2015年10月15日から開催される第28期竜王戦七番勝負が、囲碁・将棋チャンネルの会員サービス「将棋プレミアム」と、従来通りの「ニコニコ生放送」の両方で生中継されると発表されました。
将棋プレミアムが何であるかは、以下の記事にある程度まとめてありますのでご覧下さい。
将棋ファンはどちらで観たら良いのか。将棋プレミアムの棋戦中継が視聴できるプランは有料ですし、ニコニコ生放送では無料会員でも視聴できますが有料会員でないと追い出される(視聴人数が定員に達すると有料会員が優先され無料会員は視聴できなくなる)可能性がありますので有料会員になるのがおすすめ。
つまり、竜王戦の生中継を視聴したい方は、将棋プレミアムとニコ生、どちらかにお金を払う事になると思います。この記事では2つのサービスを比較してみたいと思います。
料金
まず料金の比較。税抜き価格を示します。
将棋プレミアムで対局の生中継を視聴できるのはゴールド会員(月額2000円、年間契約だと2万円)または1day会員(日額500円)。支払い方法はクレジットカード決済のみ。
竜王戦は2日制なので、1day会員をご検討の場合はご注意下さい。
ニコニコ生放送は無料の一般会員と有料のプレミアム会員(月額500円など)がある。一般会員でも視聴できるが、追い出される可能性が高そう。支払い方法によって料金が多少異なる。携帯電話会社の決済サービスやクレジットカードでは500円。アップルIDやWebMoneyでも支払い可能。詳しくは以下のページで。
竜王戦の日程は、10月に2局、11月に2局、12月には3局(ただし、先にどちらかが4勝したらそれ以降の対局は行われない)。将棋プレミアムで全局見ようと思ったら最低4000円~最高6000円、ニコ生では最低1000円~1500円となる。
2015/9/29追記:
将棋プレミアムから、10月分の会費無料キャンペーンが実施されると発表されました。したがって将棋プレミアムで全局見ようと思ったら最低2000円~最高4000円、ニコ生では最低1000円~1500円となります。
解説
将棋プレミアムでは、棋士1人による単独での解説が行われる。聞き手はいない。途中で解説の棋士が交代することもある。棋士への質問はツイッターで行う。解説は、ニコ生に比べると話の脱線は少ない。また、昼休みには棋戦の歴史なども解説してくれるし、人によってはいろいろ準備してきてくれている。例えば勝又清和六段は「e棋譜管理システム」という棋士や女流棋士など関係者だけがアクセスできるシステムについて実演してくれて興味深かった。
ニコニコ生放送の解説は、解説の棋士1人と聞き手の女流棋士1人の2人体制が通常である。朝からの流れは、対局場の様子→謎オープニング→解説聞き手挨拶→戦型を確認→リレー質問消化→解説→休憩→メール質問消化→解説→昼休憩→解説→メール質問消化→おやつ→休憩→解説→メール質問消化→解説→・・・終局→翌日(または次の対局)の解説者・聞き手へのリレー質問→視聴者アンケートという感じで、解説ばっかりではないし、2人体制なのでトークもある。
ニコ生では、前期(その前も?)の竜王戦7番勝負ではコンピュータの評価値を表示していたはず。電王戦や叡王戦でおなじみとなりこなれてきたシステム。今期の竜王戦でも表示されるかも。
出演者と視聴者とのコミュニケーション
将棋プレミアムではツイッターのハッシュタグ「#将棋プレミアム生中継」をつけて質問をツイートすると、それを解説の棋士が拾って答えてくれる。
また、このハッシュタグ付きのツイートは生中継の映像の横に表示される。これは面白い取り組みではあるが、ツイート数が多くなく、ちょっと盛り上がりに欠ける。8月~9月の無料お試し期間ですら盛り上がりに欠けたので(1日で10コメント程度だったかと)、10月からが心配である。スパム行為にも弱いので、別の方法を検討されたほうが良いかもしれない。
ニコニコ生放送では、メールで質問できる他、視聴者のコメントが中継画面上に表示される。解説者や聞き手がこのコメントを拾ってくれることもある。アリーナ最前列のコメントは拾われやすいらしく、そのためかどうかわからないが、生中継の開場と同時に入場してアリーナ最前列を確保する競争が、生中継のたびに行われている(?)。
ニコ生のコメント数は1日数万であり、将棋プレミアムとは比べ物にならないほど活発である。匿名のコメントである(調査する方法もあるが)ため、時々不快なコメントを見るかもしれない。場合によってはコメントの非表示やNGを設定すればよい。
