2015年5月10日放送の第65回NHK杯テレビ将棋トーナメント1回戦第6局は、▲村田顕弘五段VS△北浜健介八段という、詰将棋作家対決に。
途中、村田五段が良かった場面もあったと思うのですが、中盤で逆転したようで、最後は北浜八段が豪快かつ長手数の詰みを読み切り快勝しました。
詳しい棋譜はNHK杯のホームページでご確認ください。
振り飛車に異動した係長
北浜八段はいかにも物腰柔らかそうで、穏やかな容姿やお話のされ方から、将棋ファンには中間管理職の代表的称号である「係長」と呼ばれて愛されています。
昨年、関西に移籍(転勤)し、秋からは振り飛車党に転向(部署異動)しました。
インタビューでは「今日も振り飛車で戦う」と宣言。解説の畠山鎮七段も「攻める居飛車党だったが、ガラッと変わった。普通の振り飛車党よりはやはり攻め将棋」と棋風を解説しました。
振り飛車が「不利飛車」とやゆされるこのご時世、振り飛車への転向は珍しいと思います。
電王戦でブレイク中
一方、村田顕弘五段は6年ぶりというNHK杯出場。最近では電王戦FINAL第1局の「りゅ、りゅ、りゅうを取った?!」という台詞で大ブレイクを果たしています。
畠山七段は「二人共、詰将棋を解くのが非常に早い。しかも作っても優れている。作るのも解くのも両方優れている棋士は珍しい。そういう二人の対局はNHK杯では観たことがない」と述べ、終盤戦に注目だと解説していました。
なお畠山七段は、りゅ、りゅ、りゅうを取ったコンピュータソフトAperyの対局相手である斎藤慎太郎六段の師匠です。
予告通りの振り飛車に
戦型は、後手の北浜八段が予告通り振り飛車に。角交換してからダイレクトに向かい飛車に振るという進行でした。美濃囲いにした後手に対し、先手は筋違いに角を放ちました。
先手はその角を馬にして自陣に引きつけ、一方の後手は先手の飛車を追い詰め飛金交換から敵陣に竜を作る展開。期待が高まりました。中盤からは玉頭戦に。
一匹目
119手目、村田五段は、まず一匹目のりゅ、りゅ、竜を・・・
取りました。
しかしこのあたりでは既に形勢は後手が良かったようです。
139手目。先手が馬を作った局面ですが、ここから北浜八段が鋭く詰ませます。
ここから当たり前のように詰みが見えるものなんですね。
二匹目
17手後の156手目。北浜八段は竜を村田五段にプレゼント。
村田五段は再びりゅ、りゅ、竜を取った、というより取らされました。
三匹目
160手目。もう一匹プレゼント!!
りゅ・・・・取るしかない。
詰将棋対決は係長の勝利
後手の166手目を見て村田五段が投了。
畠山七段の予想通りの終盤戦となった本局。最後は、飛車を二枚、竜にして捨てるという豪快な詰手順でした。
私(管理人)の棋力ではあと6手で詰むので、あわせて33手詰めです。たぶん。
係長、おめでとうございます。やっぱすげえなあと思いました。
コメント
マンモスです。
北浜係長 勝ちましたね。いやーすごかった。
そして、次の相手は羽生さんですよ。どんな将棋になるのか 楽しみです。
コメントありがとうございます。マンモスです。
途中で逆転したっぽいですよね。私の密かな注目リストに北浜先生も最近入りまして(NHK杯の少し前です)、
期待しておりました。羽生先生相手に振り飛車期待です。先日の朝日杯のように、その後羽生先生が振り飛車を
指す流れにも期待。
コメントありがとうございます。
91手目▲7五金で先手が勝ちと思うのですが。
コメントありがとうございます。貴重なご意見を有り難うございます。
そうですね、玉頭戦のどこかで何か先手勝ちもあったと思うのですが、私は低級すぎてそれで勝ちなのかよくわからないのが現状です。
NHKテキストでチェックしてみます。
コメントありがとうございます。今後ともよろしくおねがいします。