東京都渋谷区千駄ヶ谷にあるフレンチのお店「やさいとワインの店 アンフォラ」をご存知でしょうか。
このお店、藤井猛九段のファンなら聖地と崇めるほどのお店です。
なぜここが聖地なのか。順に説明します。
アンフォラでフルコースを食べてニコ生に遅刻
伝説の始まりは2013年2月14日。
この日は第62期王将戦七番勝負の第3局2日目で、ニコニコ生放送では解説・藤井猛九段、聞き手・藤田綾女流初段による生中継が行われていました。
しかし、そのお昼休み後、放送再開の時間になっても藤井猛九段らは現れず。
その理由は、この日昼ごはんを食べたアンフォラで、藤井九段がフルコースを注文してしまったことだったのです。
藤井猛九段、スペシャルランチに釣られる
藤井九段はこの日、藤田女流初段、スタッフらとともに昼休みにこのお店を訪れました。
初めはパスタを食べようとしていたらしいのですが、その場で「スペシャルランチ 2500円」が目に留まり、それが美味しそうだったとして注文。
藤井九段いわく
「将棋でもよくあるでしょ。直前で指し手を変更するという」
ということです。
しかしこれがちょっとした罠というか、実は前菜からデザートまでついてくるフルコースで、食事に時間がかかりニコ生の再開に遅刻してしまったのでした。
私だけの責任ではない
この話はすぐに藤井ファンの間で広まり、アンフォラは聖地に。
藤井九段は後日再びニコ生に出演した際に、アンフォラには「たまに行くが、フルコースはあれ以来食べていない」としながらも、遅刻の件に関しては
「どうしてもフルコース食べたい、間に合わないけどいいかな?なんて(言った)わけじゃないですよ。ゆるい番組だって言うから、別に少し遅れてもいいですよっていう了解をいただいて、フルコースに挑んだわけです」
と発言。さらに、
「藤田綾ちゃんと、スタッフもいましたよ。私だけの責任にしないでください」
と、責任を回避しました。
私のおかげで店は繁盛している
ただ藤井九段は、その件がアンフォラのいい宣伝になったとして
「将棋ファンの方が押し寄せて、だいぶ賑わたみたいです」
「いいことじゃないですか、咎められても困るんですけど」
と、自らのおかげでお店が繁盛したのだと強調しました。
なぜフルコースを予約なしで注文できたのか
しかし、ここに一つの疑問が。
実はこのアンフォラのフルコースは、予約が必要なのです。
ではなぜ、藤井猛九段はフルコースを「直前で指し手を変更」するというノリで注文できたのでしょうか・・・
店員さんがミシュラン・ガイドの人と勘違い?
伝説の始まりから約2年、2015年1月19日にニコニコ生放送で放送された第64期王将戦七番勝負第3局初日の昼休み、解説・神谷広志八段と聞き手・山口恵梨子女流初段はあの聖地へ。店員さんにあのときのことを聞いたそうです。
お二人の話によると、店員さんは当時、藤井九段が周りの人達に「先生、先生」と呼ばれているのを見て、「偉い人だ」と勘違い(勘違いではないか)。
店員さんはまさか将棋の棋士だとは思っていなかったらしく、どうやら料理ガイドブック「ミシュラン・ガイド」の人ではないかと勘違いした、とのことでした(一部、神谷八段、山口女流初段の推測も含まれる)。
将棋ファンなら行ってみよう
というわけで、藤井九段も美味しくフルコースを食べられましたし、お店も繁盛しましたし、これぞWin-Winの関係です。
将棋ファンであれば一度は訪れたいお店、「やさいとワインの店 アンフォラ」は、東京都渋谷区千駄ヶ谷1-13-15(千駄ヶ谷駅、国立競技場駅から徒歩5分、将棋会館からは約3分)です。