2015年3月14日に行われた将棋電王戦FINAL第1局(▲斉藤慎太郎五段VS△Apery)において、現地で大盤解説会をしていた関西若手四天王の一角、村田顕弘五段から「えっ、りゅ、りゅ、りゅう、竜、取ったんですか?」という名言が飛び出しました。
これは落ち着いた雰囲気の村田五段の普段の語り口からは想像できない、大変に面白い出来事でした。詳しくは以下のニコニコ生放送のタイムシフト(開始から9時間36分あたりから)をご参照ください。
3月6日の順位戦C級2組最終局で勝ち、同順位戦3位に滑り込みC1昇級を決めた村田顕弘五段。
そんな村田五段の名言を全文記憶したくなりました。
これは、私にとって糸谷哲郎竜王の食レポ以来の出来事。
そういうわけで書き起こしてみます。
りゅ、りゅ、りゅう、竜
この第1局では、現地で大盤解説会が行われました。この局の敗着とも言える△7七とが指された時、解説会はたまたまニコニコ生放送で中継され、村田顕弘五段と香川愛生女流王将による解説が行われていました。
村田五段は、この一つ前の局面をいろいろ検討。有力視していたのは(本譜の△7七とではなく)△7六歩でした。
木村一基八段からの連絡がきっかけ
その時でした。ニコファーレで解説をしていた木村一基八段から、村田五段に「(後手が)今、指しましたね。(△7七とと)竜取りましたよ、村田さん」という連絡が入りました。
動揺する村田顕五段
この木村八段の言葉に、村田五段は異常なほどに驚き、動揺しながら以下のように述べました。
「りゅ、りゅう!?
えっ、りゅ、りゅう、取ったんですか?
いや、え、えっ!?いや」
木村八段「そんなに驚かなくてもいいよ(優しい声で)」
村田五段
「いや、りゅ、りゅうを・・・
いや、りゅ
あのー
え、ちょ、ちょっと、あのー、あのー、ちょっと
き、き、聞いてもらっていいですか?
あのー、りゅ、りゅ、りゅう、竜を取るっていうのはですね
あのー、ちょっと、あのー、いや、いや、あの
え、こ、この、この局面からですよ。あのー
ええ、(駒を動かしながら)こうで、こうで、か、角と竜の
ええ、こ、この(後手の)角と(先手の)竜を交換した
勘定になると思うんですけど
ですけど、え、え、いや、でもこれは角と竜の交換じゃなくて
角と(後手の)と金と竜の交換で、
このと金の分1枚損したと思うんですよ。
そうですよね」
香川愛生女流王将「はい、はい。そうですね・・・(笑)すいません(笑って声にならない)」
村田五段
「あのー、だからこれは、す、すごい交換だと思ったんですけど。
ええ、だからすごい驚いてます。すみません」
先手勝ちに
この解説を聞いた香川愛生女流王将は「(驚きが)すごく伝わってきます」と的確なコメント。
そして村田五段は「もう、(先手が)負けないような気がします」と断言しました。
これにより、ニコ生視聴者や大盤解説会場の方々は先手・斎藤慎太郎五段の勝ちを確信できたわけです。
以上、ありがとうございました。