2015年アクセスが多かった記事。コンピュータ将棋部門トップ7

2015年は何かとコンピュータ将棋も話題になりました。

電王戦FINALという社会的にも話題となったイベントもありました。私の知識不足もあるんですが、コンピュータ将棋関連の記事には多くのご意見をいただきました。それだけ関心が高いともいえると思います。特に電王戦。

この記事では電王戦以外のコンピュータ将棋に関する、アクセス数が多かった記事をご紹介します。

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技巧、現る

電王トーナメントに突如として新たな強豪ソフトが現れました。「技巧」というソフトで、事前のfloodgeteで強さを見せつけ、一躍優勝候補にあげられるようになりました。

電王トーナメントでも予選をPonanzaに次ぐ2位で通過。ただ、序盤の定跡面に弱点があったようで、決勝トーナメントでは初戦で敗退しました。しかしその開発哲学は業界に衝撃をもたらしたようでした。

電王トーナメントに「技巧」という強すぎるソフト現る。参考文献に多くの棋書、人間に近いタイプの可能性

以下技巧関連の記事。

技巧、floodgateでPonanzaと初対決し勝利。Ponanzaの独創的序盤に振り飛車穴熊で対抗

「技巧」開発者の出村洋介さんインタビュー。人間が重視する評価項目をもれなく考慮。自身は観るファン

第3回電王トーナメント、注目の技巧が敗退、超やねうら王は格上を連破。ベスト4が決定

名人コブラ

これも電王トーナメント関連です。

「名人コブラ」というソフトが、将棋初心者が愛用する(?)「無敵囲い」という囲いを見せたり、それを進化させた「新無敵囲い」を披露したりしました。

自ら「エンジョイ勢」と名乗っていた開発者の皆様に敬意を表します。

「無敵囲い」が「新無敵囲い」に進化。名人コブラが魅せた独自の戦い

ソフトの活用が進むと力戦が増える説

週刊将棋に掲載された西尾明六段のインタビューから。

プロ棋士のスキルとして、コンピュータソフトを活用することが重要になりつつあるらしい(これは羽生善治名人の東洋経済でのインタビューから)のですが、活用が進むとどんな未来が待っているのか。

棋譜がコンピュータで解析されることによって、序盤でコンピュータの評価が不利になる形(定跡)は淘汰されて洗練され、不利にならないような指し方が増え、結果的にプロ棋士の多くが似たような序盤を指すようになる? かと思いきや、その逆らしいです。

西尾六段によるとコンピュータによって序盤の幅が広がり、プロは研究がしきれなくなって力戦形が増える。そこで重要なのは結局終盤力になると。

実際、西尾六段もそうですが、コンピュータ将棋に詳しい千田翔太五段も序盤で定跡にとらわれない形を指すことが多いように思います。

コンピュータ将棋ソフトの活用が進むと力戦形が増えて終盤力が重要になる説。序盤の幅が広がりすぎて絞り切れない楽しい時代に?

Ponanzaが囲碁に進出

電王トーナメントで優勝したPonanzaの開発者・山本一成さんがコンピュータ囲碁への進出を表明。

コンピュータ囲碁にはGoogleやFacebookといった人工知能分野で世界をリードする企業も参加しており、将棋とはまた違った戦いになると予想されます。

Ponanzaの山本一成さん、コンピュータ囲碁ソフト開発に着手へ。「囲碁の世界もぶっ倒す」と表明

評価値の表示に関する提案

コンピュータ将棋ソフトが形勢の優劣を数値化したものが「評価値」ですが、新棋戦の叡王戦ではこの評価値が人間vs人間の戦いにおいても解説に利用されています。

評価値は本来、ソフトが自分の指し手を決めるためのもの。人間同士の戦いを評価するのに適切なのか、という疑問もあると思います。

コンピュータと人間とでは終盤でミスをする頻度が違う、だとすると逆転の頻度も違う。そこで評価値だけではなく「逆転しやすさ」の指標も表示したら、人間同士の戦いの形勢をより適切に評価できるのではないか、という。

上記の説明がわかりにくい方は、各方面から絶賛された(?)以下の例えをご覧ください。

マリオカートで言うと「平坦なコースで5秒リードしている時」と「吊橋ばかりでいかにも落下しそうなコースで5秒リードしている時」では逆転の発生しやすさが異なるはずですが、現在のコンピュータソフトの評価値では単に「5秒リード」としか表現できない

この記事はニコニコ生放送に寄せられた質問が発端なのですが、コメント欄にはその質問者ご本人様からもコメントをいただきました。また、別の方から「逆転しやすさ」の指標の実現方法についてもコメントをいただきました。コメント欄もあわせてご覧ください。

コンピュータソフトの評価値の表示に関する提案。「逆転しやすさ」を併記

飛車飛車vs角角

これは記事が良かったというよりご紹介した動画が良かったので、貼っておきます。一時期大流行した飛車厨vs角厨の戦い。将棋の初期配置で、片方の対局者は本来角があるべき位置に飛車を、もう一方の対局者は本来飛車があるべき位置に角を配置して、どちらが強いのかを検証する動画です。Bonanza同士を対局させていますので、一応コンピュータ将棋関連かと思います。

同じ作者の方が投稿した「将棋不動産」という動画も面白かったです。将棋の囲いをお部屋に例えています。これはコンピュータ将棋関係ないですが。

「飛車と角、どちらが強いか」問題の検証実況動画が面白い。飛車厨と角厨のBonanzaが5番勝負

将棋の囲いを住宅に見立てた「将棋不動産」動画が面白い。間取りは「2GSK」、価格は「10手」など

盤上のシンデレラ

佐藤天彦八段が実戦で指した新手が、実は事前にあげられていた動画「盤上のシンデレラ」シリーズでキャラクターが指した手だったという話です。

これもコンピュータ将棋かどうか怪しいのですが、一応「盤上のシンデレラ」の作者の名前からしてコンピュータ将棋関係者である可能性が高いです。詳細は記事を参照。

盤上のシンデレラは、「盤デレラ」や「盤デレ」と言われているようです。もしかしたら2016年注目のキーワードになるかもしれません。

佐藤天彦八段が「盤上のシンデレラ」新手?▲5四銀で阿部健治郎六段を破り棋王戦挑決に進出

ただ佐藤八段は、盤上のシンデレラのことは知らなかったようです。またこの新手は、JT杯決勝の解説か感想戦かでも指摘されていたという話もあるようです。

以上です。記事への感想や意見はコメントかお問い合わせいただきますとありがたいです。参考にさせていただきます。

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