先崎学九段の順位戦B級1組昇級「喜びの声」が味わい深い。「三杯目のコーヒー」の意味とは。将棋世界に掲載

将棋専門誌「将棋世界」の2015年5月号には、順位戦昇級者の「喜びの声」が掲載されているのですが、10年ぶりの順位戦B級1組昇級となった先崎学九段の「喜びの声」が大変味わい深いものでした。

詳しくは将棋世界をご購入いただきたいと思いますが、少しだけご紹介したいと思います。

三杯目のコーヒー

「昇級者喜びの声」は、昇級者自らが、それぞれ1200字程度で自由に喜びの文章を書くスタイルのコーナー。

そのなかで、先崎九段の文章のタイトルは「三杯目のコーヒー」。ここからしてユニーク。

ちなみに同じくB1に昇級した稲葉陽七段のタイトルは「自然体」、B2昇級の菅井竜也六段は「今期を振り返って」、同じくB2昇級の澤田真吾六段は「辛抱強く」、C1昇級の横山泰明六段は「12年目の昇級」、同じくC1昇級の千田翔太五段は「淡々と」、同じくC1昇級の村田顕弘五段は「7年半の収穫」という、それぞれの棋士らしいタイトルですが、やっぱり「三杯目のコーヒー」は異彩を放ちます。

喫茶店で

先崎九段の「喜びの声」は、順位戦最終日の翌日、先崎九段が喫茶店に入るシーンから始まります。まるで小説のような出だし。

その喫茶店で先崎九段はコーヒーを「二杯」注文。

そしてこう言います。

「すぐ三杯目を頼むと思う」

A級とB1に、私より先輩は・・・

先崎九段は喫茶店でコーヒーを飲みながら、順位戦を振り返ります。

今期は「気が付くと」成績が良く、しかし9戦目の糸谷哲郎竜王には「一から十までひどい一局」で完敗。こんな将棋で昇級できるのか。

ところが最終戦を前に、星取表を眺め、あることに気付く先崎九段。

A級とB1で私より先輩は谷川さんしかいないではないか

これで逆に気が楽になり、自力昇級がかかる最終局の一番を迎えたという。

三杯目のコーヒーを飲みながら

先崎九段は喫茶店で、三杯目のコーヒーを飲みながら、携帯電話を開きます。そこには

山のようなお祝いメールの嵐
棋士仲間からのものが存外に多くびっくり

これには

まわりの人が喜んでくれるのが嬉しいという感覚は、
ギラギラしていたころは薄かったなあ

と、なんとも先崎九段らしい感想。この一文から、本当に嬉しさが伝わってきます。

本当に嬉しいよ

この「喜びの声」の最後には、「本当に嬉しいよ」と率直な言葉が。まさに喜びの声。

ぜひ将棋世界で読んでいただきたいのですが、本当に美しい文章。

元から持っておられた才能に加えて、これまでの経験がにじみ出ているような気がします。

ところで、「すぐ三杯目を頼むと思う」と言った時から、実際に三杯目を飲むまではどれぐらいの時間がかかったのでしょうか。

先崎学九段、順位戦昇級・降級履歴

1987年 四段昇段でC級2組に
1995年度 8年間の苦労の末、C級1組に昇級
1997年度 B級2組に昇級
1998年度 B級1組に昇級
1999年度 A級に昇級 3期連続の昇級
2001年度 B級1組に降級
2005年度 B級2組に降級
2014年度 B級1組に昇級 3度目のB級1組

三杯目のコーヒーはどのぐらいうまいでしょうか。

最後に、なんとなく、先日自ら主催したお花見で仲間に囲まれる先崎九段を掲載します。

以上、ありがとうございました。

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