日曜のひとときに放送されているNHK杯テレビ将棋トーナメントの定跡だった、対局者2人のインタビューがなくなっていました。
2015年11月29日の放送分、久保利明九段vs阿部光瑠六段戦でなくなり、翌週12月6日の郷田真隆王将vs阿部健治郎六段戦でも放送されませんでした。
なくなってみると寂しいものがあります。
これまでの定跡
私はまだ将棋ファン歴が浅く昔のやり方はわかりませんが、少なくとも最近のNHK杯の序盤の定跡は以下でした。
1.ピュルリーヒュララーポンポン(お正月風の音楽)
2.パチリ(NHK杯選手権者による初手▲7六歩)
3.司会の清水市代女流六段挨拶
4.トーナメント表読み上げ
5.対局場の様子
6.対局者プロフィール紹介
7.この日の解説者の紹介と挨拶
8.解説者が対局者の印象を述べる
9.対局者(先手)インタビュー
10.司会と解説がインタビューの感想を述べる
11.対局者(後手)インタビュー
12.司会と解説がインタビューの感想を述べる
13.解説者が戦型予想とか見どころを述べる
14.司会が「それでは棋譜読み上げの○○さん、よろしくお願いします」と振る
15.棋譜読み上げ係が対局ルール(持ち時間)説明
16.よろしくお願いします
新定跡
11月29日、翌週12月2日は以下のように進行しています。
1.ピュルリーヒュララーポンポン(お正月風の音楽)
2.パチリ(NHK杯選手権者による初手▲7六歩)
3.司会の清水市代女流六段挨拶
4.トーナメント表読み上げ
5.対局場の様子
6.対局者プロフィール紹介
7.解説者の紹介と挨拶
8.解説者が対局者の印象を述べる
9.対局者(先手)インタビュー←なくなった
10.司会と解説がインタビューの感想を述べる←なくなった
11.対局者(後手)インタビュー←なくなった
12.司会と解説がインタビューの感想を述べる←なくなった
13.解説者が戦型予想とか見どころを述べる
14.司会が「それでは棋譜読み上げの○○さん、よろしくお願いします」と振る
15.棋譜読み上げ係が対局ルール(持ち時間)説明
16.よろしくお願いします
この冒頭部分を観直してみると、インタビューが収録後に「カット」されたというわけではなく、最初からない状態で収録されたのがわかります。8と13の間が、スムーズにつながっているので。
なぜなのか
このインタビューは、数々のドラマを生んできました。佐藤紳哉六段や橋本崇載八段の「豊島?強いよね」とか、最近だと阿部健治郎六段の「ビーフステーキを食べてきました」という謎の発言など。これが廃止されるとは。
しかし永久に廃止されたというわけではないかもしれません。
旧定跡で放送された11月22日の放送と、新定跡の11月29日の放送では決定的な違いがあるのです。
それは11月22日までの放送は2回戦であり、11月29日からの放送は3回戦だということです。
3回戦だからなくなったのか
NHKテレビ将棋トーナメントのトーナメント表によれば、すべての棋士が2回戦までに登場します。つまり、2回戦までインタビューを放送すれば、本選出場者は少なくとも1回、インタビューが放送されることになります。
同じ棋士のインタビューを2回も3回も必要ない、という理由でなくなったのかもしれません。その分、別のところに充実した時間を割いていただければ、それでもよさそうです。
ちなみに昨年度(第64回)NHK杯では3回戦以降もインタビューがありました。例えば準決勝では橋本崇載八段が二歩をしたのですが、その対局のインタビューでは激辛担々麺がどうのこうのと述べています。
時間がなかった説
対局者インタビューがなかった理由として、単純に「インタビューを放送する時間がなかったから」という説があるかもしれません。しかし11月29日の放送(新定跡1回目)では、終局後に感想戦が10分ほど放送されているので、時間は十分にあったと思います。したがってこの説である可能性は低いです。
他の説もあるかもしれませんが、私個人的には「3回戦だから」説が有力だと思っています。
決勝は
ところで、先日「現役プロ棋士データブック2016」の記事を書いたのですが、NHK杯ではインタビューに代えて手番別勝率とか平均手数とか各種データ紹介でも良いかもしれないな、と思いました。将棋ファンはデータ好きの方、けっこう多いと思いますので、同じようなインタビューを何度も放送するより面白いかも。
なお決勝は、前例に倣えば準決勝までとは違った特別な形で放送されると思うので、インタビューもあると思います。
こんな記事を書いておいて、来週からインタビューが復活するかもしれません。その時は申し訳ありませんが、この記事のことは忘れてください。
コメント
3回戦(ベスト16)に入って、トーナメント表も写真入りのものに一新されましたからね。ひと区切り、ということかもしれませんね。私はインタビューなくなって寂しいですけど。
これ私も気づいてちょっと残念に思ってました。これがないと激辛と言っておきながら真剣に二歩なんて離れ業ができないですし(笑)
今大会のインタビューで印象的だったのは、打倒ウティに静かに燃えているのがよく分かる木村八段でした。復活してほしいです。
やったか?様:
コメントありがとうございます。そういえば3回戦第1局(11/29)の放送では清水女流と解説の戸辺六段がトーナメント表に触れられていましたね。戸辺六段もベスト16入りということで。私は棋士の顔を正面からフルHD画質でアップで見る機会が減るのが寂しいと思っています。インタビューの内容は、覚えている時と覚えていない時がありますが。
桂馬ライダー様:
コメントありがとうございます。そうですね、時々生まれるドラマが生まれなくなってしまうという不安材料はあります。あと時々採用する戦型を宣言する棋士がいたりして、今思えばいろいろあったなと。
また4回戦になったら復活するとか、来期まで復活しないとか、もしかしたら来期になっても復活しないとか、いろいろ考えられますので待ちましょう。
皆様コメントありがとうございます。