NHK杯、高野秀行六段が「子どもたちに頑張っている姿を」と意気込むも澤田真吾六段に敗れる

私(管理人)は将棋を見始めてまだ1年と数ヶ月でして、未だに初めて拝見するという棋士も多いです。

2015年4月19日放送のNHK杯テレビ将棋トーナメントは、1回戦第3局の▲澤田真吾六段VS△高野秀行六段という一戦。(正確には高の字は髙で、「髙野秀行」が正しいですが機種依存ですので高と表記します)

澤田六段は、17歳でプロ入りし、前期に順位戦B級2組に昇級したほか、前年には竜王戦で2期連続昇級をするなど好調で期待の若手。

一方の高野秀行六段は、申し訳ないのですが私は初めて拝見する棋士であり、その分、注目してみました。なんでも奨励会に13年在籍し、25歳でプロ入りした苦労人なんだとか。現在42歳です。

子どもたちに頑張っている姿を

高野六段は、対局前のインタビューで「(予選で)3連勝できると思っていなくてびっくりしました」と、予選を勝ち抜いた時の気持ちを朗らかなお顔で語りました。そして「久しぶりの本戦だが、自分で子供の教室を始めてから、初めて出させていただいた。子どもたちに『先生も頑張ってるんだな』っていう姿を見せられたらなって」と話していました。

司会・聞き手の清水市代女流六段によれば、高野六段はこの4月から大学の教壇に立たれているとのこと。どこの大学かは言及がありませんでしたが、この毎日新聞の記事によれば、国学院大学のようで、「和と心・技・体(将棋と日本文化)」という講座で将棋の礼儀作法などを教えるようです。

解説の野月浩貴七段によれば、高野六段は「(そのような教科書がないので)教材づくりに追われているらしい。将棋のルーツや歴史に詳しいのでうってつけ」とのことでした。

工夫して

戦型は角換わりの相腰掛け銀に。

後手の高野六段から仕掛け、50手目には直前の▲4五歩を無視して△6六歩と工夫を見せました。野月七段は「どちらかと言うと非常に珍しい。攻めの手」とこの手を解説。野月七段は高野六段について「バランスをとって重厚な将棋。じっくりと攻める」棋風だと話していましたが、この日は子どもたち頑張る姿を見せたいという思いからか、攻めに出ました。

kifu20150419_50手

高野六段は感想戦で、この手について「やりたかった手」だと話しました。またこの手の評価については自ら「作戦失敗してますね。工夫して間違えちゃいました」と自虐的に話していました。ただ、実際は難しかったようですが。とにかく、この手を堺に戦局は一気に激しくなりました。

受けが効かず

野月七段は澤田六段の攻めについて「厳しく踏み込むんですが、タイミングや踏み込み方が他の棋士とは違って独特。あとで見ると感心する手が多い」と評価。

澤田六段は、57手目の▲4六角で主導権を握り、67手目▲2八飛で一気に高野玉に迫りました。

kifu20150419_67手

高野六段としてはここが腕の見せどころ。野月七段も「子どもたち高野流のしのぎを」と解説しましたが、この後は一気に寄せられてしまい、力を出せぬまま85手で投了となりました。

詳しい棋譜は、NHK杯のホームページでご覧ください。

感想戦では、本譜の順より粘れる、あるいは入玉できる変化も調べられました。

辛い感想戦

終局後、高野六段は「いやー、あんなに簡単に寄っちゃうとは思わなかったですね。厳しかったですね」と澤田六段の攻めを振り返っていました。

そして、短手数で終わったこともあり、初手から22分という、NHK杯としてはとても長い感想戦が始まりました。

「子どもたち頑張っている姿を」と意気込んだものの、この日は力を出せずに、見ている私もちょっと辛いものがありましたが、そんななかでも若い澤田六段相手にハキハキとした声、謙虚な態度で感想戦をこなした高野六段。

将棋としては、終盤一方的な展開になってしまったように見えた一局でしたが、そのお人柄は十分に伝わったのではないでしょうか。来年は子どもたちにかっこいい姿を。

以上、ありがとうございました。

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