2015年8月23日のNHK「将棋フォーカス」内で山崎隆之八段vs佐藤紳哉六段の持ち時間1分切れ負けの対局が行われ、その直前に佐藤六段がカツラを脱いだために世間を騒がせました。
それから1ヶ月、9月23日のフジテレビ系「みんなのニュース」では、この出来事がトピックスとして取り上げられました。両対局者がみんなのニュースのインタビューに応じ、当時のことを語っていましたのでご紹介します。
NHKでの出来事を他局が報道するというのは異例です。取り上げられたのは、やくみつるさんの「やくトピ」のコーナーです。
やくみつるさんは「今日は私のお仲間の話を」と述べ、コーナーのVTRを開始しました。
やくさんはスヴェンソン式です。
カツラ定跡
将棋ファンからすれば、佐藤紳哉六段がカツラをとることぐらいは驚くことではなく、もはや定跡、「あ、またやってる」程度の話なのかもしれませんが、世間に与えた影響は大きかったようです。
みんなのニュースでは、「前代未聞の事件」「まさかの展開」「巌流島の戦いを髣髴とさせる」などという言葉でこの出来事を紹介していました。
山崎隆之八段インタビュー
みんなのニュースはまず対戦相手の山崎八段を電話取材。
山崎八段の言葉「(当時を振り返り)ちょっと、『ん?』って一瞬意味はわかんなかったんですけど。プロ棋士は始まる直前が一番将棋に対して緊張感がある局面なので。ちょっと始まる直前だったのでちょっとびっくりしてしまいました」
山崎八段、絶対に予想していたし意味わかっているはず。インタビュアーの期待に応える大人な受け答えでした。
佐藤紳哉六段流カツラの正しい使い方
次に、佐藤六段本人が登場し、カツラを取った動機をコメント。
佐藤六段「対局前に(カツラを)取ることは今までになかったので、それでやってみようと。あの時も気合を入れて取るっていうような感じだったんですけど」
インタビュアー「相手の動揺を誘って、対局を有利に進めようとしたわけではない?」
佐藤六段「そうですね。それをやっちゃ、ちょっといけないかなと。カツラの使い方として」
なるほど。つまり、佐藤六段が定義する正しいカツラの使い方としては
○自分に気合を入れるために脱ぐのは良い
×相手を動揺させるために脱ぐのはダメ
ということですか。本当ですか。
義務感
その後のインタビューで、佐藤六段はカツラ芸について以下のように述べました。
佐藤六段「(カツラ芸を)期待される部分も最近出てきましたね。何もせずに終わったら『何なんだ』って。最近ちょっと義務感みたいなのを感じてきて」
義務感!!義務感でカツラ芸をやってるとは!
しかしその後には以下のようにも述べています。
佐藤六段「お客さんを楽しませたいなあと、思いまして、カツラを取ろうということになるんですよ」
そして視聴者にメッセージ。
佐藤六段「将棋は、自分でやらなくても、観るだけでも楽しいので。いろいろ楽しんで欲しい」
いい人だ。
スヴェンソンの社長は歓迎
VTRが終わった後、やくみつるさんは「こういうふうにポジティブにカツラを使っていただくっていうのは、私のメーカーの社長さん(やくさんはスヴェンソン式)もおっしゃっていました、『そういう時代が来ないかな』と」という話をされていました。
スヴェンソンの社長が佐藤紳哉六段のカツラ芸をご存知だということですね。スヴェンソンは確か編みこみ増毛方式で、「取れない」のが特徴のカツラ。ある日、テレビを観ていたら、
立会人「では定刻になりましたので」
佐藤六段「ちょっと待ってください」
ジャケットを脱ぐ佐藤六段。
佐藤六段「あ、これも」
カツラを取ろうとする佐藤六段。しかし。
佐藤六段「あ!取れない、取れないですよこのカツラ!さすがスヴェンソン」
そんなCMが放送される日も、遠くないかもしれません。
コメント
コマーシャルが実現したら受けますね!
コメントありがとうございます。
私も書いていて妙にリアリティがあって想像できて実現が待ち遠しいです。