佐藤天彦八段、第63期王座戦の挑戦者に。タイトル初挑戦で羽生善治王座に挑む

2015年7月12日の第63期王座戦挑戦者決定戦、▲豊島将之七段VS△佐藤天彦八段は、後手の佐藤八段が124手で勝利。

佐藤八段にとっては初のタイトル戦進出となりました。豊島七段は前期に続く挑戦はならず。

この2人は今年4月の第86期棋聖戦の挑戦者決定戦でも対局していて、その時は豊島七段が勝利していましたが、借りを返した形になりました。

詳しい棋譜と解説は王座戦中継サイトでご確認下さい。

予想外の序盤

先手の豊島七段が3手目に予想外の▲6六歩。これに対し、後手の佐藤天彦八段はさらに予想外の△3二飛と三間飛車を採用。

kifu20150721-4手

「予想外」と書きましたが、棋譜コメントによると、この形は佐藤八段がたまに採用する形であるとのこと。

その後の7手目、▲7八銀。

kifu20150721-7手

この手でもう前例がなかったようです。有望な若手同士の対局でこういう序盤が見れるとは嬉しい。とても意欲的に見えます。

後手が仕掛ける

16手目。後手から動きます。

kifu20150721-16手

▲同歩 △同飛のあと、5四の歩を守るために先手は▲6七銀。

それに対し、後手は1時間40分の長考。そして突然の開戦。

kifu20150721-20手

この間お昼休みを挟んでいるため、佐藤八段は2時間半ほど考慮したことになります。

角を交換し、馬を作りにかかります。

kifu20150721-26手

後手は馬を作り、先手は陣形を盛り上げます。再び駒組みに。

kifu20150721-49手

これでバランスがとれているのか。一見、後手が指しやすそうに見えます。

今度は先手が仕掛ける

まだ陣形整備が続くかと思いきや、今度は先手から開戦。

kifu20150721-51手

先手の飛車はまったく攻めには働きませんが、ゆっくりしているとまずいと思ったのでしょうか。

しかし、この攻めはやはり無理があったようで、糸谷哲郎竜王はこの数手後に後手持ちだと発言しています。

先手も馬を作り、後手は逆襲の体制を築く。

kifu20150721-64手

局地戦に

お互いの玉が接近し、熾烈な局地戦。

kifu20150721-74手

豊島七段の地元関西では、一時先手が盛り返したのではないかとも。

以下の局面、後手が入玉を狙うなら△8八桂成ですが、実際は△8三金。

kifu20150721-79手

このあたりは少しややこしくなったようですが、後手が徐々に差を広げていったようです。

初のタイトル戦へ

後手は中央からも進撃し、先手玉を追い詰めます。

後手が勝勢となり、この数手後に検討は打ち切られることに。

kifu20150721-101手

以下の局面で先手の豊島七段が投了。

kifu20150721-124手

意外な出だしからまず後手が仕掛け、いったん落ち着いたものの今後は先手が強引に突破を試みる、という展開。

途中からは差がついてしまったようですが、午前中から前例がない局面に突入し楽しめた挑戦者決定戦ではなかったでしょうか。

両者、お疲れ様でした。

若手の挑戦が続く

王座戦は、一昨年の中村太地六段、昨年の豊島将之七段と若手の有望株が挑戦してきましたが、いずれも羽生善治王座が3-2のスコアで退けてきました。

若手があと一歩届かない王座。羽生王座は王位戦でも20代の広瀬章人八段の挑戦を受け、まず1勝をあげています。今期は、豊島七段が挑戦した棋聖戦から、若手の挑戦を受ける機会が続きます。

今回名乗りを上げた佐藤八段は、今期に入り16勝3敗(勝率.842)という圧倒的な成績。今期から参戦したA級順位戦でも佐藤康光九段、広瀬八段を破って好調。楽しみなタイトル戦になりました。

しかも、王座戦は持ち時間が5時間と絶妙で、ちょうど夜のゴールデンタイムから夜遅くにかけて対局がクライマックスを迎えます。ニコニコ生放送で中継されると思いますので、今年も盛り上がりそうです。

第63期王座戦5番勝負第1局は、9月2日に横浜の横浜ロイヤルパークホテルで行われます。

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