週刊少年ジャンプの漫画「ものの歩」の第27話です。
子供の頃から髪型が変わらない人っていると思うんですが、「あ、この人子供の頃から髪型変わらないな」って思う時はどんな時が一番多いかというと、事件を起こした人なんかの卒業アルバムが報道番組で映された時ですね。通う美容院(床屋)は変わったりしているはずなんですが、変わらない人は変わらないです。こだわりがあるんだと思いますが(あるいはなさすぎるのか)、もしかしたらその人の周りだけ何らかの力が働いていて、あるいは常に風が吹いていて、その髪型にさせているのかもしれません。
さて今回の話では局面図も出てきたのですが、事情により省略させていただきます。申し訳ありません。
前回までの話は以下の記事で。
これまでの記事はこちらの記事で。
いよいよ、都大会団体決勝戦の開始です。
あらすじ
都大会決勝が開始された。
千賀高校の大将の信歩は、将和高校の大将で部長の仙國元春と対戦。
信歩は決勝でも矢倉を採用。仙國は振り飛車(ノーマル四間)穴熊で対抗した。矢倉は振り飛車に分が悪い上に、矢倉と穴熊では防御力も穴熊の方が上。信歩は不利とみられる。
副将戦は竜胆と蒼馬の因縁対決。
こちらは相横歩取りの戦いに。(相横歩取りは、プロではあまり指されないと思います。確か後手番が不利だったような)
戦いの途中に竜胆の回想シーンになる。二人の出会い。
子供の頃、竜胆が縁側で将棋を勉強しているところに犬が来て、その犬の飼い主が蒼馬だったという話。後から将棋を覚えた蒼馬だったが、やがて竜胆に追いつき、二人はライバルになった。子供の頃から、竜胆はなにかこじらせているようなツンデレ感があるし、蒼馬の周りには弱いながらも風が吹いていた。
大将戦を戦う信歩は、行き止まりのトンネルの中にいた。
実力や戦型からすれば「絶対に勝てない」だろうとみられる仙國との戦いだが、信歩は「作ればいい。誰もが掘るのをやめたトンネルの先。自分の将棋を」ということで、トンネルの掘削を開始する。
次の一手問題
今回は「ものの歩」の前のページに「プロへの道も一歩から」という将棋講座が掲載されています。講師は橋本崇載八段。今回で3回目です。
詳しくはジャンプを読んで下さい。次の一手問題が出題されていました。将棋を始めて間もない人にとってはちょっと考える問題かもしれません。以下のような局面です。飛車先が通っています。攻めるチャンスです。この時、次の一手は?
有名な手筋ですね。
「プロになりたいとか言い出したのに全く将棋をしない」というこの漫画の担当者M氏の候補手は▲2二飛成でした。
しかしこれは飛車は成れて角も取れますが、すぐに飛車を取り返されてしまっていけません。
また、角の頭に直接打つ▲2三歩も、△3三角とかわされてそれ以上攻めが続きません。
正解は▲2四歩。次に▲2三歩成と、と金を作る手があります。後手はこのと金作りを防ぎたいのですが、防ぐ手が見当たりません。▲2三歩成のあと、△同金と取られますが、そこで▲同飛車成とします。先手は相手の金を取ることができた上に飛車が成れて成功。代償は歩1枚のみ。
・・・というようなことを、同講座ではコミカルに書いてありますので、ご覧になっていただければと思います。
トンネル掘削は苦しい
この漫画では、主人公の信歩が「矢倉しか指さない。矢倉しか勉強しない」ことを貫き、たとえ不利になってもそこから打開する方針です。これを「誰もが諦めたトンネルの掘削工事」に喩えています。
トンネルの掘削は苦しいです。もっと楽に道を作る方法もあると思います。
竜胆と蒼馬の因縁対決は実現しました。ある意味、このトンネルは掘削できなくても、1つの目標は達成したわけです。信歩の個人目標としては、泰金から与えられた「東京で一番になる」というものがありますが、団体戦での優勝が「東京で一番」といえるのかは微妙です。
この状況、自分だったら掘削を諦めて別の道を探しますが、主人公たるものそうはいかないのでしょうか。
コメント
初めまして
>実力や戦型からすれば「絶対に勝てない」だろうとみられる仙國との戦い
みなとが言った「絶対に勝てない」はそういう意味ではないと思います。
トリコよりの意味だった気がします。
自分自身の内側にいる化物がどういう存在なのか。
それをわかっていない。
そう意味ではなかったのでしょうか。
例えば、腕が八本ある化物が自分を二本の腕しか持たない人間だと思い込んでいたらその全力を出せるでしょうか。
もしくは、どれだけ傷つこうと動き続けるゾンビが自分が傷つくことを恐れていたら最期まで戦えるでしょうか。
十歩達が負けたのは、自分が何者かわかっていなかったから。
相手の主将が勝てなかったのは化け物になれず諦めてしまったから。
そういう方向にもっていくのではないでしょうか。
個人的には、真っ黒なしのぶが見てみたいと思っています。
どこまでも結果のみ追い求め、
そのためならそれまでの全てを簡単に捨ててしまえるしのぶを。
詰め将棋の強さの理由は、
読みの深さでなく、こだわりのなさ
目の前に集中できる強さでなく、目の前以外を切り捨てる強さ。
そんな感じが希望の展開かなと思います。
「ありがとうございます、あなたのおかげで自由になれました」
と母親の呪縛を捨て去りどこまでも冷たい笑顔で相手をじわじわと嬲るしのぶ。
相手が絶対に勝てない、逃げられないと絶望するまで。
トリコのネオのように。
というのもありかなと思います。
20号で番外をやるようなので
真っ黒なしのぶと将棋を楽しんでいたころのしのぶでハンターハンター(センターカラー)を挟んできたりするとまた違った味のジャンプが楽しめるかなと思うので。
長々すみません。
はじめまして。コメントありがとうございます。
私は漫画に疎く、正しい意味は理解できていないかもしれませんが、私なりに解釈しましてこのように書きました。
他のジャンプの漫画は全く読んでいないため、申し訳ないのですが例にあげられた漫画のことも全くわかりませんが、野良猫様のおっしゃりたいことはわかったつもりになりました。
私は色々と人によって解釈があってよいと思い書いてきました。今後も書くかもしれませんがその時はよろしくおねがいします。
ものの歩記事を楽しみにしていたのですが、最近更新がありません。
管理人様も大変お忙しいとは思うのですが、お時間の有るときに出来れば更新して頂けると嬉しいです。
コメントありがとうございます。
楽しみにしていただいたのに申し訳ありません。そうですね、私自身ほとんど漫画を読まないためその感想を書くのは多分人よりかなり時間がかかってしまう感じで、なかなか時間がとれず申し訳ありません。ありがたいコメントをいただいたことに感謝いたします。
返信ありがとうございます。
応援しています。
ぜひ今週号の香月をご覧ください
はい。見ました。香月は出てくる度にいろんな顔(姿)を見せてくれるから魅力的ですね。ありがとうございます。