2015年2月8日に開催された電王戦×トヨタ リアル車将棋は、後手の羽生善治名人が豊島将之七段を破り勝利を収めました。
空前のスケールで開催されたこのリアル車将棋。ニコニコ生放送での視聴者は40万人を超え、NHKの7時のニュース(NHKニュース7)でもとりあげられるなどしました。
朝から異様な盛り上がり
ドワンゴとトヨタが主催したこのイベント、ニコニコ生放送の将棋番組で散々宣伝したこともあって、朝10時の開始からとにかく異様な盛り上がりを見せました。ニコ生へ入場する人が多く、入場画面では一時エラーの表示も出ました。
次々に入場するトヨタのクルマたち、振り駒をする古田敦也さん、大盤解説をする男性棋士たち、羽生・豊島両陣営からレポートをしたり聞き手をする女流棋士のみなさん、自動車業界からの豪華なゲストたち・・・・。出演者はこちらを参照
ニコ生のコメントも大変多かったように思います。
急遽出演したという将棋連盟の谷川浩司会長も含め、とんでもない顔ぶれでした。
戦型は角換わり腰掛け銀に
戦型は、流行の角換わり腰掛け銀に。心配されたクルマの移動時間も、ドライバーの皆さんのムダのないクルマ運びによって思ったより相当スムーズでした。
女流棋士の方々のプロのような現地レポートもすばらしい。
そういえば、午後からはゲストでテリー伊藤さんが登場したのですが、将棋があまりわからないなりに、初心者目線でいろいろ指し手に対する質問やリアクションをしてくれて、結構良かったです。放送前は、なぜテリー伊藤さんなんだという意見もあったと思いますが、やってみるとなかなかどうして。さすがプロでした。
昼休憩、おやつ、夕休憩
普通のタイトル戦のように、昼休憩や夕休憩もありました。
ただ、タイトル戦とちがって、休憩中に両対局者や陣営のみなさんへのインタビューがあって、いろいろ話が聞けたのが良かったです。特に、両陣営のサポート棋士の方の重要さがわかりました。予め、動くであろう駒を想定して指示を出しておくんですね。
また、おやつの時間は、スイーツ大好き糸谷哲郎竜王の食レポ(!)もありました。糸谷竜王のキャラが活かされて良かったです。
NHKニュース7もとりあげる
NHKのニュース7がこのリアル車将棋をとりあげました。短い時間でしたが、アナウンサーが「スケールの大きな将棋です」と伝え、羽生さんが「3四歩」と指して、車が動くところを早回しで紹介していました。さらにニコ生のコメントが西武ドームのスクリーンに流れるところも伝えられました。
そして「この勝負、今夜8時頃に決着が付く見通しです」とアナウンスされました。
その後、ニコ生では「NHKから来た」というコメントが複数流れるなど、ニュースで扱ってくれた効果もあって視聴者数は伸びたようです。
突然の終局
将棋としては、豊島将之七段の攻めを羽生善治名人が受ける展開に。しかし、隙を逃さず攻めに出た羽生名人が一瞬のうちに寄せ(頓死に近かったかも)、勝利を収めました。
94手ということで、角換わり腰掛け銀にしては短い手数だと思います。懸念された持ち時間は、二人ともまだたっぷり30分以上は残していました。
エンディング
ニコ生では、終局後に佐藤康光九段と森内俊之九段による初手からの振り返りがありました。たいへん豪華。
そして、両陣営へのインタビューが行われ、エンディングへ。
まるで映画のようなエンディングが用意されており、スタッフロールが流れました。スタッフロールの長いこと。本当に多くの人がこのリアル車将棋に携わったのだと思います。
ニコニコ生放送アンケート結果
このリアル車将棋、ニコニコ生放送の最後のアンケートでは以下の様な結果でした。
1.とても良かった 91.8%
2.まあまあ良かった 6.0%
3.ふつうだった 1.0%
4.あまり良くなかった 0.6%
5.良くなかった 0.6%
1、2あわせて97.8%、。空前絶後の高評価と言っていいと思います。
大変楽しめました。
私個人の感想としては、もうちょっと長く見たかった気もしますが、寒い中、長い間がんばってくれた皆様に感謝したいです。
ドワンゴさん、トヨタさん、また面白い企画やってほしいなと思います。