棋聖戦第2局、豊島将之七段が羽生善治棋聖を破る。先手矢倉は今年のタイトル戦で1勝5敗に

2015年6月16日に行われた第86期棋聖戦5番勝負第2局、▲羽生善治棋聖VS△豊島将之七段は、後手の豊島七段が勝利。

これでシリーズの対戦成績は1勝1敗となりました。

詳しい棋譜は、棋聖戦中継サイトでご確認下さい。

第1局に続き矢倉に

戦型は、先手の羽生善治名人が矢倉を選択。23手目、お互い囲いができる前に先手から▲3五歩とつっかけました。これでやや力戦形に。

kifu20150616-23手

その後26手目で早くも前例から離れたようです。

下図は48手目の局面。後手の豊島七段が2二に玉を入城させ固くなったのに対し、先手玉はやや不安定か。

kifu20150616-48手

下図は65手目。先手は直前に銀損するも、と金を作って、さらにそのと金を守る歩を打ち、これで後手の飛車と角は封鎖される形に。一方、先手の飛車と角はいい位置。銀損が大きいか、と金による飛車角封鎖が大きいか。

kifu20150616-65手

下図は100手目。中盤は何が良かったのか悪かったのか、素人には大変わかりにくい展開が続きましたが、終盤になって徐々に先手玉に詰めろがかかる形に。後手は角が使えるようになり、飛車も身動きはあまりとれませんが、守りによく効いていそうです。

kifu20150616-100手

終盤、羽生棋聖も後手玉に詰めろ詰めろと迫りましたが、最後は駒を渡したことで自玉に即詰みが生じました。

以下の124手目を見て羽生善治棋聖が投了。

kifu20150616-124手

ニコニコ生放送で解説していた松尾歩七段は、中盤からやや後手持ちとしていましたが、そのリードを守り切った形になりました。

先手番の矢倉は負けが込んでいる

これでシリーズの対戦成績は1勝1敗となりました。そういえば第1局の戦型も矢倉で、先手だった豊島七段が珍しい形を選択して、結果は負け。つまり、このシリーズは2局とも矢倉で、先手番が序盤で工夫したものの負けていることになります。

先手矢倉の勝率

調べてみると、今年行われたタイトル戦のうち矢倉となった対局と先手の勝敗は以下となっています。(間違いがあったら申し訳ありません。ご指摘お願いします。藤井矢倉も含みます)

棋王戦 渡辺明棋王VS羽生善治名人

・第2局 先手 羽生名人 負け

王将戦 渡辺明王将VS郷田真隆九段

・第3局 先手 渡辺王将 負け

名人戦 羽生善治名人VS行方尚史八段

・第1局 先手 行方八段 負け
・第4局 先手 羽生名人 勝ち

つまり、この棋聖戦直前まで1勝3敗。

こういう流れを受けて、この棋聖戦では先手番が工夫しているのだと思います。しかし2連敗。これでなんと、今年のタイトル戦で先手の矢倉は通算1勝5敗。勝率にすると17%。

しかもこの1勝である名人戦第4局は、中盤まで先手が劣勢で、大逆転による勝利でした。

名人戦第4局は羽生善治名人が大逆転勝利。敗れた行方尚史八段は終局後2分間うつむく

実質的には、ほとんど全敗?

打開できるのか

プロの将棋においては先手の勝率は52~53%。トップ棋士同士だともっと先手が有利とも言われるので、最近の矢倉の負けっぷりは異常ともいえます。

専門的なことはよくわかりませんが、最近は矢倉において後手番の対策がかなり進んでいるらしいです。

それでもこのシリーズは2局とも矢倉に。これがプロの意地なのか。今後、打開は期待できるのか。将棋の純文学とも言われる矢倉に明日はあるのか・・・。

そして第3局では、先手の豊島七段がまた矢倉を採用するのか。

注目の第86期棋聖戦第3局は7月4日、静岡県沼津市の沼津倶楽部で行われます。

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コメント

  1. あなあき より:

    「戦型選択」が「実際の勝敗」にどのくらい影響しているのかは
    「素人」にはわからんので、自分は下手なことは言わないことにしているwww

    • 管理人 管理人 より:

      コメントありがとうございます。

      私も詳しいことはわかりませんが、最近、先手の矢倉勝ってないよな、ぐらいの感覚です。実際タイトル戦ではほぼ全敗。
      そして、序盤で工夫が出ると思うと見逃せないです。

      コメントありがとうございます。

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