香川愛生女流王将が、2015年5月2日の夜に以下のツイートをされています。
将棋連盟ももっと主体的にメディアミックスに取り組んでいけばいいのに、と思う。
— 香川愛生 (@MNO_shogi) 2015, 5月 2
これは、ゲーム「逆転裁判」が多メディア展開していることに関しての発言だと思います。直前の以下のツイート参照です。
私もやってみました〜。>RT
超会議、ジョイポリス、舞台化。どれほど力を入れているのが伝わってきます。『大逆転裁判』楽しみです! #大逆転裁判100クイズ https://t.co/SipgAkMcUK
— 香川愛生 (@MNO_shogi) 2015, 5月 2
メディアミックス
娯楽の世界でメディアミックスといえば、よくあるのが漫画で、それがアニメになり、ゲームになり、おもちゃになり、スマホアプリになり・・・といろんなメディアで展開していくことがみられます。
最近の代表例は「妖怪ウォッチ」。ゲームから始まり、上記のようにおもちゃや漫画へと展開しています。元々の意味としては若干違う(あるメディアでの展開の足りない点を別のメディアで補完する、みたいな意味)のですが、日本でメディアミックスというと、上記のようなことを指すことが多いようです。
将棋界では
将棋界では、棋士が漫画の監修をしたり、バラエティ番組へ出演したり、イベントをしたり、スマホアプリになったりしています。しかし多くは、従来の各新聞や将棋雑誌が主戦場であり、他メディアへの出演機会も限られているように思います。
しかもその「主体」は、棋士個人であり、新聞社であり、ドワンゴであり、テレビ局である、という(実際はどうかわかりませんが)イメージがある、といったところでしょうか。
香川女流王将は、その点について「もっと将棋連盟も主体的に」ということをおっしゃっているのだと思います。
漫画やアニメで
上記ツイートに、他のアカウントから返答が寄せられると、香川女流王将は以下のようにツイート。
@MNO_shogi たとえばそうですね、今日、将棋タイトル戦の様子は棋譜集・観戦記・インタビューなど、紙媒体+文字(棋譜)で伝えられることがほとんどです。ただ、私はこれらの話を基に漫画やアニメを制作したほうが非将棋ファンへの影響が大きいのではないかと思うのですがどうでしょうか。
— 香川愛生 (@MNO_shogi) 2015, 5月 2
おおお!!タイトル戦を漫画やアニメ。考えもしませんでした。
さすが若い発想です。
私(管理人)個人の考えとしても、似たようなことで、漫画ではないですが、雑誌等の記事で棋士の写真をもっとふんだんに使えばいいのにな、と思う時があります。
例えば、対局前や終局後の表情はもちろんですが、決め手を指した時の手つきや、その時の顔の表情。
それこそ漫画のように、1ページに5枚も6枚も連続して局面とともに棋士の顔写真。やはり対局中の棋士の姿は、多くの人が興味があると思います。橋本崇載八段が二歩をした時、注目されたのは相手の行方尚史八段の表情でした。(当サイトでも記事中に写真を使いたいと思う時がありますが、著作権があると思うので遠慮しています。誰でも使い放題で公開されている棋士の顔写真集サイトがあればいいのに!と思います)
話を戻しまして、香川女流王将に対し、将棋ライターのごとげんさん(後藤元気さん)は以下のように返答。
@MNO_shogi 漫画やアニメのスピード感のなかでは棋譜(将棋の内容)を伝えにくいのがネックですが、だからこそ紙媒体やネット中継などの紐付けになりやすいかもしれませんね。将棋界や、棋士をはじめとする将棋に関係する方々は皆ユニークなので、まずキャラで押すのは有力だなと感じました
— gotogen (@gotogen) 2015, 5月 2
たくさんの人にリーチする
さらに、香川女流王将とごとげんさん。
@MNO_shogi 思いつきで話してる感が否めない>< 確かにメディアミックスはコストがかかりますが、色々なファン層(よく知らない人も含めて)を持つ将棋界にとって、多角的なアプローチは必要なんだろうなぁと。いまはまだそんなところです。もっと具体的なかたちにできたらな〜
— 香川愛生 (@MNO_shogi) 2015, 5月 2
@gotogen ごとげんさんはまさしく筆頭ですが、観戦記やタイトル戦の記事って将棋を知らない人が読んでも結構ハマると思うんです。ただ今のままだとリーチが短いのかなと。小説と漫画が相乗効果で伸びるみたいに、色々な方法でたくさんの人の目に触れないかなぁと妄想してます。
— 香川愛生 (@MNO_shogi) 2015, 5月 2
@MNO_shogi 妄想をたくさんして、よいかたちで実現させましょう。今回のくだりで有力なアイディアがいくつか浮かんだような気がします(それこそ妄想かもしれませんが)。最初は些細であっても、多くの人の力を集まるきっかけはそんなものなんじゃないかと。
— gotogen (@gotogen) 2015, 5月 2
見方によっては、自分の所属組織に物申す、みたいに映りますが、それだけ風通しの良い組織ということなのか・・・。しかし22歳の若者が、思いつきとはいえこれらのことを考えているとは、良いことのように思います。
当サイトの事情
また当サイトの事情になりますが、実際、「たくさんの人にリーチする」というのは当サイトが解決したい課題にも近いです。
サイトのトップページには、なるべく多くの人が読みやすくて、クオリティの高い記事を並べるようにしたいと考えていますし、一部の人に評価いただいているNEWS BY 管理人や日刊将棋ワンストップβも、なるべく幅広い人に読みやすいページを、という方針があります。
公益社団法人
話を戻し、「主体的にメディアミックス」の件ですが、もしかしたら日本将棋連盟が「公益社団法人」である点が、メディアミックスを行う上での事業内容を制限することになっているのかもしれません。
利益を出すことに制限があるとか。となると「主体」にはなりづらく、誰かの事業に協賛、共催にしたり、支援したりするというやり方をとっているのかもしれません。
でも、日本将棋連盟公式YouTubeチャンネルとか、良いコンテンツなのでもうちょっと活動してほしいなって思います。
考える女流王将
その後、香川女流王将は以下のようにツイート。
想像以上の反応があってうれしい。皆さんありがとうございますっ。完全な新しさによる爆発力も魅力があるけど、既存の価値の高そうなものをより広く伝えていく方法も見直していかなきゃな〜と考える今日でした。
ひとまずおやすみなさいzzz
— 香川愛生 (@MNO_shogi) 2015, 5月 2
そういえば、香川女流王将の周りには「将棋は斜陽産業」発言の糸谷哲郎竜王や、海外などへの普及活動やどうぶつしょうぎで知られる北尾まどか女流二段といった方々がいらっしゃって、思うところがあるのかもしれません。
今後も発言に注目したいと思います。