公開が待たれていた将棋電王戦FINAL第3局(▲稲葉陽七段vs△やねうら王)のPVが、2015年3月24日に公開されました。
なぜか第2局の終了後には放送されず、いろんな憶測を呼んでいましたが、ようやくUpされました。以下です。
王手ラッシュ、角不成
PVの冒頭には、この将棋電王戦FINALの第1局で解説の鈴木大介八段が批判的なコメントをし、一方で連盟理事の片上大輔六段が「不快ではない」とコメントを出すなど話題となったコンピュータソフト・Aperyの王手ラッシュ、そして第2局で話題となったコンピュータソフトSeleneの角不成を認識しないバグによる投了が映されています。
まさに、人間とコンピュータの戦いにふさわしい(?)幕切れとなった第1、2局でしたが、これを第3局のPVに持ってくるとはさすがドワンゴさんです。
開発者・磯崎元洋さんの挑発的発言
やねうら王の開発者である磯崎元洋さん(通称:やねうらお)は、かねてより「プロ棋士に香落ちのハンデを付けた将棋を見てみたい」「もうFINALだし、プロ棋士に勝たせてあげたい」などと挑発的な発言をしていました。
そしてこのPVでも「(自分も)プログラムを30何年やってるわけじゃないですか、プロ棋士のお前ら生まれる前からやっとんねんぞ、と」などと挑発的な発言を繰り返しています。(稲葉七段は26歳)
上記発言もそうですが、やねうらおさんは、プロ棋士に対し「お前ら」と繰り返し発言。
一方、自らの評価については「天才なんかな、と自分でも思う部分はある」とも述べています。
稲葉陽七段、おもてなし定跡を斬る
プロ棋士の稲葉陽七段は、井上慶太九段門下「第3の刺客」として描かれています。第1、第2はそれぞれ船江恒平五段、菅井竜也六段ですが、これまで二人ともコンピュータソフトに敗れています。
PVでは、やねうらおさんがいう「おもてなし定跡(実践で活きるような局面に誘導するという、プロ棋士の役に立つと想定された定跡)」について、稲葉七段は「(電王戦後に)練習対局することは、まず無くなる」と一刀両断しています。
プライドを捨てる必要なし
さらに、稲葉七段は「普通にやって勝てないなら、プライドを捨てる覚悟を持っていた」と話しています。
プライドを捨てる、というのは電王AWAKEの100万円企画で敗れた、△2八角のようなハメ手を使うことだと思います。
しかし、稲葉七段は頼もしいことに「現状はそういう(ハメ手を使う)感じではない」と、正面からの勝負で勝てる見込みであることを示唆しています。
さすが、今期順位戦でB級1組への昇級を決め勢いに乗る男。実際、電王戦FINALに参加するプロ棋士のなかでも一番勢いがあり、実力的にも期待が持てる(他の方すみません)というのが、多くの将棋ファンの意見ではないでしょうか。
想定外のことが起こる?
PVでは、稲葉陽七段、やねうらおさんともに「想定外のことが起こる」ことを示唆しています。
やねうらおさんなどは「いつ、クマのぬいぐるみになるか。それが心配」とも述べています。
「クマのぬいぐるみ」とは、テレビ放送などで問題発言・行動をした人物が画面上から消され、代わりに「クマのぬいぐるみ」をその人がいた場所に置かれることを意味しています。つまり、やねうらおさんは問題発言を予告しているようなもの。
冒頭にあげた第1局、第2局の事例のように、第3局でも何かが起こりそうな予感がするPV。
将棋電王戦FINAL第3局は2015年3月28日、函館・五稜郭で行われます。
コメント
磯崎氏もその道のプロで、場が「電王戦」であれば、確かに敬意を払うべきキャリアですね。
……なぜかその視点がいままでありませんでした。
不思議なものです。
コメントありがとうございます。
そうですね、やねうらおさんの経歴はよく知らないのですが、すごいプログラマだということは
知っています。その世界では尊敬される立場なのだと思います。
またやねうらおさん自身もヒール的な立場を楽しんでいるようにも・・・。
なおこの記事をTwitterに投稿したところ、やねうらおさんのアカウントにツイート
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