将棋の棋力を向上させたいと思う人にとっては、目標やライバルといえる存在があればモチベーションがあがり、上達の助けになると思います。
この記事は、NHKの「将棋フォーカス」で2015年4月からレギュラーを務める乃木坂46の伊藤かりんさんとの擬似的な詰将棋早解き対決を通して、自分の棋力が伊藤かりんさんより上なのか下なのかが大体わかり、かりんさんより棋力が下の人は彼女に追いつけるように、かりんさんより棋力が上の人は、急成長を遂げる彼女に追いつかれないように頑張っていただければ、という記事です。
参考までに、かりんさんの棋力について雑誌「将棋世界」の2015年7月号では、将棋ウォーズ4級、将棋クエスト5級と書いてありました。4月には、中村太地六段に5級と判定されています。
ブラかりん
6月7日の将棋フォーカスでは、前の週に引き続き「ブラかりん」という企画が放送されました。
伊藤かりんさんが将棋の街である山形県天童市をブラブラと歩き、将棋の駒型のモニュメントや駒の名前にちなんだ橋(王将橋、金将橋など)を見たり、市役所の内部でも駒型のパーティションやスケジュール表を発見したり、駒の形のお菓子を食べたり、駒に字を書く体験をしたりと、本家「ブラタモリ」にも劣らぬブラブラぶりでした。
音楽も「ブラタモリ」と同じものが使われており、少しだけですが女性も同伴(ブラタモリでは女子アナがタモリさんに同伴する)していましたし、あとはナレーターの方(伊藤裕一郎さん)がもうちょっとだけ草なぎ剛さんのしゃべりに似せてくれたら・・・と思いましたが、それはおそらく私(管理人)だけの希望です。
路上に詰将棋
ブラかりん中の伊藤かりんさんが、天童市内の歩道を歩いていると、なんと足元に詰将棋が。ハリウッドでは俳優の手形が路面に埋まっているのは知っていましたが、天童では詰将棋が路面に描かれているんですね。驚きました。
伊藤かりんさんは、この歩道に描かれた詰将棋を、1つ1つ解いていました。放送で流れたのは全部で3問。まずはこちらです。ヒントは画像の下に。
もし解けなくても、ご安心下さい。これはかりんさんも解けませんでした。
ヒントとしては、9手詰めです。
そして初手は▲7一金です。9一にあるのが香車ではなく桂馬ですね。これが重要です。
(もしどうしてもわからなければコメント欄にでも書いていただくか、お問い合わせください)
その直後、かりんさんの足で15歩歩いたところにもまた路上に詰将棋が。ロールプレイング・ゲームのように、次々に敵が出てくる感じです。
こちらです。ヒントは画像の下に。
これは5手詰め。
これをかりんさんは(VTR上は)あっさりと回答。完璧な正解でした。これを解けないようだと、かりんさんより棋力(少なくとも詰将棋においては)は低そうです。
初手は▲1二香です。
30分以内に解けたら勝利
またブラブラと歩くかりんさん。すると、次は電柱に詰将棋が。
以下の詰将棋、かりんさんは30分で解いたそうです。もし30分以内に解けたらかりんさんより(詰将棋では)棋力が上と言っても差し支えないと、思います。いざ勝負です。
30分以内に解けたでしょうか。
正解は7手詰めです。
もし7手より短い手数で詰んでしまったら、それは玉の逃げ方が最善ではなかったのかもしれません。
初手は▲3一金と捨てる手。
アイドルの力
最後の問題、「どう見てもすぐに解けない。あきらめて次へ行ったほうがいいのでは」というスタッフの心配をよそに、かりんさんは30分、詰将棋と格闘したそうです。
格闘するかりんさんを目撃した天童市の方もいるかもしれません。
かりんさんは、問題を解いた後「難しいいい!難易度が高いけどすごい楽しいです。うふふ」と笑顔でした。
おおおお。普通、30分も詰将棋解けないとイライラとするもの(私だけか)と思うのですが、屋外で30分粘って解けて「楽しい」とは!
これがプロのアイドルというものなのでしょうか。感心しました。
詰将棋と人間
この日の将棋フォーカスは、「アイドル」と「詰将棋」の組み合わせを提案してくれた気がします。
つまりですね、よく「5分で解けたら初段」のように書かれてレベル設定されている詰将棋がありますね。それはそれでいいと思うんです。
でも「伊藤かりんさんが5分で解けた詰将棋」とか「堀北真希さんが15分で解いた」とか「広瀬すずさんが3分で解いた」とか、女性向けだったら「福士蒼汰さんが10分で解いた詰将棋」とか、そのほうが間接的ではありますが人間と人間のふれあい、コミュニケーションがあって楽しいかなと。彼や彼女を目標に、という心が芽生えますし。やはり詰将棋の向こう側にライバルを感じられるというのが、棋力向上にも役立つと思います。もうされているアイディアのかもしれませんけど。
私はこのパズル感覚で誰でも楽しめる詰将棋というものが、将棋に興味を持つあるいは将棋のルールを覚えるための重大な入り口だと思っていて、まだまだアイディア次第で色々可能性があると思っています(当サイトの理念のひとつは将棋の普及)。
そんな可能性を考えながら過ごす日曜のひとときでした。
将棋フォーカスのスタッフのみなさん、伊藤かりんさん、ありがとうございました。
以上、読者の皆様も最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
コメント
7手詰に30分は時間かけすぎだけど、正解するまで考える根性は立派ってことで……
戸辺や太地や山崎が詰将棋本を出す時に「3分でかりんレベル」とか書いとこうwww
おもしろいアイデアですね!
その時点でのその人との勝負しかできないってのがどうなのかってところですが;^_^A
情報が遅くなれば遅くなるほどお互いの棋力は変わるだろうしリアルタイムでぽんぽんツイッターとかで問題と時間が発信されると楽しそうですね
あなあき様:
コメントありがとうございます。
屋外で30分考える根性は素晴らしいですよね。
将棋をほぼゼロから始めて1年ぐらいらしいですので時間かかるのは仕方ないですね。
「3分でかりんレベル」は端的で面白い文言です。
乃木坂のファンの方々や、彼女の同世代の人たちは思わず挑戦したくなりそうです。パズル感覚ですし、やりやすいはず。
コメントありがとうございます。
のじ様:
コメントありがとうございます。
そうですね、特にかりんさんは棋力が変化する時期ですので、リアルタイムというのが大事になりますね。
この性質を活かして、ご提案のツイッターや、週刊誌とか月刊誌とかで連載のようにやっていると、自分の成長とライバルの成長を感じられてよいかもしれません。
おもしろいアイディアと言っていただきありがとうございます。せっかく芸能人の方が将棋に携わってくれるのですから、活かしたいですね。コメントありがとうございます。