王将戦第6局、大悪手▲2九銀に大悪手△同玉で決着。郷田真隆九段、渡辺明王将が両者うっかり

2015年3月19・20日に行われた第64期王将戦7番勝負第6局は、149手で先手の挑戦者・郷田真隆九段が後手・渡辺明王将に勝利。これでこのシリーズはフルセットに持ち込まれました。

この対局で話題となったのが、大詰めで秒読みとなってから指された先手の145手目▲2九銀、そして次の△同玉の手順。

これが大悪手の連続だった模様で、複数の棋士がツイッターで言及しています。

なお、対局全体については以下の記事を御覧ください。

王将戦、郷田真隆九段が原野商法に騙されるも辛勝

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入玉模様の終盤戦

後手の渡辺明王将が入玉模様となった終盤戦。

144手目に渡辺王将が△4六桂と銀取りに桂を打ちました。後手は3七の桂も含め、2枚の桂で玉を守る格好に。

その手に対し、ニコニコ生放送で解説していた田中寅彦九段は「驚いたねぇ、なんだこれは」と発言。しかしこの驚きはまだまだ序章。

局後の感想戦では、ここで先手が▲2八飛△1七玉▲3七銀と詰めろをかければ明快だったとされています。
しかし本譜はここで、郷田九段が▲2九銀と、銀をかわして玉に当てる手を選択。しかし、これでは△同桂成がぴったりです。

▲2九銀は解読不明、意味不明

ニコニコ生放送で聞き手をしていた竹部さゆり女流三段はこの手に「うおおおおお??なんでしょう」と発言。田中寅彦九段はしばらく沈黙した上、「これは相当もう、解読不明、意味不明。△同桂成でお手伝いさんもいいとこです」と述べました。

この▲2九銀は、後手玉を守る2枚の桂のうち1枚からの利きからは外れたものの、もう一枚の桂の利きがちょうど当たる位置。

△2九同桂とされて、先手は銀が取られるうえに、成桂で固くなる後手玉に寄せがなくなるはずでした。

竹部さゆり女流三段は「確かに△同桂成しか見せませんね」、田中九段は「(郷田九段の)負けなんだよね。(郷田九段が勝つ筋は何も)ありません」とし、あまりの驚きで「なんだこれは。ええっ?」とも述べました。

△同玉で悪手合戦に

しかし、この▲2九銀に対し、後手の渡辺明王将は△同玉としました。△同桂ではなく△同玉。

この手を見た田中九段は「あら!!何でえ!!?何でえ!!?何でえ!!?一手ずつが何で何での連発銃で申し訳ないけど。△同桂成は何が起こっていたの?」と発言、竹部女流三段も「うおおおお」と発言しました。

この悪手の連続ともとれる終盤戦に、ニコニコ生放送の画面には「何があったのか」「謎だらけ」「悪手合戦」「お互いに藤井先生が乗り移ってる?」などというコメントが流れました。

両者うっかり

結局、この手順が決め手となり、先手の149手目を見て渡辺明王将は投了。

直後のインタビューでこの手順を指摘されると・・・。

渡辺はきょとんとした表情に。
郷田が「あっ」という表情で頭に手をやり
渡辺も「あっそうか」と苦笑い
(棋譜コメント)

なんとなんと、両者ともこの△2九同桂をうっかりしていたというのです。

棋士たちも驚きのツイート

この手順に棋士の方々も驚きのツイートをしています。まずは藤森哲也四段。

勝又清和六段は「両者のうっかり」と推測。

大平武洋五段も「何かの間違いとしか思えない」と驚く。

ネット中継記者の銀杏さんも。

香川愛生女流王将も。

そして、田中寅彦九段は「両者の疲労の限界を感じた」とツイートしています。

目が離せない逆転に次ぐ逆転の終盤戦。両者秒読みの中、郷田九段の大悪手に渡辺王将が大悪手で返した格好となりました。

第64期王将戦7番勝負第7局は3月26・27日、青森県の「弘前市民会館」で行われます。

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コメント

  1. やったか? より:

    毎日、タイムリーな記事の掲載ありがとうございます。
    渡辺王将の144手目は、「△4六銀」ではなく「△4六桂」だと思います。

    それはさておき、タイトル戦という頂上決戦においてさえこのようなことが起こってしまうところが、死力を尽くして戦う人間の将棋の魅力の一つなのかなと思いました。
    本日は両対局者ともおやつはあっさりめでしたが、この展開を思えば、もっとガッツリ食べて栄養補給しておけばよかったんでしょうかね。昼食で天ぷらうどんよりも比較的ボリュームのあるステーキ丼を選択したのが、郷田九段がわずかに競り勝つ要因だったんでしょうか。
    そう考えると、鰻を選択したタナトラ先生は年の功ですね。

    • 管理人 管理人 より:

      コメントありがとうございます。
      そして、度々のご指摘ありがとうございます。

      まるで文章を校正していただいているようで申し訳ありません。

      △4六桂でした。次の「銀取り」の銀が先に来て△4六銀と書いてしまいました。
      もう何度かやってるんですが、また気をつけます。

      本当に、タイトル戦でもこのようなことがあるのかということが起こり、それがただ棋力やレベルの高い棋譜
      だけを追うのではない、将棋の魅力なんだと思います。

      また両者の食事やおやつからいろいろ考えるのも楽しみの一つですよね。
      森内九段のカレーとか、定跡化されているのもありますし。

      田中九段の終盤は、食事の効果かわかりませんがとにかくすごい面白かったです。
      将棋も逆転に次ぐ逆転だったのですが、それを盛り上げたのも田中九段の功績でした。

      コメントありがとうございました。

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