藤井聡太の記憶(22)。スキップ王子・佐々木勇気五段、早くも対局室の隅に現る

2017年6月7日の上州YAMADA杯では、大ピンチに陥りつつも3連勝してデビューからの連勝を「23」に伸ばした藤井聡太さん(藤井聡太の記憶21参照)。

この連載でもお伝えしてきた通り、はじめは多くの人が彼の実力を、ここまでのものだとは思っていなかったと思います。

あるテレビ番組で、高野秀行六段が藤井さんのことを「性能の良いマシンが参戦すると聞き、フェラーリやベンツを想像していたら、ジェット機が来たという感じ」と評していましたが、本当にそれです。

私なりに表現するなら「見た目はフェラーリだけど、よく調べたらジェット機やん」という感じです。

そんなジェット機を視察しに、あの人が早くも現れました。

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佐々木勇気五段、もういた

この頃には、藤井さんが勝つたびに「フジイノミクス」も加熱。やっぱり「藤井四段が勉強に使った」となると、売れるのだと思います。この詰将棋の本も。


(上記ツイートの詰将棋、7手詰にしては難しいと思います。ツイートのリンクが切れているので、この記事の後半にヒントを書いておきます)

藤井さんの公式戦第24局目は、6月10日の叡王戦予選、日本将棋連盟囲碁部部長でもある梶浦宏孝四段との対局。

本局で注目だったのは、約3週間後に藤井さんと対局することになる佐々木勇気五段(肩書は当時)が、すでに藤井さんの視察のために対局室に来ていたという事実。しかも対局開始の1時間以上前に、対局室で確認されています。

視察はおそらくこのときが初めてだと思います。目撃した森下卓九段は「危ない目をしていた」と証言。映像でも対局室の隅にいることが確認されています。

スキップ伝説とも戦う佐々木勇気五段

佐々木五段といえばこの頃「(20歳当時)千駄ヶ谷駅から将棋会館にスキップして行くのを、職員に目撃された」という伝説的な逸話が明らかになました(これも森下九段の話)。

その後佐々木五段本人が「スキップはしていない」と否定してみたり、「スキップしたとしても、将棋会館から出た後じゃないですか。対局で勝ったりして嬉しいときに。将棋会館から鳩森八幡神社までの上り坂、50メートルぐらいじゃないですか」と謎の反論を行い、将棋以外のことでも戦っていました。

佐々木五段と藤井さんの対戦は約3週間後、7月2日のこと。こんなに前から、雰囲気に飲まれないための準備が必要だという佐々木五段の姿勢に感心しました。

佐々木勇気五段について

「スキップ王子」の呼称は、この記事を書く上で私がなんとなく思いついたものであり、将棋界における佐々木勇気五段の一般的な呼称ではないです。

スイス・ジュネーブ生まれ、小学4年生で小学生将棋名人戦優勝(4年生での優勝は渡辺明棋王と2人だけ)、中学2年生の4月で奨励会三段(当時最年少タイ、もう一人は豊島将之八段。後に藤井さんが記録更新)、都立白鴎高校1年の時に四段プロデビュー。

NHK杯とかでは和服を着用することがあり、今やファンから和服の着用を期待されている存在。

イケメンで性格はストイック。

目が大きく、キラキラして可愛いと見るか、危ないと見るかは人による。

対局中における出前の「餅トッピング」定跡を生み出し棋士の間で大流行させる、力うどんにも餅トッピングという前例のない奇手、「横歩取り勇気流」で升田幸三賞受賞(2017年度)、フットサルのときに一人だけ他とは違う青いユニフォームを着て前線に張り付き渡辺棋王に「青いの!(戻れ!)」と叱られるなどの実績は、まさに「王子」と言えるもの。

「餅王子」「トッピング王子」「青いの王子」「ジュネーブ王子」「隅っこ王子」などの呼称も思いつきましたが、この頃は上記の通り「スキップ疑惑」とも戦っていたため「スキップ王子」にしておきました。

話はそれましたが、梶浦四段との戦いは、藤井さんの後手で角換わりになりました。

途中までは前例がある戦いで、途中で藤井さんから前例を離れ、また桂のうまい使い方も出て、中盤以降は藤井さんが有利に。

将棋界歴代2位タイとなる24連勝を達成しました。

前掲の藤井四段が勉強に使ったという「中田章道短編詰将棋代表作」のヒント。

初手の角打ちに対して、2手目、玉方が打つ「最善の合駒」を考えるのが課題になります。

短手数の詰将棋でも「最善の合駒」を考えさせる問題が時々出てきますね。短手数でも難しい部類に入る問題です。最近ではアプリでも詰将棋ができて、玉方の応手が自動で動く仕様となっていることが多いですが、こういう問題は本で解きたいですね。

「最善の合駒」を考えるヒントとしては、玉方の立場で考えて、打った合駒が攻め方に取られることを想定します。つまりどの駒を合駒に打てば、それを取られたとしても、自玉を最も延命できるか、最も相手の戦力にならないようにするか、ということを考えます。

なおこの問題の場合は、角がすべて盤上または先手の持駒にあるので、角は合駒として打てませんね。金とか強い駒を合駒に打つと、駒余りになりそうです。普通は歩ですが・・・?

答えは、「中田章道短編詰将棋代表作」をご購入ください。

なおこっそりお伝えしますが、Amazonの同書の「なか見!検索」で答えを閲覧することもできます。詳しい詰将棋のルールも載ってます。

25連勝

藤井さんの公式戦第25局目は、同日の叡王戦予選、3日前にも対局があった都成竜馬四段との対局。

リベンジに燃えているであろう都成四段。それにYAMADA杯での大ピンチは、1日3局のうちの2局目でしたから、この日も2局目に罠があるのでは、とも思っていましたが・・・。

戦型は、先手の都成四段が中飛車。序盤から都成四段が動きを見せましたがうまくいかず、自然に後手が有利に。

ほぼ危なげなく勝利。

連勝記録を「25」に伸ばし、将棋界歴代単独2位となりました。

自らの持つ「デビューからの連勝記録」を更新し続けるとともに、神谷広志八段の持つ将棋界の最多連勝記録「28」がはっきりと見えてきました。

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コメント

  1. 匿名 より:

    今年の2月15日、遠方から初めて将棋会館に行ったのですが、順位戦の検討で訪れていた佐々木勇気六段がスキップで階段を上っているのを目撃しました。

    伝説は本当だったんだ…と感激したのを覚えています。

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