2015年4月11日に開催された将棋電王戦FINAL第5局、「FINAL of FINAL」と銘打たれたこの一戦は、事前のAWAKEに勝ったら100万円の企画で出現した山口システム「△2八角を打たせる」により、わずか21手で阿久津主税八段がコンピュータソフト・AWAKEに勝利。
これで最終的なこのシリーズの対戦成績はプロ棋士の3勝2敗となり、プロ棋士が団体戦としてもコンピュータソフトに対して勝利する結果となりました。
△2八角、▲1六香、そして突然の投了
戦型は阿久津主税八段が珍しく先手で四間飛車を採用。
何かが起こる予感がしました。
8手目には、後手AWAKEから角交換。
そして、やはりというか、阿久津八段の指し手は△2八角を打たせる山口システムに誘導するものに。
現地からの野月浩貴七段の話では、阿久津八段は1週間前に角交換四間飛車を決意したとのこと。
そして20手目に△2八角。
ここで既に、AWAKEの開発者である巨瀬亮一さんは投了を決意したようです。
プロ棋士が勝利
阿久津主税八段の21手目▲1六香を見て、巨瀬亮一さんが投了を告げたようで、AWAKE、そして電王手さんが投了の挨拶。巨瀬さんは元奨励会員であり、その棋力のために、この時点で勝ちはないと判断したのだと思います。
こうして、人類は、この電王戦FINALの団体戦としても勝利を飾りました。人類にとって将棋電王戦の歴史上、初めての団体戦勝利。
そして、なんとも電王戦らしい結末。
この対局の詳細は、また後程詳しく書きたいと思います。
AWAKE開発者・巨瀬亮一さん「△2八角で投了しようと決めていた」
阿久津主税八段は△2八角に「貸し出し後、数局で気づいた。素直に嬉しい感じではない」
エキシビションマッチも阿久津主税八段が勝利。AWAKEの代理・永瀬拓矢六段を破る
本当に最後なのか
さて、これで将棋電王戦FINALの最後の1局も終わり、5対5による人類VSコンピュータの団体戦の歴史は幕を閉じることになりました。
電王戦を担当する日本将棋連盟の片上大輔理事は、このシリーズの途中で重ねて今回が「FINALですよ」と述べており、寂しい気もしますが、やっぱりこれで最後なのでしょう・・・。
対局後の記者会見で何か発表されるのか・・・。これについても、また何か動きがありましたらお伝えしていきたいと思います。
将棋連盟とドワンゴ、将棋電王戦の後継棋戦を検討「タッグマッチは白紙」「関係各社と協議中」
以上、ありがとうございました。
コメント
先日の名人戦の短手数にも驚きましたが、まさか今日は21手で終わってしまうとは・・・。さすが電王戦、何が起こるかわかりませんね。
野月さんはどんな観戦記を書かれるのか、楽しみです。
コメントありがとうございます。
終わってみれば、それが電王戦らしさで、またひとつ大きなテーマを投げかけられた気がして、良かったように思います。
短手数ですが、書くことはいっぱいありそうですね。