2015年10月4日開催の日本将棋連盟主催 女子アマ団体戦「ショウギナデシコ2015」で、乃木坂46の伊藤かりんさんのチームがグループ優勝した件について、詳しい情報が出揃いましたのでご紹介したいと思います。
伊藤かりんさんは昨年4月の将棋番組出演を機会に将棋を始め、今年4月からはNHKの「将棋フォーカス」で司会を務めています。
番組内で対局したり、雑誌「将棋世界」での連載講座で腕を磨いたりしており、どれぐらいの棋力か推測できる、その成長がわかるのが面白いところです。公式には4~5級だったと思います。
今回、大会に初参加。得意戦法は中飛車です。
ショウギナデシコ2015
ショウギナデシコ2015は女性アマチュアが3人1組で出場する大会。持ち時間は20分、使い切ったら1手30秒。
初段以上(目安)が出場する「チャンピオンズカップ」と、初心者から出場できる「チャレンジカップ」の2つのカップがあります。
伊藤さんらのチーム「将棋上り坂」が出場したのはチャレンジカップ。チャレンジカップでは、まず2局の予選が行われ、その結果でグループ分けされ、それぞれのグループ内で本戦2戦を戦い優勝を争います。
予選で2勝すればAグループに、1勝1敗であればBグループに、2敗だとCグループに振り分けられるため、いろんな棋力の方に優勝の可能性があり、参加しやすい大会となっています。対局後の感想戦にはプロ棋士も加わるという豪華さもあります。
初心者でも参加しやすいように工夫されているようで、対局時計の押し忘れや二歩をした人がいても「教えてあげようね」ということだったらしいです。
成績
将棋上り坂チームは予選で連敗してCグループに。そこで連勝してCグループ優勝を果たしました。
詳しい大会結果は日本将棋連盟のお知らせ・イベントページにあります。
チャレンジカップC
優 勝 将棋上り坂
準優勝 イケメンラヴァーズチームB
第三位 shogi madame チームR
第2局が自分らしい将棋ができた
伊藤さんの成績も、チームと同じ2勝2敗。予選では連敗でしたが、本戦では連勝してCグループ優勝に貢献しました。
伊藤さんはブログで、この優勝を報告しています。そして以下のように振り返っています。
私的には負けてしまったけど第2局が1番
自分らしい攻め将棋が出来て
楽しかったなあ~と(๑´0`๑)♡
雑誌「将棋世界」の2015年12月号には、伊藤さんの全4局の概要が掲載されています。
伊藤さんが最も楽しく攻め将棋ができたという第2局の相手は、なんと増田康弘四段のお母様である増田真奈美さんでした。
藤井猛九段も納得の表情
その第2局の後、感想戦に加わった(!)藤井猛九段が納得の表情を見せたというのが以下の手順。伊藤さんは後手(盤面上)です。
上図から。まず歩を突いて。
守りを固める相手に対して攻撃態勢を構築。
この角を動かして。
桂馬を活用する。
自陣に眠ってしまいがちなこちらの桂馬を活用する手。この後は桂馬を使って攻めを見せました。
伊藤さんが「自分らしい攻め将棋」と評するだけある好手順。
将棋界のアイドルと言ってもいい藤井九段の納得の表情を見れるとは羨ましいです。
途中弱気になってしまい最後は負けましたが、強豪相手に健闘しました。詳しくは将棋世界12月号で。
優勝の理由
優勝決定の過程は将棋世界に詳しく書いてありますが、要約すると、Cグループには8チーム参加して、本戦1回戦を勝ったチーム同士、負けたチーム同士が2回戦で対戦。
1回戦2回戦で連勝したチームは「将棋上り坂」「イケメンラヴァーズチームB」の2チームでしたが、「将棋上り坂」チームの対戦相手4チーム勝数が、「イケメンラヴァーズチームB」の対戦相手4チームの勝数を上回り、優勝となりました。
この「対戦した相手の勝数」による順位決定方式は、将棋等の大会でよく見られる「スイス式トーナメント」の「ソルコフ点」と同じようなもの。
「将棋上り坂」チームの予選での対戦相手2チームは、Aグループで優勝、準優勝しており、彼女たちの活躍のおかげもあって「将棋上り坂」のCグループ優勝となったようです。
11月5日の「将棋フォーカス」ではこの大会を振り返る企画が放送されました。高橋和女流三段は、以下のようにツイートしています。
ショウギナデシコの特集を見ました。かりんちゃんの真剣な姿は将棋を知らないかりんちゃんファンにはどう映ったんだろう。。。と考えてしまいました。これほど夢中になれる将棋、というものに興味を持ってくれたら嬉しいですね。
今回かりんちゃんに出場していただくにあたって、私が事前に(続)
— 高橋 和 (@takahashiyamato) 2015, 11月 1
言ったことは「一切特別扱いはいたしません」ということでした。純粋に大会を楽しんでもらいたかったのです。よく取材となると裏でなにか工作を…と思われがちですが、今回の優勝は公正にジャッジをした結果。結果的には絵に描いたようなストーリーとなりましたが、これもまた真実です。
— 高橋 和 (@takahashiyamato) 2015, 11月 1
そして忘れてはならないのはボランティアスタッフの皆さんの活躍です。ショウギナデシコは対局だけでなく、居心地の良さ、ホスピタリティを重要視しています。真剣な対局と和やかな雰囲気を融合した、唯一の大会を更に良いものにして行けるよう、来年も頑張りたいと思います。
— 高橋 和 (@takahashiyamato) 2015, 11月 1
将棋フォーカスで報告
将棋フォーカスでは伊藤さんが優勝を報告。大会前には不安もあったようで「緊張で緊張で大変だったんです」と話していましたが「和気あいあいとした大会でした」と笑顔でした。
また、伊藤さんは普段スマホアプリで対局されているのですが、大会では人と対面して対局したということで「本当に楽しくて。人と対局すると、『今のが決めの一手だったのかな』とか空気感でわかる。今までいかに孤独に戦ってきたのかわかりましたね」とユニークな表現で感想を述べていました。
コメント
私はショウギナデシコはあまり興味がないのですが、伊奈めぐみさんが今年8月に書かれていたブログを見て、何となくこんな感じなのかな、と思いました。
渡辺棋王のチームがぬいぐるみで描かれていて、私も棋王と同じくぬいぐるみ好きなので、ほっこりしました。
棋王の突っ込みもあって、おもしろい記事でした。
コメントありがとうございます。
棋王の奥さんのブログ見ました。可愛くて癒やされていいですね。
どうも将棋大会というと入りにくい人もいると思いますので、このような大会は意義があると思いました。
将棋の渡辺くんはそろそろ1巻発売(12月9日)なので私としてはそちらも楽しみです。ぬいぐるみネタ(ぬいぐるみをめぐる争い?)多いと思います。
コメントありがとうございます。