プロ棋士は何月生まれが多いのか?
誰もが疑問に思うこの問いに、答えを出すのがこの記事です。
生まれ月と能力
実は、スポーツ選手は生まれた月に大きな偏りがあります。
というのも、子供は1年で大きく成長するので、1学年のなかで4月生まれと翌3月生まれではかなり体格が違い、4~6月ぐらいに生まれた子どもは学年内での競争を勝ち抜きやすく、逆に1~3月生まれの子どもは競争に敗れスポーツの道を諦めるからです。
具体的なデータは、たまたまググって見つけた名古屋大学学生論文コンテストの優秀賞受賞論文(PDF)から引用します。
同学年内において誕生月の差が子供に与える影響(PDFなので注意)
野球とサッカーの2種目に注目して、それぞれのプロ選手の誕生月を調べてみた
野球では4~6月生まれは早生まれ(1~3月生まれ)に対し約2.08 倍の人数がいることが分かった
サッカーでは4~6月生まれは早生まれ(1~3月生まれ)に対し約1.88倍の人数がいることが分かった
なお、そもそも生まれ月が偏っているのでは?という疑問については
3 ヶ月毎の出生数の割合は、4~6月生まれが 24.5%、7~9月生まれが 25.7%、10~12 月生まれが 25.8%、1~3月生まれが 24.0%、と 25%前後でほぼ均等に分散
らしいですので、やはり4~6月生まれがスポーツでは有利なことがわかります。
また、知的能力もスポーツほどは差がないものの、やはり4~6月生まれは有利な傾向にあるらしいです。
将棋のプロ棋士は?
そして本題のプロ棋士。ソースはマイナビ将棋編集部さんのブログの以下の記事。
この記事は、単に誕生日だけを羅列してあるのですが、加工して棋士の生まれ月のデータを作り、何月生まれが多いのかをグラフ化しました。こちらです。
4、5月が多いですが、3月も負けずに多いです。
あまり差はない
上記のスポーツの例のように計算してみると、
4~6月生まれの棋士・女流棋士は、1~3月生まれの1.09倍。
これを誤差と捉えるか・・・。しかしスポーツ選手ほどの大差はありません。
なぜか学年を超える3~5月が結構多いですね。春生まれがプロ棋士になりやすいということでしょうか。
逆に、7、9、11、12月は少ないです。
例えば、3~5月生まれの棋士・女流棋士は、9~11月生まれの1.47倍。
ただし、羽生善治名人は9月生まれです。
結論
お子さんをプロ棋士にしたいなら、3月~5月が狙い目ということがわかりました。特に3月生まれのお子さんは、スポーツよりはプロ棋士のほうが望みがあるかも・・・?
サンプルは少ないんですが、スポーツほど偏りがなかったということは言えると思います。ホッとした方も多いのではないでしょうか。
追記:
ツイッターを見ていたら、この記事について「将棋では学年別に扱われることが少ないために、生まれ月による差を生まないのでは」という考察がありました。なるほど。
上記論文でも指摘されていますが、子供の将来が生まれ月に影響されるという現状は、決して好ましいものではないです。そういう意味では将棋界は他の業界も見習うべき育成システムなのかも。
以上、ありがとうございました。
コメント
マンモスです。
興味深い記事でした。
3月生まれの棋士が意外と多いのは、
体が小さくてスポーツでは勝ち目がない(劣等感)
↓
体を使わないゲームなら、勝てるかも
という感じで将棋にハマリ強くなられたのかなあ とちょっと思いました。
ちなみに自分は早生まれで体が小さく、体育が苦手だったので勉強の方を頑張ってました。
この記事は誕生月と棋士の関係ですが、生まれた順との関係性についても知りたいです。
プロ棋士になられているのは、長男より次男の方が多いような気がしています。
コメントありがとうございます。マンモスです。
なるほど、そういう意味では、ボードゲーム全般にそういう傾向があるかもしれませんね。
詳しいデータはありませんが、スポーツでも、体格差に影響されないものは、生まれ月で差が出にくいようです。
私は早生まれではないので、意識しなかったんですが、そういうものなんですね。
今思えば小学生の時体育が得意だった(と思っていた)のはこれが理由かも。
生まれ順ですか。今回の記事はたまたまマイナビさんが誕生日一覧を出してきたのでデータ化しやすかったんですよね・・・。
生まれ順のデータ作るのすっごい大変そう。またマイナビさんが一覧を出してくれれば、データ化しやすいんですが・・・。
あ、それか、kewpiehoney様、ぜひよろしくお願いします。
コメントありがとうございます。