新将棋用語「スパーク」誕生。北島忠雄七段の穏やかな解説から突然飛び出す(お詫びと訂正あり)

2015年6月27日の第1期叡王戦七段予選、▲豊島将之七段VS△中座真七段の対局の解説で、聞きなれない将棋用語が現れました。

その用語とは「スパーク」。

「スパーク」の意味をニコニコ大百科で調べてみると・・・。

スパーク(spark)とは、「火花」「飛んできた火」「火の粉」「閃光」などを意味する単語

今まで将棋の解説では聞いたことがなかったため、新しい用語なのだと思います

お詫びと訂正:
申し訳ございません。新しい用語ではないようです。過去にも使われていたと教えていただきました。
また、業界の仲間内ではよく使用されるそうです。
私(管理人)は新参の将棋ファンで、ニコ生のコメントからしても新語だと思い込んでいました。申し訳ございません。
記事の本質としましては、用語解説というより、北島忠雄七段の解説が良かったという趣旨ですので、取下げずにおきたいと思います。よろしくお願い致します。

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北島忠雄七段の穏やかな解説

この「スパーク」発言は、ニコニコ生放送で解説をした北島忠雄七段から飛び出しました。

北島七段の解説は、私(管理人)は初めて聞かせていただいたのですが、終始とても穏やかな口調。「なんとかなんとかなんでしょうねぇ」とか「こういう手をやりたくなっちゃいますよねぇ」とか「いい手がないですかねぇ」とか、いつも最後に「ねぇ」が付いている感じです。

外見もとても温和そうで、この方が勝負師なのか、と疑ってしまうぐらい。

スパークされる

そんな北島七段から「スパーク」解説が出たのは以下の局面。

kifu20150628-63手

ここから北島七段は△7七歩 ▲同桂 △4七歩成 ▲同金 △3五桂 ▲8五桂と読み筋を示しました。以下の局面です。

kifu20150628-69手

上の局面、部分的には後手の△3五桂が厳しいのですが、先手が手抜いて▲8五桂とすると角に当たってしまうので、こちらの方が厳しい。

後手は▲8五桂を△同歩と取らざるをえないのですが、北島七段は

「ここで後手が手を戻す(攻撃をやめていったん受けに回る)のでは、この瞬間が・・・(△3五)桂打ちが甘くなっちゃってるので、ここで先手にスパークされると・・・ちょっと後手厳しい感じしますねぇ」

と解説しました。

スパーク北島

北島七段の穏やかな口調から突然飛び出した「スパーク」という言葉に、ニコニコ生放送のコメントは「スパーク!」「出た!スパーク!」「北島先生のニックネームにしよう」「スパーク北島」などと騒ぎになりました。

北島七段の言う「スパーク」の意味としては、おそらく殺到するように攻めるとか、ラッシュをかけるとか、とにかく怒涛の攻撃みたいなことだと思います。意味は通じました。

しかしあの穏やかな口調から発せられると、凄く衝撃的でした。面白い。

そしてとても使いやすい単語だと思います。

「ここでスパークしたらどうなるか」

「スパークされそうな局面だ」

いかにも使ってみたくなる。

初めてのニコ生解説

この日北島七段は、ニコニコ生放送に解説として出演するのは初めてだったとのこと。

その分、いろんな話をしてくれました。

印象に残った話としては、ご自身が対局前の数分間の時間に「盤の前に座って将棋の神様にお祈りします。力が出し切れますようにって。毎回します」という話。

「勝てますように」ではなく「自分の力が出し切れますように」というところで、お人柄が伝わります。

聞き手の貞升南女流初段も「素敵!」と感嘆。

解説者のあり方を変える?

もう一つは、棋士が解説としてニコニコ生放送に出演する際の流れの話。

北島七段によれば将棋連盟事務局から「ニコニコの解説を希望しますか?」というアンケートのような打診が何年か前にあったそうで、北島七段はそれに「二重丸でやりたい」と回答したのですが、この日まで出演機会がなかったとのこと。

そういう流れなんですね。

北島七段は「上手に解説できないですけど、本人はやる気満々で」と、この日を待ちわびていたようです。

解説者がどういう基準で選ばれるのかは、わかりません。

一つ思ったのは、叡王戦の解説で使われる「電王盤」の登場によって、解説者の選ばれる基準が変わるのではないかということ。

第1期「叡王戦」が開幕。電王盤による解説、AWAKE評価値、ノーカット感想戦など新鮮な棋戦に

これまでは棋力が高いことや話が上手で解説がわかりやすいことが、良い解説者の条件だったと思いますが、電王盤を使うようになるとこれらの条件の重要性が相対的に低下し、いかに視聴者が知りたいことを電王盤の操作で表現するかが、重要になるかもしれません。

そうなると解説者が選ばれる基準も変わってきますね。ということは、叡王戦ではこれまで選ばれなかった解説者が続々と登場する、という可能性も期待できます。そうなれば、新しい棋戦にふさわしい。

「スパーク」に続く面白い解説をする人は現れるのか。

この新しい棋戦の楽しみ方がまたひとつ広がった気がしました。

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コメント

  1. あなあき より:

    「シロウト向けの解説」なんだから、別に「現役のプレイヤー」がやらんでもええわなwww

  2. やったか? より:

    私も豊島・中座戦を見ましたが、北島先生の解説よかったですよね。スパークという愛称も、とても良いと思います。
    また、北島先生がニコ生の将棋中継を普段からよくチェックされているのが、会話の端々から伝わってきました。
    穏和な北島先生の解説口調が、大熱戦の終盤になるにつれてだんだんノリノリになっていってるのが面白かったです。「ややややややや」とか。

  3. 管理人 管理人 より:

    あなあき様:
    コメントありがとうございます。
    あれ、ということは引退棋士希望ですか。確かに人気のある引退棋士はいらっしゃいますからね。
    現役を退いて少し棋力が落ちていても電王盤があれば。

    やったか?様:
    コメントありがとうございます。
    口穏やかながらもご自分の読み筋や考えを次々に解説されて、本当に良かったです。
    ようやくニコ生に出演されて、視聴者が何を望んでいるのかわかっていたように思います。
    元気な貞升女流とのコンビもよかったです。
    そうですね、将棋は終盤は二転三転して、これが北島先生のよさをさらに引き出したと思います。

    いや、記事の上の方にお詫びを出しました(スパークは新語ではなかった件です)が、新語だったら「スパーク先生」で通ったと思います。

    皆様コメントありがとうございます。

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