2016年12月16日発売の週刊金曜日(1117号)に「三浦弘行九段の将棋ソフト不正使用疑惑と出場停止処分 日本将棋連盟、棋士会から常務会に高まる不満 本誌取材班」という記事が掲載されています。
この件に関して、私がツイートした内容を改めて掲載しておきます。「タイトル剥奪」発言のあたり、一部補足しています。
三浦九段の疑惑について掲載された週刊金曜日を読みました(1)。
内容はこれまでの報道に鵜川善郷氏が解釈や独自情報を加えたもの、概ね連盟常務会に対する批判的なものとなっています。
事実かどうかわかりませんが、連盟側は10月に裁判に備え役員賠償責任保険に入ったという情報もあります。— 将棋ワンストップ (@shogi1com) 2016年12月19日
週刊金曜日に三浦九段の疑惑(2)
鵜川氏は、処分手続き不備、渡辺竜王が連盟内部で浮いているらしい状況、関西所属の谷川会長の弱い立場、連盟が三浦九段の言動について作り話をしている可能性、読売新聞等の主催社の不可解な動きなどにも言及。読売の狙いはタイトル戦と棋譜の独占だという新見解も— 将棋ワンストップ (@shogi1com) 2016年12月19日
週刊金曜日に三浦九段の疑惑(3)
疑問に感じる記述も複数あります。例えば記事中で「誰々が棋士会で発言した」などと「棋士会」を会合のような意味で使っているが、棋士会は組織名のはず。年表には「1950年 竜王戦が設立」という記述も。1950年は竜王戦の前身の前身である九段戦の初開催年— 将棋ワンストップ (@shogi1com) 2016年12月19日
週刊金曜日に三浦九段の疑惑(4)
鵜川氏の話として「谷川会長らは10/21の棋士会で、渡辺竜王から三浦とは指せないと言われたとばらしてしまった。そして11/21の棋士会では、渡辺竜王はタイトルを剥奪・処分されても仕方ない、と言って連盟を混乱させたことを謝罪した」(要約)とあります— 将棋ワンストップ (@shogi1com) 2016年12月19日
週刊金曜日に三浦九段の疑惑(5)
前述の「タイトル剥奪」発言、以前の産経の報道では渡辺竜王自身が「タイトル剥奪されても構わない」と発言し対応を求めたとのことでした(後に本人は否定)が、週金では谷川会長らが「渡辺竜王はタイトルを剥奪・処分されても仕方ない」と発言したという書き方です— 将棋ワンストップ (@shogi1com) 2016年12月19日
「タイトルを剥奪・処分されても仕方ない」という発言は、渡辺竜王自身の発言だとも解釈できる書き方になっていますので、補足しておきます。
「タイトル剥奪」発言といえば、以前、産経新聞が「渡辺竜王が『疑念がある棋士と指すつもりはない。タイトルを剥奪(はくだつ)されても構わない』と、連盟幹部に強く対応を求めていた」と報道(10月21日の連盟会見で、島朗理事が言及した内容)していました。
ただこの「タイトル剥奪」発言は、10月31日の月例報告会後に竜王を取材したスポーツ報知が「『(三浦九段を処分しないなら)竜王戦は指さない(出場しない)。タイトルを剥奪されても構わない』などと発言したとされることについても、事実ではないとした」と、発言を否定する報道をしています。
しかしさらに翌日の11月1日、渡辺竜王は自身のブログで「報道された記事でこれでは発言が後退しすぎと言うか(中略)島さんが言ったとされる自分の発言については島さんとの間での言葉のあや、解釈の違い、さらに報道を介すことで自分の本意ではない形で世に出てしまいました」と書かれています。
私は初めて週刊金曜日の記事を読んだ時、上記の流れもあったため「タイトルを剥奪・処分されても仕方ない」という発言は竜王自身の発言かと思ったのですが、よくよく読んでみると「谷川会長らが 『渡辺竜王はタイトル剥奪・処分されても仕方ない』と発言した」とも解釈できることに気付きました。
11月21日は竜王戦七番勝負第4局の最中であり、竜王自身が何らかの会合で意見表明することは物理的にできないため、谷川会長らが発言したと書きたかったのだろうと、今は解釈しています。ですが、竜王自身の発言だという解釈を否定するつもりはありません。鵜川氏の発言の中で日付が間違っているという見方もできると思います。日付の間違いだとすれば、正しい日付は10月31日か11月28日の可能性があります。
複数の解釈ができること、日付の間違いの可能性があることは、以前の記事のコメント欄におけるやり取りの中で教えてもらって気付きました。参考までに当該記事のコメント欄にリンクしておきます。
