人間関係における「三手の読み」

日本将棋用語事典によれば、将棋における「三手の読み」とは、

読みの基本的な考え方で、「自分がこう指す。すると相手はこう指してくる。そこでこちらはこう指す」というように、三手先まで読んで次の一手を指すこと。故原田泰夫九段の言葉

ですが、これが普段の生活にも応用できる事例をご紹介します。

人間関係三手の読み理論

2015年11月20日の第28期竜王戦第4局2日目のニコニコ生放送では、解説の森下卓九段に以下のリレー質問がありました。

愛妻家で知られている森下九段ですが、夫婦喧嘩をなさることはありますか?

こういう何気ない質問が、解説者としての腕の見せ所(?)。

この質問に、森下九段が以下のように答えてくれました。聞き手は貞升南女流初段です。

研究をしました

森下九段「結婚して18年になるんですよ。当初はなかなか大変でした。でも最近は、事前に手を打って、争いに持ち込まないように」

貞升女流「あ、そういうことができるんですか」

森下九段「だんだん、私も足りないながら知恵がついてきまして」

貞升女流「さすが、読みが深いですね」

森下九段「研究をしまして。こういう応対にはこうしておこうと。できるだけ争いにならないように」

貞升女流「先受けが大事なんですね

森下九段「手を殺しあっている局面ですね。自分が指したい手を指すんじゃなくて、相手がどうくるかを(考える)」

「手を殺す」は、相手がやりたいであろう手を、先に読んでそれをさせなくする手を指す、というような意味。ここでは森下九段としては、相手に攻撃されないように、先に読んで対応しておく、という感じでしょうか。

相手を研究しておかないと、できないことです。

一番大事なのは2手目

ここで「三手の読み」が出てきます。

森下九段「よく原田泰夫先生が『三手の読み』って言っていますよね。こう指す、こう来る、そこでこう指すっていうことなんですけど。2手目が一番大事なんですよ

貞升女流「おお、2手目が大事なんですね」

森下九段「相手がどう来るか、っていうことなんですね。2手目を自分の都合のいいように読むのを『勝手読み』っていうんですよね。自分勝手な読みということで」

貞升女流「ああ、将棋でも勝手読みしてしまいますよね」

森下九段「ついつい、勝手読みしちゃうんですけども。そこで、2手目で自分にとって一番不利な変化は何かなと読むのが、実は『三手の読み』の一番大事なところなんですね」

貞升女流「そういうのは、いろいろなところに応用できるんですね。将棋だけじゃなく」

2手目が一番大事!

そうか、そういうことだったんですか、三手の読みって。なんとなく意味は知っていましたが、2手目が一番大事というのは深い意味があります。

今更ですが、勉強になりました。ありがとうございます。

疲れていると読めない

森下九段は注意点も教えてくれました。

森下九段「ただですね、疲れている時とか、イライラしている時は三手の読みを忘れちゃうんですよ。一手の読みになっちゃうんです」

貞升女流「そうですよね」

森下九段「そういう時は、揉めますね」

疲れている時は読みが雑になってしまう。夫婦喧嘩の話なのか、将棋の話なのか、わからなくなってくる。

森下九段「疲れている時とかイライラしている時は、相手の指し手に対してパッとやってしまって、大悪手。ありますね」

貞升女流「あはは(笑)。いやーすごい。大変参考になりました。ありがとうございました」

これは夫婦関係に限らず人間関係全般の話だと、受け止めました。

疲れている時、イライラしている時こそ、落ち着いて読むことが大事という。わかっているつもりなんですが、実際は難しい。できる人が羨ましいです。

森下九段、貞升女流、将棋の勉強にも人間関係の勉強にもなるお話を、ありがとうございました。

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コメント

  1. 観る将リーマン より:

    相手がどう出るかを考えて先に手を打つ「三手の読み」

    これは、家庭関係だけでなく、社会に置いてこそ、役立つ読みだと管理人さんの考察を聞いて感心しました。

    上司との関係
    お客との関係
    部下との関係

    すべてに利用できると思います。
    将棋を学ぶ効果で一番人生に生かせる格言じゃないですかね。

    • 管理人 管理人 より:

      コメントありがとうございます。

      リーマン様からのサラリーマン視点のご意見ありがとうございます。そうですね、家庭、社会、それに友人とか恋人、外交とかでも、何でも通じるかと思います。
      私の経験から言えば、社会ではお客(取引先)との関係で最も重要だと思いました。かなり読みで解決できる部分も多いですし、社内に読めない奴がいると仕事ができない奴だと思われる、というのもなんとなく共通しているかと。

      そもそも読みは将棋で必ず必要なことですから、それを日常生活に活かさない手はないと思いますね。コメントありがとうございます。

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