平成教育委員会で問題として詰将棋が出題され、加藤一二三九段が解答の解説をするという珍事

2016年1月10日のフジテレビ系「平成教育委員会」に詰将棋の問題が出題されるという、珍しい出来事がありましたのでご紹介します。

平成教育委員会は、中学校の入試問題などが出題されるクイズ番組。クイズ番組において詰将棋が問題になるというのは異例だと思います。

その問題の解答を、回答者でもあった加藤一二三九段が解説しました。

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詰将棋

まず例題です。以下の問題でした。

20160111-0手

3手詰。初めて将棋をする人、初心者にとっては難しいかもしれませんが、将棋ファンにとっては3手詰の中でも簡単な問題でしょうか。

正解は▲3二金打 △1一玉 ▲2三桂まで。

番組内では、詰将棋(3手詰)は将棋の「入門的な遊び」と紹介されました。玉、金、桂、香の動きの簡単な説明があった後、本題へ。

こちらの問題です。例題と同じく、玉、金、桂、香だけを使用し、成駒はなし、というシンプルな問題。

20160111-0手1

同じく3手詰です。二択問題として出題されました。

1手目として正しいのはA.3二金打、B.3三桂、さあどっち?

ビートたけしさんは「これ加藤くんが間違えたら最悪だろ。キャッチボール出来ない野球選手みたい」と、加藤九段にプレッシャーをかけました。

正解発表

正解は?

20160111-1手

Bの3三桂ですね。

この二択問題に正解したのは、16人中6人。正解者は加藤一二三九段の他、叡王戦決勝で観戦記を書いた作家の羽田圭介さん、歌舞伎役者の市川猿之助さん、川柳作家のやすみりえさん、タレントの中川翔子さん、大久保佳代子さんでした。これらの方以外は不正解。

不正解者のお名前はご本人たちの名誉のために書きませんが、知りたい方は平成教育委員会の公式サイトで出演者一覧が確認できます。

解説も加藤九段が

なんとなく、正解者した方に傾向というか、共通点があるようにも見えます。加藤九段を除けば、15人中10人が不正解を選んだわけで、初心者の方が選びやすい手というのにも傾向があるようにも見えました。

この問題の解説を任された加藤一二三九段。やや興奮した様子で「これ、あのまあ、詰将棋って、今、私もまあ」と、Aの初手3二金ではなぜ詰まないのかを解説してくれました。

番組によると、将棋をやると脳が活性化するとも言われていて、小学生にも根強い人気なんだそうです。加藤九段は「プロは一手指すのに300手ぐらいの変化を読む」とも解説して、出演者のみなさんは驚いていたようでした。

問題の出題中にトイレに行ったりと自由な動きも見せた加藤九段ですが、将棋問題で目覚めたのか、この回での最終成績は16人中6位タイ(4人が6位)という素晴らしい結果でした。

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コメント

  1. 渡辺竜王ファン より:

    2択問題、間違えてしまいました。
    ▲33桂からの詰みは、竜王の講座の格言にもあった「玉は下段に落とせ」ですかね。

    • 管理人 管理人 より:

      コメントありがとうございます。

      一問目は「下段に落とせ」っぽいですね。

      二問目は、2二にいる敵の金をどうやって無力化するか、という問題です。

      ▲3三桂と打ちまして、△同金と取ってくれれば頭金まで。△3一玉と逃げても桂の利きがある4一に金を打てます。

      ですので「金は斜めに誘え」かもしれません。斜めに取らせることで無力化すると。取らずに玉が逃げれば、守備駒から離れるので弱体化すると。

      「金は斜めに誘え」が講座で出てきたかちょっと覚えてないんですが。コメントありがとうございます。

  2. 匿名 より:

    二問目に関しては
    問題の場面になる前の手順が「▲2三金打→△2二金打(問題の局面)」の想定になります。
    その▲2三金打(▲持ち駒:金・桂)の時点で「必至」の局面なので、
    詰将棋のコンセプトを見るより必至のコンセプト
    「玉は包むように寄せよ」のほうがしっくり来るかもしれません。
    (問題の局面は△2二金からスタートしてますが△3二金の状態でも▲3三桂打から詰み)

    • 管理人 管理人 より:

      コメントありがとうございます。
      詰みまでの過程を考えることも確かに大事ですね。2手前で必至なのは確かに。
      ただ初心者の方にとっては必至は難しいかもしれませんね。1手必至でも難しいのもあるので。包むように、もけっこうあやふやな概念で私なんかは左右挟撃とか、2方向からの攻めをイメージしてました。
      でもそれぞれ自分の中でこうやったら必至、詰み、みたいなイメージを格言とともに持っておくことはいいですね。コメントありがとうございます。

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