斎藤慎太郎五段がAperyとの事前対局でこだわった点と、そこから得たもの。将棋電王戦FINAL第1局

2015年3月14日に行われた将棋電王戦FINAL第1局(▲プロ棋士・斎藤慎太郎五段VS△コンピュータソフト・Apery)では、斎藤慎太郎五段が事前にどの程度準備してきたのかが注目されました。

この将棋電王戦FINALでは事前に本番のソフトがプロ棋士に貸し出され、プロ棋士は練習対局をすることができます。したがって、いかに練習し準備してきたかが、勝敗に直結します。

話題になる練習量

前回の第3回電王戦でも、事前にソフトは貸し出されました。

そして豊島将之七段(VSコンピュータソフト・YSS)がプロ棋士唯一の勝利をあげた際、事前に「1000局はいかないが、3桁」練習対局をしたと発言。

この練習量の多さとともに、コンピュータソフトに勝利するためにはそれほどまでに練習する必要があるのかと反響を呼びました。一方、同棋戦の佐藤紳哉六段(VSやねうら王)は40局程度しか練習しなかった(結果は敗戦)ということで、比較されてしまいました。

斎藤慎太郎五段のこだわり

斎藤慎太郎五段は、この電王戦FINALの第1局を完勝。そして終局後の記者会見で、記者からの質問によって事前練習量が明かされました。

斎藤五段は練習量に対する質問に対し「その前に、前提として序盤で有利になりたいという気持ちがあって。序盤を集中的に指していた」と前置きし、「そういう意味で、1局を通して指した将棋は100、200程度に過ぎない」と述べました。

序盤のデータ収集

ただし、斎藤五段は「序盤の30手、40手までという棋譜のデータは4、500までとりました」と発言。このなかには、自分とAperyとの対局だけではなく、他のコンピュータソフトとAperyの対局などもあるそうで、斎藤五段は「データ収集にこだわった」ということです。

つまり4、500という数字は斎藤五段自身が指した局だけでの数字ではなく、他のソフトとAperyの対局を含めたデータ収集に費やした数字ということで、豊島将之七段とは単純に比較はできませんが、やはり相当量の事前準備があっての勝利だということが言えそうです。

頷くApery開発者・平岡拓也さん

この斎藤五段の「データ収集にこだわった」という発言のとき、記者会見で隣に座っていたApery開発者の平岡拓也さんは、なにか頷いているように見えました。データ収集され解析されたのが不満だったのか、それとも驚きだったのか、納得の頷きだったのかはわかりません。

斎藤五段は「終盤まで指したのは100局あるかどうかなので。(上記のような)こだわりを持って練習してきました」と話していました。

練習対局から得られたもの

記者からは斎藤五段に対し、この膨大な練習によって他の対局への影響はあったのか、と質問がありました。

コンピュータは人間とは感覚が違いすぎて、それに慣れすぎると逆に人間との対局では悪い影響が出てしまうという話もあります。

斎藤五段はその質問に対し「(Aperyに)指されて驚く手は様々あったが、それを自分で指すというところまではいかなかった」と発言。ただ、やはり「思いもよらない手は多く出てきた」ようで、「そういう意味では、将棋というのはそんなに狭いものではない」「自分は居飛車ばかり指してきて、少し狭い将棋に偏ることも多かった」と述べました。

そしてそれを踏まえて

「序盤はどう指しても難しくなる、という風に語りかけられているように感じて。気持ちも変わりましたし。将棋に対しても、すごく面白いなって思わせられた」

と結びました。

これからに期待

視聴者からのコメントにも多くありましたが、斎藤慎太郎五段は21歳とは思えぬ、さわやかさ、イケメンぶり、そして礼儀正しく、上記のようにコメントもすばらしい青年。

非の打ち所のないような男に見えました。これからの成長が楽しみです。

そして彼のコメントからも、将棋はまだまだ序盤に鉱脈が眠っており、まだまだ奥が深く、研究が必要なゲームなのだと感じました。

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