佐々木勇気五段「自分はソフトから逃げてるんです」。正直すぎる解説、電王戦FINAL第2局

将棋電王戦FINALでは、現地で行われている大盤解説会もその楽しみのひとつ。

第1局では、村田顕弘五段の「りゅ、りゅ、竜を取った」という名解説が飛び出しましたが、2015年3月21日の第2局(永瀬拓矢六段 VS Selene)でも興味深い解説がありました。

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ソフト対策する時間があるなら・・・

現地・高知の大盤解説会場から中継でニコニコ生放送に登場した佐々木勇気五段。この日対局していた永瀬拓矢六段とよく研究会(VS)をするということで、永瀬六段の話もしてくれたのですが、問題は自分自身のことについて話を振られた時でした。

なんか挙動不審な佐々木勇気五段

最初に佐々木五段の個人的な印象を書いておきます。

この日は特に、なんか挙動不審というか、途切れ途切れの独特の話し方で、すごく言葉を慎重に選ぶ(選びすぎる)というか、初めて重役会議に出席した若手社員みたいな、たどたどしい感じがありました。

目が大きいのもあって、そのキョロキョロ、キョドキョドしている感じが目立っていたと思います。

いや別に悪いことじゃないですよ。独特の世界というやつです。

ソフトについての見解

佐々木五段は解説で、コンピュータソフトとプロ棋士の対局について「今は・・・どうなんですか?・・・やはり、一昔は、コンピュータが人間に勝つと、ニュースになってたじゃないですか。それがここ最近は、人間がコンピュータに勝ったら『おおっ』って・・・そういう感じになって、やっぱそうですよね・・・そこをなんとか変えたいですね」と、真剣に述べていました。

聞いちゃった本田小百合女流三段

そんなトークを受けて、ニコファーレの本田小百合女流三段が「佐々木先生は(コンピュータソフトとの対局は)いかがなんですか?」と質問。この質問から、すべてが始まりました。

その質問に、佐々木五段は暗い表情になり「自分、あんまり指さないんで・・・」とコメント。

本田女流が「自信ありますか?」とさらに質問すると佐々木五段はしばらく間を置いて「いや、自信ないから(電王戦に)出てないんです」と述べました。

現地で聞き手をしていた熊倉紫野女流初段は「という話を先ほどもしていて・・・」と、この話題に触れちゃいけないんだよという雰囲気を出していたようにも見えました。

佐々木五段は「いや極端な話、(ソフトに)勝てると思えばみんな出ると思うんですよね、これだけ注目される舞台ですから」と前置きし、持論を述べ始めました。

ソフト対策するぐらいなら・・・

佐々木五段は「ただ、自分は・・・そういう・・・まあ、自分の考えだと、コンピュータ対策ができるなら・・・まあ、羽生先生(羽生善治名人)や渡辺先生(渡辺明二冠)、そういう、森内先生(森内俊之九段)も含め、トップ棋士たちの・・・その、対策が出来るんじゃないかと考え・・・たんです」として、コンピュータ対策をするぐらいなら、その時間をトップ棋士対策に充てたいという持論を展開。

至極まともな発言なのですが、なにせ電王戦の中継でこんな発言をしちゃったので、変な空気に・・・。

自分はソフトから逃げてるんです

しかしそこから話は急展開。

佐々木五段は前述の発言に続けて「・・・と思ったんですけど、それはなんか、ただかっこ良く言ってるだけで・・・やっぱ本音では(ソフトに)負けると思っているわけですよ。だから逃げてるわけです」と発言。

この突然飛び出した本音に、ニコファーレ解説の屋敷伸之九段、質問しちゃった本田女流は苦笑いだったのですが、ニコ生のコメントは「本音すぎる」「正直すぎ」「やばすぎる」「大丈夫かこの子」と大盛り上がりに。

佐々木五段は「(ソフトに)負けるとは思ってないんですけど、戦うのが怖いと思う。それも勝負師として良くない。やっぱ・・・勝負師としては、うん、やっぱダメなんですよ」と暗い顔で自虐的に述べました。

重苦しい佐々木勇気五段

この重苦しい佐々木五段の雰囲気に、熊倉紫野女流、本田女流らは「いやいや」「そんなことないですよ」とフォローしましたが、佐々木五段は相変わらず「同年代を含めた斎藤さん(第1局の斎藤慎太郎五段)や永瀬さんが戦ってるんで、自分よりは・・・・うん・・・応援っていうわけでもないですけど。まあ、自分よりは、一枚も二枚も上を行ってる人なんで・・・・早く追いつかないといけないですね」と述べました。

ニコ生のコメントが「本音すぎて面白い」「自虐か」「かわいい」などとさらに盛り上がる中、熊倉紫野女流はそんな佐々木五段をどう扱えばいいのかわからない様子で「いやぁ、まじめで、まじめな、解説ですね」とコメント。

質問しちゃった張本人、本田女流は「ちょっと考えさせられる」、屋敷伸之九段は「いやぁ勉強になりました」とコメントしました。

話が耳に入らない

佐々木五段はその後、少しの間ですが他の人の話が耳に入ってこなかったのか、話をふられても沈黙しうつむき加減に・・・。

彼のたどたどしい解説がちょっと物足りなかった方もいたかもしれません。が、彼のまじめすぎるキャラクターが醸し出していたと思うと納得で、まだ20歳ですし、成長を見守りたい気持ちにさせてくれました。

なお、この場面は以下のニコニコ生放送のタイムシフト、4時間34分付近からですので、興味がある方は御覧ください。

以上、ありがとうございました。

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