2015年3月29日に開催された第12回詰将棋解答選手権チャンピオン戦で優勝を果たした、12歳の小学6年生(当時)である藤井聡太奨励会二段に、日本将棋連盟の会長である谷川浩司九段が期待を寄せていることがわかりました。
これは、2015年4月9日にニコニコ生放送で中継された第73期名人戦(羽生善治名人VS行方尚史八段)第1局2日目において、解説の森下卓九段から語られたもの。
なんと、谷川九段自ら、藤井聡太奨励会二段の師匠である杉本昌隆七段に、藤井二段の教育方針について口を出したというから驚きです。
藤井君はいい詰将棋作るけど
森下卓九段は、藤井聡太二段について「小学校1年の頃から有名らしいです。詰将棋で有名だったらしいです。その頃から作品を作っていて、いい作品が多いらしいんです」などと話していました。
そして「こないだ師匠の杉本七段にお会いした」と言い、その時、杉本七段が以下のように「谷川会長から言われた」のだと話してくれました。
谷川会長「藤井君はいい詰将棋を作るけども、できるだけ作るより解く方をやらせなさい」
会長直々の助言
杉本七段は、会長が直々に一奨励会員の教育方針について話されたのを聞いて「ありがたいことです」と感謝していたとのこと。
森下九段は「確かに、谷川先生がそういうことを言うっていうのは、余程のことなんだろうと。僕も思いましてね」とし、「(藤井二段に)かけているものがあるんじゃないですか」と話していました。
この日聞き手だった鈴木環那女流二段も「うらやましいです。会長が、名前を知っててくれてるだけでもものすごいことですが、それに対してアドバイスもしてくれるっていう」と話し、森下九段は「なかなか、谷川会長からそういうのはないですからね。楽しみな少年ですね」と述べていました。
新記録か
もし藤井二段が中学1年生でプロになったとしたら、これは新記録。
戦後では谷川九段が中学2年生(14歳8ヶ月)、加藤一二三九段(14歳7ヶ月・史上最年少)、羽生善治名人(15歳)、渡辺明棋王(15歳)が中学3年生でのプロ入りを決めています。
藤井聡太奨励会二段の詰将棋のファンの方(といっても彼が作るレベルの詰将棋ってめちゃくちゃ難しいだろうし、彼の詰将棋のファンっていうのはかなり限られた人たちだと思いますが)には少し我慢していただいて、会長がおっしゃるようにまずはプロを目指して頑張ってもらいましょう。中学生にプレッシャーを掛けるのはよくないので、見守る程度にしておきますが。