渡辺明棋王、無冠になったらブログ休止か。週刊新潮の連載コラムで表明

2015年7月2日、日本将棋連盟のホームページに「将棋ファンの皆さまへ」というタイトルの、常務理事の島朗九段および専務理事の青野照市九段の名前による「お知らせ」が発表されました。常務、専務の名前入りとは珍しい。

将棋ファンの皆さまへ 日本将棋連盟

内容は、同日発売の週刊新潮(7月9日号)の報道を否定する内容。

「週刊新潮」の報道では事実にそぐわない記述があり、将棋連盟の協賛社であるドワンゴ様、毎日新聞社様、朝日新聞社様にご迷惑をかける結果となり、残念

これはなんだろう。

渡辺明棋王のコラム

週刊新潮では、渡辺明棋王が「気になる一手」というコラムを連載しています。このコラムでは、渡辺棋王がプロ棋士の対局から「次の一手」クイズを出題。ただ、クイズ部分はほんの一部であり、大部分は渡辺棋王がご自分の考えを述べる場になっています。

渡辺棋王のようなトップ棋士が自分の考え方を述べているのは貴重だと思います。

しかし、今号のコラムには驚くべきことが書かれています。

コラムのテーマは「ブログ」。将棋ファンの多くはご存知かと思いますが、棋王のブログはご自分の対局の告知の他、対局の翌日にはそのポイント解説や、趣味や家族といったプライベートの話題もあって、しかも頻繁に更新されます。私(管理人)にとっては更新されたら必ず閲覧するブログの一つです。おそらく、棋士の中では最もアクセス数が多いブログの一つだと思います。

タイトルを持つ間は続ける

棋王は2003年からブログを始め、2005年の竜王在位中に現在のブログ「渡辺明ブログ」に移行。以降、継続してブログを書かれてきたようです(申し訳ありません。私は新参の将棋ファンであるため、昔の記事は読んでいないのですが)。

で、週刊新潮のコラムの終盤でそんなご自身のブログについて、昔はアクセスが多い棋士のサイトが少なかったためイベント等の告知をする役割もあったが、現在は多くの棋士が情報を発信しているので、その意義は薄れていると説明。そして。

タイトルを持っている間は続けようと思っている。もし無冠になっても完全に止めるわけではなく、再び奪取したら再開するのも面白いと考えているのだ

えええーーー!!

裏を返せば、無冠になったら次に奪取するまでブログ休止ですか。10年以上、将棋ファンには定着しているはずで、これは驚き。

でももし本当にブログ休止となったら、将棋界にとっては重大な損失ではないでしょうか。

まさかこれが将棋連盟のホームページで常務、専務の名前で発表された「事実にそぐわない記述」なのか!

羽生名人に電王戦逃亡の濡れ衣

そういえば週刊新潮を見ていたらもう一つ、将棋関係の記事がありました。

ワイド特集「雨降って地固まらず」という特集記事の中で、「哀川翔さんがカブトムシ5000匹を毎年生産している『カブトムシ工場』を持っている」という話題の隣に「朝日新聞のソロバンずくで『羽生名人』に電王戦逃亡の濡れ衣」という記事が。ソロバンずく、というのは損得勘定という意味だと思います。

記事の内容としては、羽生善治名人が叡王戦(優勝したらコンピュータ将棋ソフトと対局する電王戦に出場する棋戦)にエントリーしなかった理由が、ある「ベテラン棋士」によって明かされ、武者野勝巳七段が解説を加えています。

この「ベテラン棋士」と「武者野勝巳七段」は約1ヶ月前の以下の記事にも登場していますのでご参考に。

週刊新潮の「将棋電王戦に羽生名人参加」記事の信憑性

ベテラン棋士は、連盟とドワンゴの約束によって叡王戦には羽生善治名人も参加予定だった、しかし上記の週刊新潮の記事が出ると名人戦を主催する朝日新聞が名人位に傷がつくと懸念を示した、同じく名人戦主催の毎日新聞はそれ以前から難色を示していた、その結果、連盟はドワンゴに頭を下げて羽生名人の不参加を了承してもらった、と明かしています。

武者野七段は羽生名人がコンピュータに敗れたとしても、電王戦で将棋への感心が高まって棋界の活性化になると解説。新潮の記者は、朝日新聞が羽生名人から対局の場を奪ったうえ、羽生名人に「敵前逃亡」の汚名を着せたのだと説明しています。

前回も思ったのですが「ベテラン棋士」って誰なんでしょうね。まさかプロ棋士じゃないとか。「アマチュア棋士」という言い方もありますしね。まさか。

あと、哀川翔さんが生産したという「88ミリのカブトムシ」も気になります。

休止は少なくとも来年以降

トップ棋士が10年以上にわたって続けてきて、しかも棋士最高クラスのアクセス数を誇るブログが休止する可能性と、誰かもわからない「ベテラン棋士」による叡王戦・電王戦の裏側の解説。

そんなコントラストがあった週刊新潮でした。

渡辺棋王は、無冠になる可能性はあるにしても、現在保持している棋王のタイトルは今年既に防衛していますし、早くともブログ休止が現実となるのは来年です。それに失冠する可能性もありますが、これからタイトルを獲る可能性もあるので。竜王戦決勝トーナメントは準々決勝に進出したばかりですし、本命の一人と言っていいはず。

