「ものの歩」第17話。ジャンケンでグーしか出せない信歩。彼をめぐる女子たちの青春

週刊少年ジャンプで連載中の将棋漫画「ものの歩」の第17話です。

私は最近この漫画がどのような読者を対象にしたものであるか、考える機会がありました。

4年前のデータですが、雑誌広告ドットコムには、週刊少年ジャンプの読者のデータがあります。年齢層は10歳~15歳が63%を占め、10歳未満は5.1%、16歳以上は31.9%。男女比はほぼ8:2のようです。

男女比はいいとして、年齢層は思ったより低いな、と思いました。他誌と比べても低いそうです。13、4歳が最も多いゾーンでしょうか。中学2年生ぐらいですね。

前回のあらすじは以下の記事で。

「ものの歩」第16話。信歩は相楽十歩にハメられたのか。都大会準決勝でまさかの再戦へ

今回は都大会二回戦です。

あらすじ

二回戦を前にして、また思わぬ人物が会場に現れる。

第12話でも出てきたクラスの女子のめがねっ子だ。この女子の名前は能塚(のづか)だとわかる。能塚とともに、シェアハウス住人で奨励会員のみなとも現れる。

竜胆はみなとに、二回戦の対戦相手の棋譜の入手を依頼する。みなとはその依頼を先回りしていた。竜胆に棋譜を渡す。信歩の二回戦の相手はどんな戦型でも指すオールラウンダータイプだとわかる。

二回戦の対局が開始される。相手のオールラウンダーは、信歩が矢倉が得意なのを知って振り飛車(四間飛車)にする。

20160118-8手

信歩はそれでも矢倉を採用する。

将棋の戦型の相性については、みなと曰く「将棋の戦法にはジャンケンのような相性があって、信歩はグー(矢倉)が得意なんだけど、相手は先にパー(四間飛車)を出してきた。普通ならパーとかチョキに変えるんだけど、信歩はグーしか出せないの」である。

相手のオールラウンダーは信歩の矢倉を見て勝利を確信するが、信歩にとっては矢倉vs振り飛車も何千回と練習してきた自分の土俵だった。

信歩はオールラウンダー君に勝利。千賀高校はあと1つ勝てば準決勝。

次号、相楽十歩(鎌谷商業)と岬(駒江第一)が大増23Pで激突する。千賀高校が勝ち進めは、いずれかの高校と対戦することになるはず。

みなとvs能塚

信歩と能塚は、第12話で会話を交わしています。

信歩は、相楽との対局をネットで観ていた相楽ファンのクラスの女子に「高良君もカッコよかったわね」と暗に告白される。が、信歩は読みが浅く「あ、ありがとうございます」と悪手で返す。

詳しくは第12話の記事を参照。

「ものの歩」第12話。百合峰蒼馬の周りは風が吹いている。香月は2週連続の優しさ

能塚は「十歩ファンを騙りつつ本命は信歩」ということで間違いないと思いますが、みなとも信歩が好きなようです。2人が会場で信歩と出会うシーン。

みなと「ちょっと高良君? 会場と時間ぐらい教えてくれてもよかったんじゃない? 殺すぞ」
信歩「みなとさん! と・・・」
能塚「・・・隣の能塚です」
(中略)
みなと「誰? あの女」
信歩「・・・同じクラスの・・・確か十歩君の・・・ファンです」
みなと「・・・十歩のファン? ならいいか」

こういうのは運動系の部活だけかと思ってました。好きな男子の部活を女子が応援しに行って、翌日から学校内で噂になるパターン。あの頃に戻りたい。ジャンプの読者層ど真ん中の皆さんには、今しかない青春を楽しんでいただきたいです。なお人気の高い男子生徒を女子が応援に行った場合、学校内では噂だけじゃなく、喧嘩、あるいはもっと陰湿な何かになるパターンもあると思います。

また、みなとと能塚だけではなく、以前に竜胆と十歩も信歩をめぐって争いを繰り広げており、信歩はモテモテです。

「ものの歩」第14話。純文学の意味を勘違いして矢倉の鬼になる信歩。彼を奪い合う十歩と竜胆

信歩vsオールラウンダー

二回戦の局面に関する説明をします。まずは先手の信歩が矢倉を目指し、後手のオールラウンダー君が四間飛車に振った局面を再掲します。

20160118-8手

信歩は後手の四間飛車を見てもあくまで矢倉を目指す。専門的なことになるので説明は割愛しますが、四間飛車に対しては、居飛車であれば「舟囲い」「左美濃」「穴熊」などの囲いで対抗するのが普通。

本局は信歩があくまでも「矢倉」に囲いました。

後手のオールラウンダー君は高美濃囲いに。後手から仕掛け。

20160118-38手

仕掛けた結果、後手は桂を相手に渡し、銀を手に入れました。銀桂交換です。

一般的には銀と桂の交換は、銀を手に入れた方が得。以下の局面に。

20160118-43手

仕掛けた局面からこの局面まで(6手)は、アマ3級ぐらいでも読める(想定できる)と思います。

互角か、後手が少しだけ有利かもしれませんが、まだまだほとんど差がなく、勝負はわからないといったところ。確かに漫画に描かれているように、中盤力~終盤力、又は経験でどうにでもなる差だと思います。プロレベルなら大差なのかもしれませんが。

ジャンケン

将棋の戦法に関する相性を、ジャンケンに喩えることはたまにあると思います。

「角換わり」という戦型における右銀の位置で、「腰掛け銀」は「早繰り銀」に強く、「早繰り銀」は「棒銀」に強く、「棒銀」は「腰掛け銀」に強いんでしたっけ。良く知らないのですが確かそうだったと思います。

信歩は矢倉というグーしか出せないと。

信歩vs十歩

前回の記事でも書きましたが、私は「信歩がグー(矢倉)しか出せないのは、十歩の謀略にハメられたから」説があるんじゃないかと思っています。

しかしその記事に対して、読者様から「それはない。十歩はそんな謀略を企てても利益がない」というご指摘をいただきました。

確かにその通りです。しかも読者の年齢層からしても「信歩との対決を通じて改心したはずの十歩に実はまだ闇が残っており、再戦で逆襲を企てている。そのために信歩をハメて矢倉ばかり指すように誘導し、自分はその矢倉の攻略法を着々と準備している」という話が受け入れられるかというと疑問だと思います。

それでも私は、謀略説をひそかに期待している部分があります。みなとvs能塚でもそうですが、青春は爽やかでシンプルだとは限らないからです。少年漫画の王道からは外れてしまいますが。

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