2016年1月27日のNHK「ニュース シブ5時」では、中村太地六段が出演し、将棋に関する特集コーナーがありましたので内容の一部をご紹介します。
まず驚いたのは、特集の最初に高瀬耕造アナウンサーが「私の中学校の同級生に久保利明九段がいるんですね。王将や棋王のタイトルを取った棋士です」と突然発言したこと。確かに、おふたりとも兵庫県加古川市出身。高瀬アナといえば、平日毎日お昼のニュースを読んでいる、あの高瀬アナです。NHKのアナウンサーの中でもトップレベルの知名度だと思います。
高瀬耕造 - アナウンサーを探す - NHK アナウンスルーム
中村六段もこの二人が同じ中学の同級生だと知らなかったようで、驚いていました。高瀬アナは久保九段との思い出を「かつてオセロで勝ったような気がします」と語っていました。
棋士がいま大人気
特集の内容は、フィギュアスケートの羽生結弦さんが「将棋をよくやる」と発言したことや、「3月のライオン」のアニメ化・実写映画化、「聖の青春」の映画化、昨年(テーブルマーク)こども大会の参加者が初めて1万人を突破したなど、将棋が人気となっているというもの。その背景には人気の棋士たちの存在がある、という説明がありました。
食欲旺盛な加藤一二三九段、カツラを脱ぐ芸を見せた佐藤紳哉七段、大阪大学大学院で哲学を学ぶ糸谷哲郎八段、手が震える羽生善治名人など、個性的な棋士の言動をVTRで紹介。
中でも、中村太地六段が今年注目しているというのが「西の王子」こと山崎隆之八段。
ちなみに、アナウンサーから「中村さんは何王子?」と聞かれた中村六段は「なんでもない王子です」と、王子であることは認めていました。
ponanzaと練習対局をする西の王子
山崎隆之八段は昨年の第1期叡王戦で優勝。今年はコンピュータソフトponanzaと対局する「電王戦」に出場します。
特集のVTRによれば、山崎八段は既に練習対局もしているようで、1局目はponanzaに完敗したようです。終局後に「読みにない筋で踏み込まれて、攻め倒された」と話していて、やはりponanzaの攻撃力を脅威に感じているようでした。
糸谷八段とデートした西の王子
特集VTRの後半では、上記のような山崎八段が挑む電王戦の話題が割と長い時間ありました。しかし、それより私が個人的に印象に残った話がありました。
糸谷哲郎八段が、山崎八段のデートプランを立案したという話です。
関西将棋会館での、他の棋士も交えたインタビューの一幕。山崎八段は関西の若手棋士にとって兄貴分のような存在、という話題から。
糸谷八段「(山崎さんに)いろんなことを教えていただいた」
山崎八段「いろんなことは教えていないです(笑) 将棋をやってただけです」
ナレーション「現在新婚の山崎さん。奥さんとのデートプランを考えてくれたのは糸谷さんです」
山崎八段「女性とデートって、あんまりしたことなかったんで。本当に久しぶりで。『それじゃダメだ』ってことで」
糸谷八段「ちょっとデートに関して、ふふふ(笑) 自信がないようなお話ぶりだったので(笑)。神戸の三宮に行って、元町あたりを散策して、みたいな」
山崎八段「(糸谷八段と)二人で先にデートした」
千田翔太五段「すさまじい(笑)」
本番前に二人でデート。練習台になる糸谷八段。ああ、なんということでしょう。
なお山崎八段は新婚ながら、妻子を岡山に残して関西将棋会館の近くに単身赴任しているそうです。
山崎八段を愛している
以前、糸谷八段は兄弟子である山崎八段について「尊敬してるし愛してる」と発言していたこともありました。
山崎八段が結婚できたのも、その結果娘さんが生まれて彼女の写真を叡王戦の決勝でチラチラ見て勝利して初代叡王になったのも、糸谷八段の尽力なくしてありえなかったということになるかと思います。
糸谷八段は、後輩の面倒見が良いとは聞いていましたが、まさか先輩の面倒見も良かったとは。しかもすさまじく良い。デートプランを立案して、自分が練習台になるという、普通ではありえない面倒見の良さ。
そして、上記の話からして、糸谷八段は日頃からデートを楽しんでいるようですね。何よりです。
今後も二人の関係に注目し、何か続報がありましたら、お伝えしてまいります。
コメント
糸谷くん、だいぶ失礼ながらあの顔つきや解説からは信じられないくらい先輩&後輩思いの人なんですね(笑)
山崎さんは人がよさそうな感じなのは良くわかるんですが、意外でした。
こういう人柄が垣間見える話とかあると、ちょっと敷居高く感じる将棋対局観戦が親しみやすくなりそうですね(^ω^)
コメントありがとうございます。
ニコ生などで解説を聞いているとぶっきらぼうに見えますよね。とても面倒見が良いというのは、何度か聞いたことがありましたがこれほどまでとは思いませんでした。
デートの研究にも余念がないとはさすがです。糸谷八段の「常識にとらわれない。常に疑う」という哲学に裏打ちされた姿勢が、デートの予行演習という常識外のことまでやったといえるかもしれません。おかげで山崎八段は研究をなぞるだけで目的が達成できたはず。
ゆっくり話を聞いてみたいですし、こういうエピソードを出すことで、おっしゃるとおり親しみがわき楽しみが増えますね。コメントありがとうございます。
糸谷八段は饒舌ではありませんが、いつも一生懸命話してくれますし、ぶっきらぼうと感じたことは私はありませんね。コメントも単に時間を埋めるような事はせずに、ちゃんと考えたことを話していて、いつも感心しています。
コメントありがとうございます。
すみません。ぶっきらぼう、というのはちょっとニュアンスが違いましたね。なんていうんですかね・・・少し前にあった竹部先生が聞き手だった時の印象がとても強くて。竹部先生の間違いを的確に咎める感じの放送でした。お話をすれば全然違うのですが、お話をされていない時は大きい体格もあって圧迫される感じというか、うまく表現できませんがそういう印象がありました。
お話された時の印象はあっしー様と同じような感じで、感心するお話が多いですね。
糸谷さんは大学でも(研究室でも部活でも)面倒見がよいという評判です。ぶっきらぼうと感じたことはないですが、歯に絹をきせない人ですね。
コメントありがとうございます。
そうですね。まさに「歯に衣着せぬ」という感じですね。論理的でもあり楽しいです。
普通「面倒見が良い」というと、後輩や年少者に対する行いかと思いますが、本件の場合は兄弟子に対してですので驚きでした。