2014年4月からNHK「NEWS WEB」の毎週水曜日のネットナビゲーターを務めてきた中村太地六段ですが、2015年3月25日、同番組を(レギュラーとしては)卒業しました。
来月からはフィギュアスケーターの鈴木明子さんがつとめます。
別に中村六段がクビになったわけじゃないですよ。全曜日一斉の交代ですし、これまでも1年間毎に交代しています。1年間お疲れ様でした。といっても、今後も祝日に不定期出演するらしいですが。
そして、この日レギュラーとしては最後の出演となった中村六段に、なんと羽生善治名人からサプライズメッセージが・・・!
一部始終をご紹介します。
最後の「気になる」
この日卒業する中村六段は、最後の「気になる」(ネットナビゲーターが、自身の関心がある話題を選んで伝えるコーナー)で、さいたま市大宮の「盆栽美術館」をピックアップ。
この美術館が今、外国人に人気で、外国人来館者は今年度3000人以上になっているらしいです。これは3年前と比べ2倍以上の数字だそうです。
中村六段は、この話題を選んだ理由について「盆栽が、分かる男に、なりたいな」とコメント。「日本の伝統文化ですし、将棋やってるので、そういうのも知りたい」とのことでした。
1年を振り返って
中村太地六段は、この1年で「最も印象に残った回」について、「昨年史上最速で1300勝を達成した羽生さん(羽生善治名人)がお越しいただいた日」だとして、「まさかニュース番組で羽生さんとご一緒することがあるとは夢にも思わなかったので。そこですね。あと、普段聞けないこと聞けたので」とコメント。
羽生善治名人の印象に残った話
2014年11月21日のNEWS WEBには、通算1300勝を達成した羽生善治名人が出演。この時、羽生名人はいろいろ話をしてくれたのですが、中村六段が特に印象に残っている話は「羽生名人のモチベーション」の話。
羽生名人は「将棋って面白いもので、結構、一つ問題を解決しても、また新たな問題とか課題が出てくるっていうところがあって。で、それがとにかく次から次に出てくるっていうところがあるので、まあ、そこがひとつ大きな、まあモチベーションになっているというところはありますね」とコメントし、将棋の局面の似て非なる形に小さな違いを見つけて、そこを掘り下げるという話をされ、「小さな違いを積み上げて、まあ、大きな違いや大きな進歩を成し遂げていけたらいいなって、そういう目標があります」と話していました。
この話は、先日のガルリ・カスパロフさん(チェスの伝説的チャンピオン)との対談でも話されていたことですね。
中村六段は、「すごいことを成し遂げている方が、一つ一つの積み重ねが大事っておっしゃってる」ことが印象に残ったようで「自分を戒める気持ちになった」とコメントしていました。
羽生さんからサプライズメッセージ!
そして、この日でレギュラーを卒業する中村六段に、羽生名人からサプライズでメッセージが。
メッセージが届いていること知らなかったという中村六段は、大きな目をさらに見開き「え?!知らなかったです、え?!」と驚きました。
羽生さんからのメッセージは
「初めての大役でなにかと大変だったと思いますが、すぐに適応していく姿に感嘆をしていました。棋士として社会人として、この経験を様々な形で活かしてください。もし再びナビゲーターになるときがあったら、またゲストで呼んでください。1年間お疲れ様でした」
という、なんともありがたいもの。鎌倉千秋アナが読み上げました。
盤上以外は素敵な方
鎌倉アナの読み上げが終わると、中村六段は大きく口を開き「光栄です、びっくりして言葉があんまり入ってこなかった、あとで放送見なおそう」「うれしいです」と、感動した様子でコメント。
中村六段は「羽生さんが観てくださって・・・なんていうか、気にかけてくださってるなって感じがしましたし、本当に素敵で優しい方で」「盤上以外は本当に素敵な方なので、尊敬する人ですね」と述べました。
羽生さんが気にかけてくださってる
中村六段は番組の最後にも羽生名人に言及。「将棋がとてつもなく強いのはもちろん、いろんなことに興味がある方で、しかも精通されている。そういう風になりたいな、って常日頃から自分も思っていて、ネットナビを引き受けさせていただいたのもそういう気持ちがあったからこそなので」と、思いを語っていました。
そういえば、ガルリ・カスパロフさんとの対談でも、羽生名人は将棋以外のことにも取り組むことで結果的に強くなる、といったことをおっしゃっていました。
次は棋士としての活躍でこの場に
鎌倉アナから、「これ(コメンテーターの経験)で棋士として強くなったりするんですか?」と質問されると、中村太地六段は「したいですし、しなきゃ皆様に顔見せできませんから。今度は、活躍してここで取り上げていただけるように」と活躍を誓っていました。
コメント
タイトル見たとき羽生さんが太地に盤上以外は本当に素敵って言ったのかと勘違いした
本業もっと頑張れやって意味かと思って焦ったわ
コメントありがとうございます!
匿名さん:
勘違いさせてしまったようで・・・その勘違いは焦りますね。それだったら本当に厳しい方。
メッセージ”に”、ですのであしからず。
面白いもので、羽生名人から中村六段への「盤上以外は本当に素敵」と、
中村六段から羽生名人への「盤上以外は本当に素敵」では、意味が違うんですね。
ひろさん:
棋士にとってこういう言葉は最高の褒め言葉というか、尊敬を表す言葉ですよね。
あのメッセージをもらった場面でさらっと言っちゃうのがいいです。
中村六段には他の棋士からそう言われるようになって、番組に凱旋して欲しいです。
山崎さんもNHK杯解説で「僕にとっては迷惑な人」と言いつつ「将棋界の偉大な人」と言ったり、棋士の皆さんのこういう部分には本当にほれぼれします。