2015年3月3日発売の将棋世界4月号の「イメージと読みの将棋観・Ⅱ」では、「時間攻め」がテーマの1つになっています。
時間攻めといえば、昨年の第27期竜王戦7番勝負、森内俊之竜王VS糸谷哲郎七段(肩書は当時)において、挑戦者の糸谷七段が度々見せ、しかも後のインタビューで、「自分が劣勢の時には意識的にやっている」という旨の発言をして反響を呼びました。
みんなやっている
なんとなくですが、私は時間攻めという行為についてネガティブな印象を持っていました。たしかに一つの歴とした戦略なのですが、私が将棋を始めた頃に某アプリで、こちらが1000%勝勢なのに、クソ粘りして切れ負けに追い込もうとしてくる相手がいたからかもしれません。いや今はそれは自分の棋力が足らないだけだと反省してます。
しかし誰もが少しはネガティブなイメージがあるのでは?そんな時間攻めについて、棋士の方々が堂々と語っているのに大変興味を持ちました。上記イメ読みの質問は「時間攻めをしたことがありますか?されたことは?どう考えますか?」という、ストレートなもの。
森内俊之九段もやることがある
糸谷現竜王の時間攻めの前に敗れ去った森内俊之九段。まさに近年における「時間攻め」最大の被害者。そんな森内九段が、こんな神経質な質問に答えてくれるとは。
詳しくは将棋世界4月号を購入してご覧になっていただきたいのですが、森内九段は、自分が時間攻めをするか否かについて「長考派なのでほとんどない」としながらも、条件が揃えばすることもあると述べています。
えええ!!森内九段も時間攻めするんですね。全然そんなイメージなかったです。
ただ、基本姿勢としては対戦相手を気にせず、「局面の良さを追求」するとのこと。
そして前述の竜王戦についても
勝ちきれなかった自分が弱かった
としています。
森内九段らしいコメント。
糸谷挑戦者の時間攻めに苦しむ森内さん・・・。当時のことを思い出します。
誰もがやられている
長考派で知られる郷田真隆九段は「誰もが多少はやっている」との見解。森内九段と同じく、条件によって自らもやるそうです。これも意外です。
その他、豊島将之七段、永瀬拓矢六段も「よくやられていた」又は「よくやられる」との見解。永瀬六段などは「10局中5局はやられる」という具体的な数字を出しています。
時間攻めがうまい棋士
時間攻めがうまい人として、鈴木大介八段は糸谷竜王と永瀬拓矢六段を、豊島将之七段は山崎隆之八段を、永瀬拓矢六段は鈴木大介八段と深浦康市九段をあげています。深浦九段は少し意外かも。
とにかく多くの棋士が多少なりともやったり、やられてりしているんですね・・・。ちょっと驚きでした。
その他、時間攻めには「雰囲気」が必要であるとか、棋士の方々の持論がいろいろと語られています。詳しくは将棋世界4月号をご覧ください。
レジェンドひふみん「一度もされてません」
一方で、「ひふみん」こと加藤一二三九段は、糸谷竜王を「意識して早指しとはユニークな棋士」、森内九段については「ちょっと慌てちゃうんだね」などと語っています。
そして自分に関しては
自分が時間攻めをされていると感じたことは一度もないです。
私は時間攻めされてません。
ええ。
と述べています。
これだけ多くの棋士が時間攻めしたことがある、されたことがあるというなか、加藤九段はされたことがない!!
さすがレジェンド、さすがひふみんです。
しつこいようですが
詳しくは将棋世界4月号を御覧ください。大変面白いです。
あんまり内容を書きすぎると将棋世界さんに怒られそうなので、宣伝しておきます。
将棋世界さんありがとうございました。みなさん買いましょう。