本の組織に合っているのかもしれません。ただ、出世レースは普通の会社員より厳しい(強い者がより早く出世する)なとか、余計なことを考えました。
一方で、海女さんは完全な成果報酬で、厳しい世界。なので中川さんは男性には「安定」を求めるようです。
合コン未経験
二人とも未経験。
今の若い人はしないのでしょうか。お忙しいからですかね。「合コンの定跡」「合コンの形作り」「合コンの感想戦」とか、意外と将棋の考え方が応用できる分野だと思うのですが。
自分では美人と思っていない
謙遜なのかもしれませんが、お二人とも自分が美人だとは思っていないらしいです。
外見より、仕事を見て欲しいということもあるのかも知れません。
ここまで見てみると、お二人は職業は違えど共通点も多いようです。
美人すぎる
この「美人すぎる」または「美しすぎる」というフレーズは、近年メディアなどで頻繁に使われていますが、違和感がある人もいると思います。
番組終盤に中川さんは「美しすぎる・・・『すぎる』って何なんでしょうね?」と疑問を呈して「他人が言われているのはいいが、自分が言われるのはマジで嫌ですよ!嫌になってきた!!」と少し怒っていました。
言われてみると「美人すぎる」とはどういうことなのか。一般的な海女さんや女流棋士のイメージがあって、その集団の中では度を越すぐらいの美人だということでしょうか。例えば「美人すぎる女優」とか「美人すぎるアイドル」は、明らかに違和感があるわけです。
そう考えると、この美人すぎる何とかという表現は、その何とかという集団に属する他の人に失礼なんじゃないかと思ったこともありましたが、「やばたん」とか「激おこプンプン丸」に比べると日本語として意味が通っているので、まあ、いいじゃないですか。
注目されたがゆえに
中川さんは、美人だということで注目されてしまって「きちんとメイクをしないと外出できなくなった」らしいです。山口女流も「すごいわかります」と同意していました。
そんなこと気にしなくてもいいのに!とも思ったのですが、この話から、ちょっと前の以下の記事のことを思い出してしまいました。
女子力より棋力を磨きたい 山口恵梨子女流初段に聞く(朝日新聞デジタル)
つい最近、将棋の研究会に「すっぴん」で参加。男性の先輩棋士からは「女子力ないねー」とあきれられたという。
この男性棋士は一体誰なのか!!
名言
番組を観て思ったのは、お二人の共通点としてお話が上手だということ。イベントや聞き手などで普段から人前に出ているので、慣れているのだと思います。これは万一失業しても使えるスキルかと思います。
特に山口女流。番組内では、海でゴーグルをつけて顔が見えない状態の中川さんを見て以下のようにコメント。
山口女流「雰囲気から美人っていうのがすごい伝わってきます。美人の香りがします」
さらに、海からあがってきた中川さんを見て以下のようにコメントしていました。
山口女流「ほんとにお綺麗で。さっき人魚姫があがってきたかと思いました」
これは名言でした。台本?いやいや、台本ではないでしょうこれは。台本だったら逆に書けないです。
番組内では山口女流の食レポテクニック(スイーツのカラメリゼに「電王手さんもびっくりの照り」とコメント)も紹介されていましたし、こういう路線でボキャブラリーを増やしているのだと思います。今後も期待しております。
山口女流、中川さん、貴重なお話をありがとうございました。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。
コメント
確かに、その記事読んでたはずですがそのくだり、全く目に入ってませんでした。
すっぴんで行って『女子力無いね―』は、完全なるセクハラなのでいけませんね
するっとスルーしてたけど、いけません(笑)
そこ指摘するなら羽生さんや康光さんのぐちゃぐちゃの頭をまずしかりなさい、と(笑)
あの番組を見ていて思ったのは、山口さんは細かいはしはしで、
将棋界そのものをアピールして売り込もうというのが伝わりました。
あと、山口さんはテレビなれ・リポート慣れある程度してるだろうけど
海女さんの方が初々しいながらも感じが良くて見ていて面白い番組でした^^
コメントありがとうございます。
そうですね、すっぴんに「女子力ない」とは、言い方にもよるとは思いますが一般の会社では上司に報告があがってもおかしくないですね。中年上司「◯◯くん、ちょっと」先輩男性「はい」上司「きみ、山口君に女子力ないと言ったの?」先輩男性「はいすみません」上司「言っていいことと悪いことがある」先輩男性「はいすみません」上司「で、女子力ってなに?」先輩男性「女の子の力です」上司「???」
番組の感想は同意です。海女さん、朝ドラのブームで有名になった方でしょうけど、あまりそんな風がなくっていいですね。
山口女流はあの路線のボキャブラリーを増やして欲しい。ああいうこと自然に言える女性は貴重なので。
あと、私、女流棋士のメイド写真初めて見ました。思わず検索してしまいました。2008年らしいですが思い切ったことをしましたね。
コメントありがとうございます。