A級順位戦プレーオフ2回戦、△3九角成の鬼手で渡辺明二冠逆転の可能性。隣で観戦した田中寅彦九段も指摘

すでにお伝えしたとおり、2015年3月10日におこなわれた第73期名人戦・順位戦A級の挑戦者決定プレーオフ2回戦は久保利明九段が渡辺明二冠を下して挑戦者決定戦に進出しています。(詳しい棋譜は日本将棋連盟モバイルか名人戦棋譜速報でご確認ください)

が、この対局の終盤で、角をタダ捨てする鬼手が成立する可能性があったのではないかと言われています。詳細をお伝えします。

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△3九角成から王手馬取り

鬼手が成立する可能性があったのは、107手目に先手の久保九段が▲5三飛車成とし、108手目後手の渡辺二冠が△同金とした場面。この△同金に替えて△3九角成があったようです。

(お詫び)上記、当初「107手目に先手の久保九段が▲5三角成」と書いてありましたが、上記の通り飛車成でした。

これはitumonさんが指摘。

そしてもう一人、このプレーオフと対局が同部屋になった田中寅彦九段(C級1組順位戦)も指摘。

実は、田中九段は自分の対局以上にプレーオフの盤面を熱心に凝視していました。

そして、以下のように述べています。

ちなみに、ニコニコ生放送の佐藤紳哉六段および鈴木環那女流二段はこの△3九角成の可能性について触れていませんでした。

それでも先手良しか

ただし、ネット中継記者の松本博文さんは以下のようにツイート。

ponanzaとしては、△3九角成のあと、▲同金として、△5三金と先手の竜を取った場面で、▲同角成とせずに▲6二角とする(2つの金の斜め後ろに角を割り打ち)と、これで先手良しのようです。

感想戦では

感想戦ではこの△3九角成が指摘されましたが、対局していた渡辺二冠、久保九段ともにまったく見えていなかったとのこと。

もし△3九角成が成立していたらちょっと騒ぎになっていたかもしれないぐらいの鮮やかなタダ捨てですね。

田中寅彦九段と渡辺明二冠

ちなみに、渡辺二冠と田中寅彦九段は翌日も仲良く一緒に居るようです。

天候不良で佐渡へのフェリーが運行されない可能性があり、王将戦第5局の開催が心配されます。

隣の対局を熱心に観戦するのもいいですが、このような不測の事態こそ、立会人・田中寅彦九段の腕の見せどころですね。

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コメント

  1. 通り菅井 より:

    初めまして、最近このブログを知り
    それ以来楽しく読ませていただいてます。

    ただの訂正のコメントで恐縮なのですが、
    “△3九角成から王手馬取り
    鬼手が成立する可能性があったのは、107手目に先手の久保九段が▲5三角成とし、”
    は▲5三飛車成ですよね?

    これからも将棋界の記事の作成頑張って下さい。

    • 管理人 管理人 より:

      初めまして、コメントありがとうございます!
      いつもご覧になっていただいているようでありがとうございます。

      そして誤記のご指摘をありがとうございます。
      申し訳ありませんでした。ご指摘の通り飛車成でした。

      最近サイトを始めたのですが、私自身の棋力の問題や慣れていないこともあって
      棋譜を書くのに非常に苦労しており、ミスもあり、
      なんとかならないものかと思っていますが、今しばらくクオリティの向上を
      お待ちいただければと思います。

      激励の言葉ありがとうございます。今後ともご期待に添えるよう運営してまいりますので
      よろしくお願いいたします。

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