NHKの将棋番組「将棋フォーカス」の情報です。
NHKテレビテキスト「将棋講座」2015年9月号の「テキスト感想戦」では、10月からの講師と講座について触れられています。
それによれば、次期講師は渡辺明棋王。講座名は「渡辺流 勝利の格言ジャッジメント」。
現在の講師である佐藤康光九段は今年4月から9月まで半年間講師を務められますので、渡辺棋王も任期は半年間になると推測されます。
詳報
将棋ライターの「ごとげん」さんこと後藤元気さんが、テキストの内容を詳しくツイートされています。
【将棋講座テキスト9月号】お盆なので発売が早いみたいですね。ということで恒例のをやっていきます。表紙は戸辺誠六段。いつもニコニコやさしい戸辺ちゃんのイメージですが、対局中はこんな表情です。ツンとした唇に負けず嫌い感が出ています。口絵は「将棋日和」。なぜかうちの妻も映ってますw
— gotogen (@gotogen) 2015, 8月 12
【将棋講座テキスト9月号②】「あなたの知ってる 知らない」は表紙の戸辺誠六段が登場。糸谷竜王からの質問が素人っぽくて面白い。「私は振り飛車にうまくさばかれてしまうのですが、さばきのコツを教えてください」ってなんだそりゃ。
— gotogen (@gotogen) 2015, 8月 12
「戸辺攻め」についても書かれています。
普及にも熱心な戸辺誠六段、個人的に印象的だったのは「『指導対局』という言葉があまり好きではない」という話。確かに、ちょっと初心者にとってはハードルを高くしてしまっている用語かもしれません。
【将棋講座テキスト9月号③】佐藤康光九段の「勝つための詰みのセオリー」は、ご自身の実戦から題材を取り上げています。したがって難度は高いですが、大事なのは考え方を知ること。頭のなかで手順を追えなくても、佐藤九段がどういうふうに局面を見ていたか、イメージを共有するのが肝です。
— gotogen (@gotogen) 2015, 8月 12
佐藤九段、お疲れ様でした。
【将棋講座テキスト9月号④】難解な講座部分が終わったからといって安心してはいけません。今月の将棋クローズアップは「詰みのセオリー」の番外編。心ゆくまで佐藤節を堪能してください。貴族の連載は、将棋関係のフットサルに元日本代表の小村徳男さんと波戸康広さんが来てくださった話。
— gotogen (@gotogen) 2015, 8月 12
貴族の佐藤天彦八段の連載はいつも面白いです。ファッションを語った回が特に。独特の感性。
【将棋講座テキスト9月号⑤】NHK杯は▲松尾歩八段-△井上慶太九段戦の観戦記を高野悟志さん。▲八代弥五段-△村山慈明七段戦は八代さんの自戦記。▲戸辺誠六段-△山崎隆之八段戦は戸辺さんの自戦記。▲藤森哲也四段-△甲斐智美倉敷藤花戦は藤森さんの自戦記。どれもとてもよいです。
— gotogen (@gotogen) 2015, 8月 12
観戦記は、井上慶太九段が4手目に△7四歩としたあの対局です。
【将棋講座テキスト9月号⑥】僕の渋谷系日誌は、自戦記のこと、阿久津さんのこと、スッカラカンのカー、ら抜き言葉。いつにも増して内容に乏しい仕上がり。NHK杯リバイバルは2006年度の▲勝又清和五段-△中田功七段戦。日経新聞で将棋担当をされていた神谷浩司さんの観戦記。天彦さんの話も。
— gotogen (@gotogen) 2015, 8月 12
いや、面白いですよ。阿久津主税八段とUNOやった話が書かれています。私も阿久津八段とUNOやりたいです。勝てる可能性があるかもしれないです。
【将棋講座テキスト9月号⑦】棋戦プレイバックは、名人戦七番勝負を山村英樹記者に振り返っていただきました。付録の「古い棋譜を訪ねて」は今回が最終回。名局が見られるうえに将棋の歴史にも詳しくなる、一石二鳥の読み物だったと思います。
— gotogen (@gotogen) 2015, 8月 12
テキスト本体と付録を一緒に保管するか、付録だけ別にまとめて保管するか迷う。私は別にまとめて保管派です。
そして。
【将棋講座テキスト9月号⑧】10月からは「渡辺流 勝利の格言ジャッジメント」が始まります。渡辺棋王は2007年度の「居飛車対振り飛車」以来の講師。テキストはそのときと同じく不肖わたくしが担当。将棋の根っこの部分の仕組みや考え方がわかる、読み物としても愉快な仕上がりだと思います。
— gotogen (@gotogen) 2015, 8月 12
ジャッジメント!!
