高齢化社会では将棋がビジネスの強みに?画期的な「男性向け」デイサービスのレクに将棋が採用されている事例

これから日本はますます高齢化社会になっていきますが、そんな中、将棋が一つのスキルとして認められたり、ビジネスチャンスになったりするかもしれません。

そう思わせてくれるような事例が、2015年7月5日のTBS系「がっちりマンデー!!」のVTRでとりあげられましたので、ご紹介します。

テーマは「儲かるシニアベンチャー」。

スポンサーリンク

女性中心の社会

私(管理人)の体感ですが、ここ何年か、自宅の周りや地域に高齢者のための施設が、すごい勢いで増えているような気がします。それだけ需要があるということだと思います。高齢化社会を実感します。

その老人福祉施設の中でも「老人デイサービスセンター」と呼ばれる施設は、高齢者が通うための施設であり、食事や介護指導のほか、レクリエーションが行われます。

テレビ番組などで見たことがある方も多いと思いますが、デイサービスセンターでのレクリエーションというのは、要するに簡単なゲーム、遊びのようなものです。

代表的なレクリエーションは折り紙、お手玉、風船を使ったバレーボール、合唱など。

これらのレクリエーションには共通点があります。

それは「女性向け」だということ。

折り紙、お手玉、やってられない

男性の場合、子供から大人になって高齢者になるまで「お手玉」で遊ぶといったことはあまりにないと思いますし、折り紙にしても風船バレーにしても、女性が喜ぶレクリエーションです。(と番組で言っていました)

高齢者は女性の方が人口が多く、通常の老人福祉施設の利用者に占める割合も女性が7割なのだそうです。なので、多くの施設は女性向けのレクリエーションを用意しているのです。

ただ、男性の高齢者の中にはこれらのレクリエーションに拒否反応を示す人もいます。確かに男性が風船バレーとかお手玉をするのに、抵抗があるという気持ちはわかります。そして、レクリエーションが合わないということで、利用者の足が施設から遠のいてしまうこともあるようです。

実際、番組のVTRに出てきた高齢男性の一人は「私はこういう性格ですから、お手玉、折り紙は合わない」と話していました。

麻雀、囲碁、将棋がメイン

番組で紹介されたデイサービス、東京都杉並区の「松渓ふれあいの家」は、そんな業界のスタンダードに反して独自路線を走っています。

この施設のレクリエーションは、麻雀、囲碁、将棋がメイン。ジャラジャラという麻雀の牌をまぜる音が聞こえてきます。

これでも、ちゃんと杉並区から委託されているデイサービスです。

この施設を立ち上げた前理事長の髙岡隆一さんは、当時介護に関しては素人だったのですが、「男性が通いたくなる施設」を目指したとのこと。

デイサービスは、高齢者に通ってもらわないと経営が成り立たないのですが、この独自路線の結果、利用者に占める割合は男性が7割となり普通の施設とは逆の割合で成り立っているということです。

この施設に通っている高齢者は、みんな楽しそうにゲームに興じていました。なお麻雀が一番人気なようです。

全国で増加傾向

この事例のVTRを見た加藤浩次さん(この番組の司会のタレント)は「デイサービスは女性のもの、男性は家にこもっちゃうイメージがあるが、ああいうの(麻雀、囲碁、将棋)だと出てみようということになるんですね」と感心。

経済評論家の森永卓郎さんによれば「女性の方が寿命が長く高齢者の数は女性の方が圧倒的に多いので、メインは女性にあわせたデイサービスになっていた。『男性向け』という視点を思いついたのがすごい。全国で同じようなことをしている施設が増えている」とのことでした。

今更ながらちょっとした驚きでした。我々は社会に出ると長い期間、いわゆる男性中心の社会で働くことになるのですが、高齢者の社会は女性が中心だったとは。世に「女性向けビジネス」が多くあるように、今後の高齢者化社会においては「男性向けビジネス」にチャンスがあるかもしれないです。

ビジネスチャンス!

実際、将棋は高齢者のレクリエーションとして適している面もあると思います。手を考えるのに頭使いますし。

ただ、単にダラダラと将棋を指しているだけだと、その効果は半減だと思いますね。

高齢者に限らずですが、最初は実戦だけでもいいですが、棋力を上げることに行き詰まったら、定跡や手筋を覚えて、指導を受けたり、感想戦もやるというのが良さそうです。そうすると同じ「考える」でも、その質、中身がより濃いものになると思います。

そして高齢であってもそうやって棋力を向上させることで、成長を実感することができる気がします。

そういう意味では、例えば「将棋の指導ができる人が常駐しているデイサービス」には、他とは違う付加価値があるといえそうです。差別化というやつです。

将来訪れるであろう、将棋の指導ができる人材が施設に雇われる社会。デイサービスの求人広告で「将棋指導できる人歓迎」とか「条件:将棋初段以上」とかいうのが現れる(既にある?)と思います。

また、人に雇われるのが嫌な将棋が強い方は、自ら老人福祉施設を設立してみてはいかがでしょうか。付加価値のあるサービスが実現できて儲かるかもしれません。

スポンサーリンク

将棋ワンストップをご覧いただきありがとうございます。ぜひシェアをお願いします

記事の追記や更新の通知はツイッターで行います。フォローをよろしくお願いします!

コメント

  1. 観る将リーマン より:

    少子高齢化が急速に進む社会で、
    将棋界としても、子どもへの普及は力を入れてると思いますが、
    高齢者への普及に対しては、将棋好きの人にだけ見てもらってる感じで積極的には動いてない気がします。

    確かに将棋は、仕事を引退された方々には、頭の体操にもなるし、平日朝からニコ生見れる世代ですし、普及しやすいと思うんですけどね。

    そう考えると、今泉四段は貴重な存在ですね。

    • 管理人 管理人 より:

      コメントありがとうございます。

      この記事、ツイッターでは複数の棋士の方をはじめ様々な方に、リツイート、言及いただいていまして、またこのようにコメントもいただきまして、書いたかいがあったなと思っています。

      私としても高齢者層の実態はよくわからないですが、少なくとも今最も将棋放送があるニコニコ生放送は、高齢層の視聴者は少ないそうです。

      そうですね、そういえば今泉四段はまさにノウハウがありそうですね。これは経験が生きるところ。
      もう少し話を大きくしますと、今泉四段のように将棋界とは別の社会の経験が豊富な人が将棋の世界をより広げていくために重要なんだと思います。

      高齢者であれば今泉四段、若年層であれば、女優さんとかアイドルとかかなと。アイドル出身の女流棋士とか誕生しませんかね。

      コメントありがとうございます。

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。