藤井聡太の記憶(18)。電王戦終了と三浦弘行九段のこと、及びモバイルアプリ陥落

2017年5月下旬。

将棋界では大きな出来事が続きました。

人間とコンピュータの戦い「電王戦」が幕を閉じました。叡王戦が序列3位のタイトル戦に昇格し、将棋界は8大タイトル時代となりました。

前年からの不祥事について、日本将棋連盟と三浦弘行九段が最終的な和解を発表しました。

半年前とはガラッと雰囲気が変わった将棋界、藤井聡太さんはその中心にいました。

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電王戦が終了

5月20日、人間とコンピュータとの戦い「電王戦」は、将棋ソフトPONANZAが現役の名人である佐藤天彦名人に快勝(これでPONANZAの2連勝)し閉幕。

藤井さんとコンピュータ(人工知能、AI)との戦いの件については「藤井聡太の記憶12」に私の個人的な意見とともに書いておきましたが、要するに世間は藤井さんがAIと公開の場で戦うことを望むかもしれませんが、藤井さんご本人も興味はないと思いますし、大きな負担を負ってまでそれを本気で受ける必要はないと思います。

さて、叡王戦はこれまで「電王戦に出場する棋士を決める棋戦」としての役割もありましたが、電王戦がなくなったことでその大きな特徴を失いました。代わりに、竜王戦、順位戦・名人戦に次ぐ序列3位のタイトル戦への昇格が発表されました。

新時代の到来

新しくなった叡王戦は、持ち時間変則の7番勝負、段位別予選といった特徴もそうですが、新聞社以外のスポンサーが、将棋界の序列3位の棋戦を主催することも画期的だと感じました。

これで将棋界は8大タイトル時代に。

将棋界においては近年、これまでと違うやり方で将棋に注目してもらおう、普及を推進しようという動きが複数あり、各棋士・女流棋士や関係者の努力が多くあったことは知っています。徐々に成果も出ていました。

そこに藤井さんの登場で、一気に成果が形になったと思います。

そういう意味でも、電王戦は役割を終えたのだと思います。ありがとう電王戦。さようなら。忘れない。

日本将棋連盟と三浦弘行九段が和解

5月24日、日本将棋連盟と三浦弘行九段が最終的に和解したことが発表されました。

三浦九段と、藤井さんの師匠である杉本昌隆七段は仲がよいことは知られています。杉本七段は、三浦九段が処分された直後の2016年11月にも「仲がよい棋士」として三浦九段の名前をあげています。

藤井さんと三浦九段は、少なくとも藤井さんが奨励会二段(13歳)のときには練習対局の経験があるはずです。当時、三浦九段が30歳ほど年下の藤井さんに敬語を使う場面もあったとか。

また、藤井さんが奨励会三段の時代には、師匠とともに三浦九段の自宅を訪ね将棋合宿をしていたことも確認されています。

なお三浦九段は2013年の電王戦でソフト(GPS将棋)に敗れています。

ソフト絡みの事件に、三浦九段や、上記の合宿にも参加していた三枚堂達也四段をはじめ将棋界全体が巻き込まれてしまったのは、本当に辛い出来事でした。

一方で、杉本七段をはじめとした人格者の行動も見ることができました。

前回(藤井聡太の記憶17)の冒頭、私が藤井さんに、人間的にも素晴らしく成長することを期待している、ということを書いたのですが、いずれ将棋界のトップに立つ者としては人間的な成長も欠かせないと思います。

(「将棋界のトップ」と書きましたが、私は実はもうそれ以上のことを期待してます。それはいずれ書くことにします)

なお和解発表会見で、三浦九段は藤井さんとの対局を希望していました。

三浦九段は、和解に応じる際に「問題が長引いて、藤井四段の盛り上がりに水を差してはいけない」ということも話していました。

モバイルアプリが陥落

藤井さんの公式戦19戦目は、5月25日の竜王戦6組ランキング戦決勝、近藤誠也五段戦。

戦型は相掛かり。序盤から中盤に入るところで、先手の近藤五段の狙いが成立しない場面があり、後手の藤井さんは適切に対応し中盤以降は圧倒。

19連勝を達成するとともに、竜王戦決勝トーナメントに進出。

本局は日本将棋連盟のモバイル中継アプリで無料中継されました。藤井さんの対局が無料ということで、アクセスが殺到したはずです。結果、アプリが陥落。

またこの頃には、藤井さんが注文した食事のメニュー(出前)に、対局を見た視聴者らから注文が殺到して売り切れる事態も発生。

藤井さんの関連商品が飛ぶように売れ、将棋教室は活況。

後に「フジイノミクス」と呼ばれる現象につながっていきます。

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