三浦弘行九段のソフト不正疑惑の時系列まとめ記事(その3)コメント欄へ
週刊金曜日に三浦九段の疑惑(6)
本件は関係者の間で「平成の陣屋事件」と呼ばれているとのこと。
詳しくは12月16日発売の週刊金曜日(1117号)をご覧下さい。取り扱ってる書店は多くないですが。
前述の「タイトル剥奪」発言などは読む人によって別の解釈もあるかもしれないです(終)— 将棋ワンストップ (@shogi1com) 2016年12月19日
この週刊金曜日の記事や解釈について、何か別の発見等があればまた追記します。
コメント
「谷川会長らが 『渡辺竜王はタイトル剥奪・処分されても仕方ない』と発言した」
この辺とても大事なのにみんな解釈が違うということですかね。
1.渡辺竜王はもし間違っていたら「タイトル剥奪・処分されても仕方ない」場面であったが、勇気をもって告発した。との意で”谷川会長ら”が言った。
2.”渡辺竜王”が、「タイトル剥奪・処分されても仕方ない」と言った。
上の2つは全く違いますよね。
管理人さん
いつもありがとうございます。
可能な限り主観を排除して、正確に伝わるように配慮くださっていて、読む際にもできるだけ冷静に読もうと思うようになります
日程的に誤りがありそうですが(11/21は竜王戦4局1日目なので渡辺竜王の発言は別の日でしょうね)、長年棋界を近くで見てきた方の意見の中に何かヒントはありそうに思います。
いつもありがとうございます。
週刊金曜日の記事には、間違いと思われる箇所が散見されますし、事実を示そうとする文章なのに複数の解釈ができることなどは、編集者(ライター)と鵜川氏の間にあまり信頼関係のようなものがなかったか、十分な意思疎通・打ち合わせができていないことを伺わせてしまいます。が、この事件で度々出てくるような「匿名の証言」よりいいかなと思って記事を書きました。そのあたりの雰囲気は週金を読んで各自判断していただくしかないですね。
第三者から見て不当に処分されたと思われる対応しかとれない理事に問題あるよ
処分決定した身内同士ですら統率がとれてない、会話録音していないから水掛け論
理事は他の仕事も沢山あるし、イレギュラーが発生したときに対応できる時間も人数も限られているから多少は同情するけどさあ
そのためにマニュアルを作っておけと思うけど、それを作れる人材もいないからまた同じ事をくりかえすんだろうな
> 理事は他の仕事も沢山あるし
利害が絡む現役棋士が理事をする事が問題だと思います
理事の兼務は棋士の本分である対局を疎かにする行為かなと
「将棋村」の非常識を抑える為に今回の件を糧にして外部の常任理事を増やして欲しいな
自治は可能だと思います。
今回のような決定には必ず抑止になる存在が必要かと思います。
顧問弁護士、外部理事、または複数の引退棋士の意見、または棋士総会での採決など
現在いる人材で十分人材がいるにも拘わらず、機能していない、または活用しないところに問題があると思います。
特に今回、抑止力のある人をあえて避けたように私は感じます。
例えば、疑惑の対局の当事者であるはずの丸山九段の意見を求めていません。
結局、外部の常任理事を迎えたとしても、そういう部分が改善しない限り同じことになります。
不正調査をしないで処分した将棋連盟がおかしいんだよ
なんでそうなったのかを考えたら
穏便にすませようとして失敗したケースだな
将棋連盟は最初から三浦を処分する気がなかった可能性がある
不正調査が開始されると思ったけど何もしない理事会
それに渡辺が業を煮やしてああいう強引な結末になったんじゃないの?
将棋連盟の内部のことも大事だけど、肝心な三浦さんはどうなるの?
人生をかけてやってる将棋を、不確かなことで狂わされてるんだよ。
面倒なことに蓋をして、いじめと一緒だよ。大人の陰湿ないじめだね。
いじめとは違う気がする
私利私欲のために三浦をはめる人達ではないと思いたい
将棋連盟のことを考えてのことだったと思っている
でも対応がまずいんだよ、そこが将棋しかやってこなかった運営の弱点
優秀な相談役がいればいいんだけどね
ごめん、三浦の会見聞く限りいじめだったわ
三浦さん、群馬の新春将棋イベントも出られなくなっていたってさっきヤフーで見たよ。
こういうの誰がやってるの?
なにもしてない三浦さんにとことんだね。
連盟も謝っておわり?3分の1カット?自分がされたらそんなもんでは
すまされないのでは?