週刊少年ジャンプの将棋漫画「ものの歩」ですが、いまだ例の疑問が解決していないので第5話も読んでみました。
例の疑問とは主要キャラの一人、香月が男なのか、女なのかという疑問。第4話では女性の可能性がでてきていました。
「ものの歩」第4話。香月がやっぱり女性の可能性。銀雅の服を引っ張って「約束したのに!」
「現代には男の娘という概念もある」「この疑問を解決することに何の意味があるのか」。そんなことを言われながらも読んだ第5話。
ところで、今回この漫画で初めて真剣勝負の局面図がでてきました。橋本崇載八段監修ですから、局面が破綻しているということはないでしょうが、念のためソフト先生にも評価してもらいました。
この記事にはネタバレがございますので、ご注意下さい。
あらすじ
将棋部に入部したい信歩は、部長の竜胆と対局。
劣勢で迎えた終盤、信歩は「6二銀」という強気な一手を放つ。これは自玉を守るのではなく、「寄せ合い」(攻め合うことを)を選んだ手。
竜胆はこの手に激怒。「コイツ・・・ッ 俺の王に噛みつきやがった!!!!」と心のなかで思い、本気になる。相変わらずこじらせている竜胆。
白目をむき、歯を食いしばりながら竜胆が指した手は「3一角」。いったん受けに回った手。この受けに信歩はビビってしまいそのまま敗戦。
しかしその善戦が認められ将棋部に入部を許される。入部は、すなわち都大会へ出場できることを意味する。
信歩が「都大会よぉし都大会」と口ずさみながらシェアハウスに戻ると、みなとから「トイレなら外で借りてきなさい」と言われる。
トイレでは香月がゲロを吐いている真っ最中。この日は奨励会の例会日で、香月は負けていた。
声をかけようとする桂司に、香月は「ろくに努力もしないで・・・勘で指している奴に・・・!!!負けの重みがわかんのかよ!!!もう将棋しかないんだよ!!!負けたら人間でいられないんだ!!!」と絶叫。
桂司は「・・・悪いな わかんねーわ 天才だから」と言いつつも「とにかく全部吐いちまえよ トイレ掃除は俺の仕事だからさ」とやさしく香月の肩を抱く。
香月は歯を食いしばり涙を流しながら「プロに・・・なるんだよ・・・!!!」と発言。
この第5話の副題は「覚悟の量」。信歩は自分と奨励会員との「プロになること」への覚悟の量の差を知るのでした。
信歩の実力
まず以下の局面図をご覧ください。信歩vs竜胆の対局。手番は先手の信歩です(漫画の中ではどっちが先手かわかりませんが、便宜上信歩を先手としています)。我が家のAperyさんによる評価では、マイナス2000ほどとなっており、先手が敗勢(プロ同士であれば)です。
ここからどう指すでしょうか?信歩が選んだ手はこれです。
▲6二銀。
これ、元ネタはプロの対局なんでしょうかね。とにかく▲6二銀は、Aperyさんによると最善ではないにしろ2、3番目に良い手のようです。他に攻める手としては▲7二銀、または▲5七竜と竜を引き上げる手もあるようです。
ここで、竜胆が歯を食いしばり白目になって指した手がこちらです。
△3一角。これも我が家のAperyさんに評価させると、最善のようです。竜取りを見せながら、次に角を動かせれば王の逃げ道が開けます。評価値はマイナス3000ほどに。
その後は▲6三竜 △5二金と進みました。
この△5二金はちょっと甘かったようで(あくまでAperyさんの見解です)、評価値はマイナス1500ぐらいになりました。Aperyさんは攻める手を推奨していました。しかし竜胆が根性をみせて受けた、というのがよくわかりました。
なにか元ネタがあるんじゃないかと思う(あるのでしょうか)ぐらいの応酬で、監修の橋本崇載八段、さすがだと思いました。
香月の叫び
香月は、前回の話で銀雅に対してヤキモチを焼いたかのような女の子みたいな態度をとっていましたが、今回トイレで見せた鬼の形相や叫びは女の子とは思えないものでした。
みなとの可愛らしい服装とは対極的なシンプルな服装もあわせて、香月男性説が再び有力になってきたと思います。
ちなみに香月が吐いていた様式トイレの便座は、下がっていました。これが上がっていれば男性説が決定的になるかと思ったんですが。
まとめ
今回は真剣勝負の対局の一部を観ることができました。書きましたとおり、ソフトで評価させてみても良い手を指しており、さすが橋本崇載八段の監修だと思いました。
奨励会の苛酷さが垣間見えるというのは、将棋漫画の定跡といえると思いますが、その役割を香月がやるとは思いませんでした。かといっていかにも可愛いみなとがゲロ吐いていたら、少年漫画としてちょっと悪手なのかもしれませんが。
前述のとおり香月の性別はいまだに不明確です。
それでは、また何かありましたら記事にしますのでよろしくお願い致します。