内容の予想
「ジャッジメント」というタイトルなので、渡辺棋王が将棋の格言と呼ばれる言葉を「ジャッジ」すると推測されます。
つまり、「良い格言」と「これはちょっと違うんじゃないか」という格言を判断し、視聴者に示すと。
特に渡辺流「これはちょっと違う」に期待。Wikipediaに「将棋の格言」というページがありますが、この中で厳しいジャッジを下されそうな格言は以下。
「二枚換えは歩ともせよ」
さすがに歩2枚と飛車の交換では・・・。
「三桂あって詰まぬことなし」
これは詰まぬことあるのではないかと。
「序盤は飛車より角」
渡辺棋王、飛車が好きですし。序盤でも飛車大事でしょう。ちなみに「飛車厨vs角厨」の対決では・・・。
「振飛車には角交換を狙え」
藤井猛九段の功績で、今や振り飛車側から角交換する時代なので。
「横歩三年の患い」
横歩取りを否定する格言。これも定跡の進歩により現代の将棋には当てはまらないかと。
格言の有効性
初心者にとっては格言は結構役に立つ、というのが個人的な実感です。門倉啓太四段監修の以下のアニメでも、将棋初心者の主人公が格言を覚えるシーンがありました。
アニメ「えとたま」第9話にみる将棋上達法。にゃ~たん、奥義「猫謝嵐」でピヨたんを破る
上の記事にも書きましたが、全ての局面で具体的な「読み」を入れて指すことはできないので、格言をもとにした抽象的な考えを学び、身につけるというのは初心者にとっては効果的だと思います。個人的に好きな格言はこれです。
「龍は敵陣に馬は自陣に」
馬を自陣に引きつけたらリアルに負けにくい。
「角交換に5筋を突くな」
5筋の歩を突いて痛い思いをしたので。
「両取り逃げるべからず」
逃げない手を読んでみると、意外といい手があったりするので。
ただ、やはり役に立つ格言と役に立たない格言がありますので、それを渡辺棋王が「ジャッジメント」してくれるというのは、とても楽しみです。NHK将棋講座テキスト9月号には、10月からの聞き手のことは書かれていませんでしたので、藤田綾女流初段が継続されると思います。藤田女流今後ともよろしくお願いします。
その他、何かわかりましたら、この記事に追記するか、新たに記事を書こうと思います。
コメント
5三のと金に負けなし
5五の位は天王山
このあたりも隙あらば穴熊の現代将棋では通用しにくいですね
渡辺棋王ならバッサリ切ってくれそうで楽しみです
残暑お見舞い申し上げマンモス。
将棋の格言 といえば、この動画を思い出しました。
羽生善治 特別講演「格言から学ぶ将棋」
https://www.youtube.com/watch?v=Kj33qcHaNCA
自分も渡辺先生の辛口ジャッジに期待しています。
「王の早逃げ八手の得」という格言に対しては、「せいぜい三手ぐらいの得じゃないっすか?」と言いそう。
匿名様:
コメントありがとうございます。
そうですね、それらの格言もとても斬られる可能性が高いと思います。まあ、文字通り「ジャッジメントしてくれる講座」であれば、ですが。
渡辺棋王、はっきりとモノを言うイメージがありますしね。
現代感覚でやってほしいです。とても楽しみです。
kewpiehoney様:
コメントありがとうございます。マンモスです。
動画、結構前にみたことがあります。羽生名人が次々に淡々と格言について喋ってるのがいいですね。
なんか、そのセリフは言いそうですね。というか、聴いたことがあるような気もしてきました。古くなったり大げさな格言というものに、今一度息を吹き込むというか、洗練させる作業が必要なのだと思いますが、棋王なら初心者にもわかりやすくやってくれそうです。
皆様コメントありがとうございます。
昨年発売された「渡辺明の思考: 盤上盤外問答」の中でも、聞き手後藤元気さんで、使える格言・使えない格言をばしばし斬っていたのが面白かったですが、まさか将棋講座のテーマになるとは。
渡辺さんの解説ははっきりしていてわかりやすいので講座も今から楽しみです。
コメントありがとうございます。
情報ありがとうございます。なるほどそう考えると渡辺棋王は前々から思っていたのかもしれませんね。
確かに、古くなってしまった格言や明らかに間違ったことを覚えるより、使える格言、使えない格言をハッキリさせたほうが初心者のためでもあると思いますし「格言通りにさしているのに・・・」という誤解を招かずにすみそうです。そういう意味では、取っ付き易い講座になりそうですね。
コメントありがとうございます。