「ものの歩」第25話。岬が前代未聞の「ありがとう投了」

週刊少年ジャンプの漫画「ものの歩」の第25話です。

ネットで将棋を指していると、もう明らかに負けが決まっている状況で時間切れまで投了しない人がたまにいらっしゃいますが、それはマナー違反や意地悪ではなくて、本当に悔しくて投了できない、ということなのかもしれません。それにネット将棋だと相手が誰なのかわかりません。もしかしたら有村架純さんかもしれません。

さて、前回は団体戦準決勝の信歩vs岬の終盤戦。岬玉に詰みがある状況。

「ものの歩」第24話。岬が泥臭く粘り入玉目前に。詰みはあるのか

これまでのあらすじは以下の記事で。

将棋漫画「ものの歩」これまでのあらすじ

今回は信歩vs岬の最終盤からです。

あらすじ

信歩の勝ちは決定的となった。

20160316-10手

(後手の信歩から見た図。前回示した信歩の△5一桂から。いろいろあって先手は▲4二玉と逃げ、後手が△7二飛と打ったところ。最初に記事をリリースした時、図面の一部が間違っていました。お詫びして訂正いたします)

簡単な詰みだが、先手は合駒で抵抗する。

20160316-11手

残り時間は岬が1分32秒。信歩はここで慎重に考えて、残り時間は1分を切る。

残り15秒となったところで△4三金を着手。

20160316-12手

岬は「一度決めたことだ 投了はできない」ということで、なんと時間切れまで待ち「負けました」の代わりに「ありがとう」と言って、事実上の投了。

この結果、決勝に進出したのは竜胆と信歩の千賀高校となった。信歩は宣言通り、竜胆を決勝まで連れて行った。蒼馬がいる将和高校との決勝となる。

岬は最後に自分の美学を捨てた。後輩たちはそれに理解を示し、涙した。岬も涙した。

一方、対局で喉が乾いた信歩は、みなとから飲みかけの炭酸ジュースをもらって喉を潤した。その様子を見た能塚さんは、信歩とみなとが交際しているのではないかと疑いをかける。能塚さんは以前信歩に暗に告白した同じクラスの女子。能塚さんの疑いに、みなとは「一緒に住んでるだけよ」と答えた。

場面は変わり、信歩はトイレで、将和高校の部長と出くわす。部長は信歩を「いい寄せだったよ」と褒めるが、これは嫌味だった。この部長には奨励会入会試験で落ちた過去があった。部長は信歩に向って「君は絶対にプロにはなれない」と言い放った。

時間を使う

今回、終局直前、信歩の勝利が揺らがなくなった状況で、対局者の二人はそれぞれの思いで持ち時間を使いました。

岬は駒江第一高校将棋部部員としていられる時間を「1秒でも長くする」ために。そして「投了しない」という信念のため。

信歩は「本当に簡単な5手詰か? 絶対に見落としはないか?」と考えて。

もう勝敗が決してしまった後に、持ち時間を使うというのはプロでもあることのようです。

負けている側は、気持ちを整理するため、という理由もあると聞いたことがあります。タイトル戦だと2日制の対局もありますが、となると2日間かけてやってきたことが「投了」の瞬間に無になるというか、そういう気持ちなんでしょうか。我々も「2日間集中して作ったレポートのデータが手違いで消えてしまった」のような事態に直面すれば、なんとかしてデータを回復できないかと絶望の中で考え、諦めるまで時間がかかると思います。

また、勝っている側においても、簡単な詰みであっても考えることがあるようです。それは本当に見落としがないかという最終確認。「これで相手を詰ませなければ自分が詰まされる」という状況は将棋ではよくありますし、本局もそうです。

ただ、私個人の事を振り返ってみれば、学生時代のテストではよく持ち時間を残して退室、あるいは睡眠していました。慎重になることを覚えたのは大人になってから。子供の頃から将棋をやっていれば、もうちょっとテストでマシな点数を取っていたかもしれません。

みなとvs能塚再び

信歩をめぐる、みなとと能塚のバトル。

17話では、みなとが信歩に「誰あの女?」と尋ねて牽制しています。

「ものの歩」第17話。ジャンケンでグーしか出せない信歩。彼をめぐる女子たちの青春

今回の話では、みなとが能塚に「信歩と一緒に住んでいる」と言います。能塚はそれを聞いて「二人が同棲している」と捉え震え上がります。

真剣過ぎるキャラたち

以前にも書きましたが、高校生が「将棋のプロを目指している」とわかったら、それは絶望的な夢だとわかっていても温かい気持ちで応援してあげるというのが人情というものです。

今回の話では将和高校の部長が「君は絶対にプロにはなれない」と信歩に言っちゃっています。高校生で、まだ精神的に未発達だからそんなこと言っちゃうのか、それとも本気で信歩のことを心配して言っているのか、それとも将棋指しならではの「相手の悪手を咎める」という特性なのか。

他のキャラも信歩が「プロになる」と言うと一様にそれを咎めるような発言をしています。しかし信歩が本気なのを見て、みんな応援する立場に変わっていくというパターンです。

高校生のみなさんにはわからないかもしれませんが、大人になるとわかるのですが、夢とは本当に美しいものです。

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コメント

  1. もり君 より:

    25話の持ち駒が間違っています。
    金金歩3ではなくて、角金歩3です。
    先後の金と角が入れ替わって居ます。
    確認してみて下さい。

    • 管理人 管理人 より:

      ご指摘ありがとうございます。確認しました。確かにそうでした。修正致しました。
      ありがとうございます。

  2. あっしー より:

    ありが投了

    • 管理人 管理人 より:

      ありがとうございます。自分も思いつきましたが、なんとか、思いとどまりました。

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