とにかく、これからもブログは欠かさず拝見させていただきます。

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コメント

  1. 長さん より:

    日本将棋連盟の「お知らせ」には、トップに叡王戦に触れた部分が有ります。
    よって、渡辺明棋王のブログの閉鎖とは、無関係だと断定できます。
    羽生名人の叡王戦参加の件でしょう。
    個人的意見ですが。新潮の「朝日新聞は、名人戦に『傷が付く』から、羽生名人の
    出場に反対。」は、誤報だと思います。メンツやハクで、行動を決める、新聞社は
    今時無いでしょう。「新聞の購読者が、将棋はコンピュータが一番強いの時代にな
    ると、それ以前よりは、より減少する」というように、新聞社は、彼らの営業的利
    害の観点から、是非を見ているのだと思います。
    ところで。この記事を読んで判るように。羽生善治名人に。そもそも、電王戦、叡王
    戦それぞれについて。参加の可否を決める主体性があるかのような、書き方の部分、
    全く無いですよね。そもそも、敵前逃亡するかどうか。羽生名人は、自分の処遇を
    自分で決めてないんじゃないのでしょうかね。私も、「彼は、そういう可愛そうな
    境遇なのだろう」と、2013年11月23日のシンポジウム「人間と知的システム
    とのコラボ~将棋とコンピュータとその未来」の時、羽生名人本人の講演(彼は、
    その時、上の事を白状してますね)を聞いてからのちには認識しているので。
    私も、羽生名人が「叡王戦に参加するかどうかを自分で決めて、結果敵前逃亡
    を決めた」とは、最初から考える事すらできない人間の一人ですね。恐らくその
    ベテラン棋士。体力が落ちて。羽生名人等の講演を聞くために、調布市へ外出する
    余裕も無くなった。だいぶん高齢の方なんでしょうね。ひょっとすると。週刊新潮
    に、たびたび登場して将棋の記事を書かれている、大物ベテラン棋士の方かも
    しれないと私は空想しますが、誰なんでしょうね。

    • 管理人 管理人 より:

      コメントありがとうございます。

      将棋連盟のお知らせの件については、ええ、そうですね、それは私としましても冗談でした。申し訳ございません。直接叡王戦のことを書くと、ちょっとつまらないかなと思ったものですから。
      まあ、この例の記事自体が信憑性は怪しいですし。

      ただ、こうやって書かれること自体は将棋がコンテンツとして終わっていないという証拠だとも思います。
      連盟も、一応形だけでも反論しないといけないのでしょうが、週刊新潮がさらっと書いたなんでもないような記事についてまあ、我々はそう騒ぐことではないと思います。ベテラン棋士は実在するかはわかりませんし。少なくともほとんどの棋士が叡王戦に参加していて、連盟が本気で内部調査をやったらバレるリスクを承知でこういうこと喋る人って。

      羽生名人が不参加を決めた経緯については、もう既に私はあんまり興味はないのですが、そのことで批判を受けるとしたら残念なことですね。朝日新聞叩きたしの週刊新潮がそれをネタに使ったと思ったら、さらに残念なことです。

      不参加の経緯や理由についてどうあっても何かしら反論があると思うので、それらを表明しないのもひとつの選択だと思いますね。
      コメントありがとうございます。

  2. 長さん より:

    私のコメントで。以下の重大な点が抜けてますね。
    大観衆を前に発言した、羽生名人の2013年11月23日のシンポジウム「人間と
    知的システムとのコラボ~将棋とコンピュータとその未来」での発言。「コンピュータ
    と私が対局するかどうかを決めているのは、将棋連盟である。」と言うのと、今回の、
    将棋連盟のホームページで、常務、専務の名前で発表された発表、「叡王戦は、エントリー制であり、参加の有無は、棋士が個人で決定している。」との旨のアナウンスと
    は、明らかに整合性が取れていません。
    以下は。あくまで個人的意見ですが。

    羽生名人の、上記シンポジウムでの発言が、私は正直で本当だと思います。

    つまり。専務、常務の名前で発表され、参加の有無を決める当事者の一人である
    はずの会長の名前すらもが、何故か入ってい無い、

    今回の「将棋連盟のwebでのアナウンス」は、かなり怪しい

    のではないかと私は感じます。

    • 管理人 管理人 より:

      再コメントありがとうございます。

      2013年当時と叡王戦ができた現在とでは事情が違うのだと思います。当時はエントリー制の(男性棋士の)棋戦というのは存在していませんでしたし、実際電王戦の出場者を見ても立候補ではなく殆どの場合、連盟の執行部から声がかかったと聞いています。

      また、一般の企業においても、事の性質や重大さによって社長名にするか担当役員名にするかは違うと思いますし、リリースの信憑性にとってはそれほど気にすることではないと思います。

      将棋連盟の発表は、新潮に書かれっぱなしだとスポンサーに対して申し訳ないので、半ば義務的に出されたものだと思いますし、本来このようなリリースも必要ないぐらいのネタだと思います。

      私としても、なんか新潮の記事について述べたい気持ちがあって、このような記事になってしまいました。本気にしてはおりません。

      コメントありがとうございます。

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