映像の品質
映像の品質については、私(管理人)の視聴環境ではどちらもあまり変わらないように思えた。これはそれぞれの人の視聴環境に依存するため、ご自分でご覧になって確かめるしかないと思います。
ただ、将棋プレミアムの中継では、映像が静止している時(例えば盤面を映している時)、それが静止している場面の映像なのか、不具合によって静止しているのか見分けがつかないのでなんとかして欲しいと思いました。
竜王戦以外のコンテンツ
竜王戦が開催されている期間に課金したとして、他にどのようなサービスを受けられるか。
将棋プレミアムでは、棋戦中継のほか、対局、情報番組、講座番組、解説番組、詰将棋、女流棋士などのメニューがある。が、半分以上は準備中となっている。講座番組は充実しつつある。他にどんな棋戦が中継されるか知りたいところだが、現時点(9月28日)では10月以降は竜王戦7番勝負しか発表されていない。囲碁・将棋チャンネルが持っている銀河戦は中継されないと発表されている。
2015/9/29追記:
棋戦中継としては以下が放送されることが発表されました。
・竜王戦7番勝負、挑決、決勝トーナメント、ランキング戦
・王将戦7番勝負、挑決リーグ、予選
・A級順位戦最終局
・女流王座戦5番勝負、挑決、一斉予選
・マイナビ女子オープン5番勝負、挑決、一斉予選
全局放送されるのか、一部なのかは不明。このうち第28期竜王戦7番勝負と同時期に放送されるのは王将戦の挑決リーグ、女流王座戦5番勝負。また、月50本程度のVOD番組(解説番組、講座番組、過去の対局など)がUPされるとのこと。
追記終わり。
ニコニコ生放送では、竜王戦の他、第63期王座戦7番勝負、そして運営するドワンゴ主催の第1期叡王戦、第3回電王トーナメントが放送される。また、将棋以外の幅広いコンテンツも視聴できる。
まとめ
将棋プレミアム | ニコニコ生放送 | |
料金 (第28期竜王戦を全局観たとして) |
キャンペーンにつき2000円~4000円 |
1000円~1500円 |
支払い | クレジットカードのみ | いろいろある |
解説 | 1人体制 | 2人体制 ソフトの評価値も表示されるかも |
視聴者との交流 | ツイッター。閑散 | メールやコメント。活発 |
竜王戦以外 | 少なくとも 王将戦挑決リーグ、女流王座戦 |
少なくとも 王座戦、叡王戦、電王トーナメント |
料金は気にしないし、棋士が一人で対局をあんまり脱線することなく解説してくれる方がいいという方は将棋プレミアム。
低料金で、棋士と女流棋士のトークや質問タイム、おやつタイムを交えた解説で、他の視聴者のコメントを観たりしながら視聴したい、ついでに王座戦と叡王戦と電王トーナメントも観るかもしれないという方はニコニコ生放送ですね。
あとは、まだ両方共詳細が発表されていないので、それを観てからでもよいかもしれません。例えばどちらかだけで感想戦が放送されるとか、ニコ生でタイムシフトがあるかないかとか、好みの解説者が登場するかとか。ただ月額課金(ニコ生の一部支払い方法を除く)なので月の途中で課金するのは損した感があると思います。
それと、会社やサービスへの信頼感、今後どちらを発展させたいかのような、大局的な視点で選ばれても良いかもしれません。
何か抜けている視点があれば、コメントなどでお知らせいただければと思います。
また何かわかりましたら、この記事に追記したいと思います。
コメント
比較表をみても、ニコニコの圧勝ですね
将棋プレミアムを選択する理由を探すのが難しいです
ニコニコは良くも悪くもミーハーなところがあるので、プレミアムは高くても静かに観たい人にお勧めというところでしょうか。某カレーチェーン店が値段を高く設定しているのは店の雰囲気を良くするため、という噂に似てますね。
Lead-egg様:
コメントありがとうございます。情報が追加されました。ようやく発表された感じがしていますが、お試し期間がほぼ終了したようなタイミングでの発表は疑問手ですね。もっと早く発表すればよかったのにと思いました。
匿名様:
コメントありがとうございます。そうですね。将棋の見せ方として、従来にない部分もありますので、そこは好みが分かれるかもしれません。また、ニコニコ自体があんまり好きじゃないという人もいると思いますし、ずっと将棋界に関与してきた囲碁・将棋チャンネルのサービスのほうが安心するということもあるかもしれません。
皆様コメントありがとうございます。