2015年2月28日にニコニコ生放送で中継された「電王AWAKE(ノートPC)に勝てたら100万円」(1日目)ですが、1日目にして電王AWAKEが敗れる事態が発生しました。
電王を負かし100万円を持ち帰った挑戦者は、千葉県から来た山口さんという男性の方(NEC将棋部の山口直哉さん)で、将棋倶楽部24のレート3000点(!)だとのこと。たぶん界隈では有名な方だと思われます。
この3000点がいかにすごいか。この日解説だった高見泰地五段も「今は3000点ない」そうですので、プロレベルです。
山口さんは対局前のインタビューで「普通にやっても勝てないので奇襲戦法で行きたい」と野心をのぞかせました。そしてこの対局で、コンピュータに勝利するヒントが現れました。
ponanzaを破った電王
今回の電王はAWAKE。元奨励会員である巨瀬亮一さんが開発したソフトであり、あのponanzaを電王トーナメント決勝で破っています。
AWAKEは将棋電王戦FINALで阿久津主税八段と対局しますが、今回のAWAKEはこの電王戦のものより大幅にスペックの低いノートPCで稼働させます。それでもメチャクチャ強いんですが。
2年ぶりの100万円なるか
ちなみに2年前の同企画ではGPSを相手に3人が勝利しました。
が、前回の企画ではponanzaの前に勝利者は現れませんでした。
今回は前回のponanzaから更に強くなっているはずのponanzaを破ったAWAKEです。
切れ負けじゃなくなった
前回は「20分切れ負け」のルールでしたが、今回は「持ち時間10分、秒読み10秒」のルールで行われました。
コンピュータは終盤で敗勢になってもクソ粘りをみせるため、人間が切れ負けに追い込まれることもあったかと思います。また、人間はどうしても操作時間がかかります。
ですので、これは人間にとって大きな変更点でした。
その他、挑戦者(人間)が先手、千日手は先後入れ替えて指し直し、256手目まで指して決着がつかなければ引き分け、などのルールが有ります。
対局内容
詳しくは、ニコ生のタイムシフトで御覧ください。開始から3時間29分付近です。
先手の山口さんが初手▲7六歩、後手のAWAKEが△3四歩というごく普通の出だし。ですがそこから、▲6八飛、△6二銀、▲4八玉、△8四歩、▲1六歩、△4二玉・・・と、ちょっと変わった形で進みました。
後手をわざと穴熊にさせる
後手は居飛車穴熊に、先手は銀冠を目指しました。途中先手から▲2二角成(11手目)と角を交換。このとき後手玉は3二にいたため、△同玉と馬を取りました。
実はこれが作戦の一つだった模様。後手はこの取り方だと穴熊にしやすいのですが、わざとそうさせたようです。
通常は穴熊に組まれると嫌だと思うのですが、そうさせるのが戦略。
△2八角を誘導
さらに、先手は自陣の2八の地点への利きをなくして、後手から2八角を打たせるように誘導。後手AWAKEはまんまとその罠にはまり2八に角を打ってきました。
これが最大の勝因だったようです。
その後、後手の角は△1九角成となったのですが、先手山口さんはこの馬をうまく捕獲。角+歩と桂の交換となり、先手は序盤で圧倒的な優位を築きました。
高見泰地五段はこの角打ちの誘導について「ねずみとりに引っかかった」と表現し、「必勝ですよ、大優勢です」とコメントしました。
この「ねずみとり」にひっかかったのは、いわゆる水平線効果、つまり、数手先までは広く読むが、ある手数を超えた先の手は考慮しないというコンピュータの読みのアルゴリズムが影響していると思われます。
入玉へ
その後はAWAKEの無理攻めを受けきった山口さんが入玉へ。敵陣でと金を量産し、穴熊を追い詰めました。
さすがの電王も、この状態となっては無意味な手を連発。先手の151手目を見て投了しました。
同じ戦法で勝利してほしい
勝利した山口さんは、インタビューで「準備してきた作戦がそのまま進んで、研究どうり5、60手進んで」「これまでやってきたことが正しかったと証明されてよかった」「また同じ戦法を、この後挑戦する人も使ってくれたら嬉しい」と話しました。
戦法の研究に加えてR3000の棋力があれば、ノートパソコン版AWAKEを倒せることがわかりました。
ponanzaで試していた
さらに山口さんは、勝因となった△2八角について「あの形になれば(AWAKEが角を)打つと思ってたんで。しめしめと思って」とコメント。
この「打つと思っていた」理由としては
「違うソフトが結構打ってくることが多いんで」
と話しました。おおお!!これは重要証言。
さらに、この日聞き手だった山口恵梨子女流初段が「なんていうソフトですか?」と聞いたところ山口さんは
「ponanzaっていう・・・」
と発言しました。おおお!!これは重大証言じゃないですか。山口女流初段ナイス質問です。これはコンピュータに対する必勝法になりえるかも・・・!!
ちなみに山口直哉さんはこの100万円を引っ越しの費用として使うらしいです。
なお、将棋のネット中継の記者として知られる銀杏さんは、この対局について以下のようにツイートしてます。
発祥がどこか知りませんが、よくこんな指し方を考えたものだ。人間同士の対局ではまったくと言っていいくらい役立たないと思えるけど。
— 銀杏 (@ginnan81) 2015, 2月 28
必勝法、敗れる
しかし、この後の挑戦者で、上記の形にしようとした人もいたのですが、思い通りにならず敗退。また、この企画は3台のノートパソコンで実施されていたのですが、実は△2八角を打つのはこのうち1台だけらしいこともわかりました。
秒読みちゃん、秒読みさんの美女たち
ここからはおまけです。
この日番組を観ていたら、対局者のすぐ横に可愛い、あるいは綺麗な女の子が座って「秒読みちゃん」「秒読みさん」をやってくれていました。あの美女たち誰なんだろう・・・。
と思ったら、銀杏さんが重要なツイートを・・・。これです。
秒読みちゃん
井上貴惠さん@kieinoue
堀田侑愛さん@hotta_yua
佐藤千聖さん(ワクワクギルル~倭国乙女~)@waqwaqgiruru
秒読みさん
戸田れいさん@rachel_o2o9
— 銀杏 (@ginnan81) 2015, 2月 28
そして美女たちのツイート。
おっし、目が覚めた( ̄+ー ̄)今日も1日がんばるぞ\(^o^)/ 千聖にゃん pic.twitter.com/HnKaioEBNK
— ワクワクギルル~倭国乙女~ (@waqwaqgiruru) 2015, 2月 27
今日は早く終わった꒰✪ૢꇵ✪ૢ꒱ෆ⃛ෆ⃛ೄ
100万出たよー!!すごーい!! pic.twitter.com/JwOKx5hmMp
— 井上貴惠(KNU) (@kieinoue) 2015, 2月 28
この日、おそらく1番人気だったのは戸田れいさん。この方だけ「秒読みちゃん」ではなく「秒読みさん」。
休憩中にブログを書きました(´・ω・)♡
http://t.co/QqpJ9i8W13
秒読みさん、最年長なので正座3時間はキツイです(笑) pic.twitter.com/rbAPS2ujK1
— 戸田れい (@rachel_o2o9) 2015, 2月 28
そして本日の勝利の女神、堀田侑愛さん。現役の女子高生らしいですよ。
秒読みちゃん終わりました☺️✌️
はじめてでちょびっとねむたくなったけど
おもしろかった!!
100万円おめでとうですまたやってみたい pic.twitter.com/o9yhr2RAvg
— 堀田侑愛 (@hotta_yua) 2015, 2月 28
以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。