天空の城ラピュタ(てんくうのしろラピュタ、英:LAPUTA – CASTLE IN THE SKY)は、将棋において玉やその守備駒の配置を表す用語。
通常、自陣(一段目~三段目)にある玉の周辺の守備駒たち、いわゆる「囲い」(「城」に喩えることもある)が、そのはるか上空である四~六段目、つまり天空に存在することを表す。
狭義には、天空に城ができるだけでなく、そこに自玉(ムスカ)が入城した状態をいう。
別の定義もある。後述する。
キャッスル・イン・ザ・スカイ
通常、囲いはこのように自陣に構える。
下図の赤く囲んだ部分が「囲い」である。これは代表的な囲いの一つ「矢倉」である。
囲いは金銀3枚で作られることが一般的である。
矢倉囲いの場合は、まず金銀など守備駒を先に配置し城を完成させ、そこに玉が入っていく場合が多い。この玉が城に入ることを「入城」と言うことがある。
それに対し、以下のように上空に城を作る形がラピュタである。
上図は、私が個人的に将棋用語としての「ラピュタ」の存在を知った以下の実況動画のラピュタ局面である。8分20秒付近に現れる。
この場合は、金、銀、そして成銀の3枚で囲いが構成されている。通常の囲いではありえない「成駒」を囲いに参加させているのが特徴。
ただし玉の耐久力については疑問が残る。なおシータは「これが玉座ですって? ここはお墓よ」と言った。
そこで、これでは物足りない場合は、以下の様なハイレベルな天空の城を目指すことも不可能ではない。
ラピュタから見れば、右下の駒台にある歩兵たちがゴミのように見えるかもしれない。
上図は、雑誌「将棋世界」や「週刊将棋」、多数の将棋関連書籍の出版等の事業で知られるマイナビ出版さんが築城した事例である。
盤上のロマンに挑戦! HiBiKiのBot 激指と遊んでみた2(マイナビ将棋編集部ブログ)
天空の定義
上記のマイナビさんのブログによれば、天空の定義は玉が四~六段目にいる状態。これが妥当だと思います。
あまりに上空である敵陣(七段目~九段目)になると、それは天空ではなくもはや敵陣である。
ただし実戦では、敵陣に城を作ったほうが、天空の城より遥かに耐久力がある。一般に、入玉といわれる形(敵陣に自玉が入ること)は、詰まされにくい。入城と入玉は混同しがちだから注意したい。
将棋の駒は前方への攻撃が得意なものがほとんどであり、入玉すると攻撃されにくくなる。
しかし先手後手ともに入玉すると、お互いに攻撃の手段がなくなり膠着状態になる。具体的には以下のような状態である。
(この局面は2015年9月5日の将棋日本シリーズJT杯プロ公式戦2回戦第2局の270手目)
その結果、持将棋で引き分けというバルス(滅びの呪文)が発生する可能性が高まる。仮に滅びの呪文が発動すれば局面は以下の状態となる。
その他のラピュタと有効性
他にも複数「ラピュタ」と表現されている形は存在するようである。通常自陣二段目に玉を構える形の囲いを、一段押し上げて築城する形や、玉の上下左右を金銀で囲った形を指すこともあるみたいである。
将棋の戦略上、ラピュタが有効であるか? と言われれば疑問符がつく。「土から離れては生きられない」。まずは地上に城を構えるのが妥当だと思います。地上が危なくなってきたら初めて、40秒で支度して天空を目指す方針が良さそうです。
なお、私の手元にある由緒正しき将棋用語集4冊には、ラピュタに関する記述は一切ない。
コメント
【お詫び】管理人です。
この記事のURLがraputaとなっている件についてお詫び致します。laputaとすべきでした。
ジブリファン、アニメファンの皆様にただただお詫び申し上げます。
また、in the sky も in sky となっていました。お詫びいたします。
今後とも当サイトをよろしくお願いします。
ラピュタと言うからには王将戦でモテ先生が指したあれが来ると思っていましたが、読みが外れました。
コメントありがとうございます。その頃私は将棋をしてなかったので、申し訳ないのですが、自分の知っている範囲でご説明をしました。申し訳ありません。
とても面白かった。天空の城は実現させたいです。無敵囲いを好んで指しています。たまに勝つ時、負け込みが激しいゆえ数倍歓喜に震えます。どしどし記事の量産お願いします。愉しい今宵です。