田丸昇九段、1年後に迫る自らの引退を語る「もっと前に潔く辞めたほうがよかったのかも」

今年も4月になり、多くの棋士が引退されました。どんな方でもいつかは引退されると思うと寂しいものですが、引退を前にした棋士自身は、自らの引退についてどう考えているのでしょうか。

フリークラス規定により今年度での引退が決まっている田丸昇九段が、2015年4月8日の第73期名人戦第1局1日目の解説者としてニコニコ生放送に登場し、自らその引退について語ってくれました。

あと1年

この日のニコニコ生放送では、田丸九段宛に「引退に際して一言メッセージを」というメールが寄せられました。

そのメールに田丸九段は「え?まだ1年あるんですけど(笑)」と答えつつ、「今年で棋士になって、40・・2、3、4、5・・・。44年目なんで」と発言。

田丸九段は1972年にプロ入り。順位戦でA級に1期、B1には16期在籍していました。将棋連盟の出版担当の理事や将棋世界の編集長を歴任。現在は自身のブログで、棋士ならではの情報を発信するなど、ファンとの関わりを大事にしている印象があります。

2008年度に順位戦C級2組で2つ目の降級点がつき、フリークラスを宣言。

今年5月5日に65歳となり、以下のフリークラス規定により引退が決まっています。

宣言によるフリ―クラス棋士の場合、順位戦在籍可能最短年数(現在のクラスから、降級と降級点を毎年続けた場合の順位戦に在籍できる年数)に15年を加えた年数が過ぎると、引退

上記年数に達しなくても、65歳になると引退

もっと前に潔くやめたほうが

田丸九段は「まあ、44年現役でもったので、自分としてはもう満足です、ふふっ」と笑いました。

聞き手の貞升南女流初段が「すばらしいですね、44年も」と言うと、田丸九段は「本当はもうね、負けてばっかりいるから、あのねえ・・・」と少し息を吐き、「もっと前に・・・潔くやめたほうがよかったのかもしれないけど」と発言。

貞升女流が「いえいえいえ・・・」と否定すると、田丸九段は「まあ、個人的な理由で、現在に至ってますけど」と述べました。

既に半分引退みたいなもん

そんな寂しい話に、貞升女流も何を言っていいのかわからないようで、とりあえず笑顔に。

しばらく沈黙がありました。

田丸九段は「ただ、もう今はフリークラスなんで、要するに会社員で言うと、正社員じゃなくて嘱託なんですよ。だからいきなり正社員で辞めるのと違って、既に半分引退みたいなもんだから、あんまりこう、ギャップはないですね」と、現状を説明しました。

貞升女流は「はい・・・」とだけ返しました。

新陳代謝

田丸九段は「まあ、いずれはみんなね。辞めていかないと、新陳代謝がないですから。いいんですよ」として、囲碁界には引退制度がないことを引き合いに出し「将棋界は、順位戦を基準にして棋士生命が決まるんでね・・・」とも述べていました。

寂しい引退

私(管理人)は将棋ファン歴1年ちょっとであり、田丸九段が棋士として全盛期の頃を残念ながら存じ上げておりません。しかし、田丸九段はいつもサービス精神が旺盛なイメージがあって、この日もニコニコ生放送の視聴者を楽しませようといろいろデータを準備してきてくれたりして、しかも常に笑顔で話して下さり、そう思うと引退はとても寂しいです。

最後の相手は

その後は「最後の対局」について話が及びました。

田丸九段は、その「相手」について「あんまり粘らない人」と笑顔でコメント。「勝っても負けてもいいんだけど、投げっぷりがいい人」がよいのだそうです。

その時、ニコニコ生放送の画面にはユーザーからのコメントで「島」の文字が多く流れました。もちろん、「島」とは、投げるのが早いことで知られる島朗九段のこと。

ただ、田丸九段は決して島九段のことを指していたわけではなくて、「引退しちゃたんだけど、滝さん(滝誠一郎八段、2013年に引退)」だということでした。

田丸九段、いろいろ話していただき、ありがとうございました。

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