「ものの歩」第8話。相楽十歩は「友達をなくす手」を指した

週刊少年ジャンプの漫画「ものの歩」の第8話です。

将棋シェアハウス漫画だったはずなのですが、主人公の信歩が大会に出場中ということで、最近シェアハウス要素は薄めです。

前回のあらすじは以下の記事で。

「ものの歩」第7話。2モリシタの新キャラ登場。信歩は13手詰を読む

今回は、大会の2回戦。前回現れた高校生プロゲーマー・相楽十歩が相手です。

人物紹介

相楽十歩は1、2話で終わる雑魚キャラかと思っていましたが、どうやら3話以上にわたって登場するようですので、ここで人物紹介をしておきます。

相楽十歩(さがら じっぽ)

高校生プロゲーマー、Jippo。カメラ付きのヘッドセットを着用しフードをかぶっている。ゲームの攻略が得意で数々のゲームの新戦法やハメ技を開発してきたようだ。その様子を生配信している。人の頭より一回り大きいサイズの牛のぬいぐるみを携帯している。将棋界でぬいぐるみ好きといえば渡辺明棋王だが、容姿はかなり違う。相楽はミディアムヘアで、眼鏡はかけていない。髪を染めているようだ(モノクロの漫画なので何色かはわからない。ただ、次号はセンターカラーのようなのでそこでわかると思います)。将棋を始めて1ヶ月だというが初出場の大会で優勝候補のおっさんを破った。常に笑顔。左利き(アルベルト)。

あらすじ

信歩は、2回戦で相楽と対戦する。

相楽は1回戦の対局中にスマホをいじっていたために、ソフト指しの容疑をかけられる。が、実はスマホ3台を使ってネットでも対局(「将棋ウォーズ」だと思われる)していたことが判明する。4面指しである。しかもすべての対局で勝利している。

相楽の好きな駒は「歩」。理由は「弱いし一杯いるからすぐ捨てられるし。便利な駒だよね」ということ。なかなか核心を突いている。

また、相楽は将棋を「よく出来たゲーム」と評価。ゲーム(テレビゲームとかスマホゲームとかのこと)だったらすぐに攻略法が見つかって「調整が入る」が、将棋は「400年前からルールが変わらず未だに最強戦術も見つかっていない」ために「攻略しがいがある」と言う。

対局は相矢倉模様の出だしから後手の相楽が早々に仕掛け、力戦へ(局面図は後述)。

相楽は飛車を5筋へ転回し攻める。盤面を広く見る能力に長けているようだ。広角思考力(ファンネルマインダー)というらしい。

信歩は相楽の対局中の様子を見て「笑顔なのに何故かちっとも楽しそうじゃない」と余計なことを考える。相楽は幼い頃、友達とゲームで遊んでいたが勝ちすぎて、友達を失った経験があるらしい(詳しくは後述)。それ以来ゲームは楽しくないが、自分の才能が発揮できるプロゲーマーをやっているようだ。

この回の終盤で、相楽は敵陣に歩を垂らす。相楽にとっては信歩に「遊ぼうよ」と打診した手だ。

対局の流れ

▲信歩vs△相楽は、相矢倉模様から以下の局面に。

mononofu8-1

ここで相楽が「遊ぼうよ」と打診する一手。△5七歩。

mononofu8-2

先手の対応は普通▲同角でしょうか。ただ▲同角だと、後手の飛車が先手の角に間接的に当たったり、後で後手の銀が△5六銀や△6六銀と進出してきた時に先手の角に当たりやすかったりして、とにかく先手の角が不安定で、後手が攻めの主導権を握る展開にはなりそうです。

そこで信歩が選んだのはこの歩を無視する手。

mononofu8-3

▲1五銀。棒銀です。ただ、先程の△5七角で先手の角道が止められていて、角がすぐには攻撃に参加できないのが不安材料。いいタイミングで▲5七角と取れれば、というところかと思います。

我が家のAperyさんによれば、この局面はまだ互角のようで、勝負はこれからです。

桂司はこの展開に「こりゃ大乱戦になるぞ」と見解を述べています。

友達をなくす手

この話の途中で、相楽の子供の頃の回想シーンがありました。相楽が友達とゲームをやっていたのですが、勝ちすぎてしまったために友達が帰ってしまうシーンです。

将棋では、優勢~勝勢の局面において、ダメ押しで相手の攻撃の目を残らず摘み取るような指し手のことを「友達をなくす手」と言ったりします。

サッカーでいうと10対0で勝っている時に守備を固めるみたいな感じだと思います。勝ちへのこだわりが見られ、真剣勝負ならそういう戦い方も評価されますが、友達と遊びでゲームをやってて「友達をなくす手」をやってしまったらリアルに友達をなくす危険もあります。

成長するか

将棋においては、形勢に差がついた時点で一直線に勝利に向かうとか、鮮やかな勝ち方を目指すとかすれば「友達をなくす手」とは言われないと思います。

おそらくテレビゲーム等においても同じようなことが言えるはず。

しかし相楽は子供の頃、友達をなくすようなゲームの勝ち方をやってしまったのだと考えられます。回想シーンでは相楽の友達が「絶対勝てねーし面白くねーもん」と言っています。そして本当に友達を失ったと。

そもそも対戦ゲームや将棋は相手があってのものですので、勝利にこだわるのもいいですが、対局姿勢や勝ち方によって相手を思いやることが必要だということがいえます。

相楽は友達に「面白くねーもん」と言われるような勝ち方をしてしまった。ということは、この後彼が改心することがあれば(少年漫画なので)、「友達をなくさないためにはどうすればいいか」ということを身をもって全国の少年少女に教えてあげるようなキャラクターに成長するかもしれません。

彼の今後に期待したいと思います。

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