藤井聡太の記憶(14)。羽生善治三冠に桂ポンで勝利し「神の子」になる

若手強豪で勝率も高い千田翔太六段をも破り、デビューからの連勝記録を「13」に伸ばした藤井聡太さん。

一方、AbemaTVの企画「炎の七番勝負」でも5勝1敗と大きく勝ち越して、最終局・羽生善治三冠戦を迎えていました。

「炎の七番勝負」は非公式戦ではありますが、普通のタイトル戦以上に注目されました。

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初対戦で羽生善治三冠に勝利

以前の記事(藤井聡太の記憶10)でも書きましたが、このAbemaTV「炎の七番勝負」での対局が、羽生三冠と藤井四段の初対戦になりました。

ただし、先に「第零期 獅子王戦」での対局を我々は観ており、獅子王戦では羽生三冠が勝利していました。

この2017年2月18日に収録、4月23日に放送された「炎の七番勝負」最終局・羽生善治三冠戦で、藤井さんは例の「▲4五桂ポン」を繰り出しました。

藤井さんが公式戦で初めて桂ポンをしたのは、1月26日に行われたデビュー第2戦の豊川孝弘七段戦(藤井聡太の記憶5)。

羽生三冠も、藤井さんがこの形を得意にしていることはわかっていたはずで、あえてそれを受けて立つのは羽生三冠らしさでもありました。

藤井さんは終始局面をリード。ほぼ羽生三冠にチャンスを与えず、最後の反撃も丁寧にかわして勝利しました。

ついに、学生服姿の中学生棋士が、三冠を保持し25年以上の間将棋界の頂点に君臨してきた王者をも下してしまいました。

これで「炎の七番勝負」の通算成績は、6勝1敗。

なお事前に行われた「炎の七番勝負」で藤井さんはいくつ勝てるか? というアンケートでは、以下のような予想が出ていました(3月5日から11日の期間、AbemaTV公式Twitter)。

0〜2勝 44%
3〜4勝 43%
5〜6勝 9%
全勝 4%

多くのファンの期待以上の、凄まじい結果となりました。

すぐに報道される

藤井さんが羽生三冠を破ったことは、すぐにネットニュースなどで報道されました。

スポーツ紙、一般紙、民放、NHKなどなど。非公式戦でこれほどまでの盛り上がりはもちろん前代未聞。当時、AbemaTVの関連会社(親会社的な立場)であるテレビ朝日には、素材の貸出依頼が各メディアから相次いだそうです。

14連勝を達成

藤井さんの公式戦14戦目は、4月26日の棋王戦予選、平藤眞吾七段戦。

藤井さんはまた桂をポンと跳ねていって(後手番ではあるが)、勝利しました。

デビューから14連勝の新記録を更新。

この頃には、藤井さんの桂馬使い、桂ポンというイメージはすっかり定着していたと思います。そうわかっていても、勝てない。

【管理人の所感のコーナー(神の子)】

一時、藤井聡太さんを「神の子」と呼ぶのが流行したと思いますが、最初に「神の子」と言われだしたのはこの頃だと思います。羽生三冠を破ったのが大きかったですね。

ですが個人的には「神の子」という表現は、あまり好きではありません。理由はいくつかあります。

宗教的な価値観

海外でも「神の子」や、「神の手」とか「神」の表現を用いることはありますが、それは現地の宗教的価値観のもとで使われるのに意味があるんじゃないかと思います。

例えば加藤一二三九段は「一分将棋の神様」と呼ばれることがありますが、自身ではその呼び方ではなく、別の呼び方を希望していますね(「一分将棋の達人」とか)。加藤九段は熱心なキリスト教徒ですから、自分を「神」と呼ばれるのに抵抗感があるのだと思います。

「神」という表現はどうしても宗教味を帯びますね。宗教的価値観のもとでの表現なのかなと思います。

神という表現の陳腐化

また、最近はなんでもかんでも「やばい神じゃん」みたいに形容詞としての「神」を使います。ちょっとすごい技とか、うまいスイーツとか、美しい光景とか、なんでも「神」です。

だから、一般の人から見て藤井さんが「やばい神じゃん」「神の子じゃん」と思っても一向にかまわないのですが、それがメディアを通して定着するのには抵抗感が。

親の子である

そもそも、藤井さんには親御さんがいて、親御さんの教育や与えた環境が藤井さんの才能を開花させた一因だと思うので、神が親御さんから藤井さんを奪うことはできないと思うのです。

神=人工知能?

将棋界にはもともと、仮想的な「神」の存在がありますね。その「神」は、常に最善手を指し続けるという。

だから「将棋の神様とトップ棋士が対局するのにふさわしい手合は何々」とか「将棋の神に最も近いのは誰々云々」などと言われたりします。そして、現時点の将棋界においてその意味の神に最も近いのは「人工知能(AI)」だと考えられます。

藤井さんが「神の子」だとすれば、「神から能力を伝授された存在」だと解釈でき、「藤井さんは、将棋界の神たる人工知能(AI)から能力を伝授された存在である。藤井さんは人工知能(AI)の将棋を見てその能力を手に入れたのだ」的な短絡的な言説が発生し得ると思うのです。

私はひねくれ者ですから、表現一つでもいろいろ危惧してしまうのです。もちろん、私が勝手に危惧しているだけで、自由に表現してもらって構わないとは思うのですが。

ここまでくると、藤井さんが「羽生さんを超えるか」とか「タイトル挑戦の可能性」などの報道も相次ぐようになりました。

まだまだ、藤井さんの快進撃はこれからなのです。

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