片上大輔理事は将棋電王戦の継続に否定的「FINALですよ。二度とないからできる」

日本将棋連盟の理事を務める片上大輔六段が、「将棋電王戦FINAL」について「FINAL(最後)なんですか?」と聞かれ、「FINALですよ」と改めて述べました。

これまで、将棋電王戦の継続に賛成する棋士や関係者の意見もありましたが、電王戦を担当する理事で、同棋戦の日本将棋連盟側の責任者的立場にある人物がこれを否定した形になります。

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FINALですよ

2015年3月28日に開催された将棋電王戦FINAL第3局(稲葉陽七段VSやねうら王)では、現地・函館から片上理事が中継で出演。

本局の局面についていろいろ話があった後、ニコファーレで解説していた深浦康市九段が「ちょっとこれ、片上さんがせっかくいらっしゃるので聞きたいんですけど、これ、本当にFINALなんですか?電王戦って?」とブッ込みました。

片上理事は「FINAL・・・ですよ。ハハハ、(FINALという)ポスター貼ってないですか?」と返答。

深浦九段は「貼ってありよ。棋士が勝って3連勝になったら・・・?」とコメント、聞き手の山田久美女流四段も「今度また(コンピュータソフト側から)挑まれるかも」と、電王戦の継続に前向きとも取れる発言をしました。

想像がつかない

片上理事は「挑まれたら、その時考えましょう」としたものの、「5対5の団体戦で3回やったわけですけども、今回ほど準備したことはないんですよね。(出場する棋士は)この数ヶ月はコンピュータとだけ向き合っていた、ここまで出来るのかっていうぐらいやってますから。だからこれをまた、新たな5人でやるって言ったら、ちょっと想像もつかないですね、どうなるのか」と、5対5形式での継続は難しいという見解を述べました。

山田女流は、第2局の永瀬拓矢六段が「研究会を全部キャンセルした」という例をあげ、出場する棋士の大変さを話していました。

二度とないからできること

片上理事は「1局の勝負に、何ヶ月もかけて準備するっていうのは、二度とないからできるっていう意味も多少あるのかなと思いましたね。FINALだからこそというか。1局の勝負に、全身全霊を尽くすって本当に難しいことだと思う」と重ねて述べました。

ただ、「けっこう(ニコ生の)コメントでも、続けてほしいっていうのもありますけどね」として「これまでドワンゴさん(電王戦を日本将棋連盟と共に主催)と共にいろんな形で、将棋に関わっていただいて、本当に多くのファンを増やして楽しませてくださってますので、これからも、何かの形でずっと将棋の中継は続けていっていただくように、お願いはしてますので」とも述べました。

ドワンゴさんが運営するニコニコ生放送では、将棋界の7大タイトルのうち王位戦を除く6つのタイトル戦のほか、朝日杯将棋オープン戦なども中継されています。

また、先日のリアル車将棋や、電王戦タッグマッチといったイベントも意欲的に実施している印象があります。

楽しいですよね?

山田女流は、ニコ生のコメントを拾って「電王戦2nd FINALっていう、何かの映画みたいな書き込みもありましたけど。たくさんのファンの方が楽しみにしてくださるのは将棋界にとってはうれしいこと」とコメント。

それを受けて片上理事は「みなさん、ご覧になって楽しいですよね?楽しいってコメントして欲しいんですけど」とユーザーに書き込みを要求。そして、自身も現場で楽しんでいるとして「(みんなで楽しめることが)それが何よりも嬉しいですよね」と、名残惜しそうにもしていました。

電王戦の将来は・・・

私(管理人)は将棋歴1年ちょっとの将棋ファンではありますが、電王戦が将棋界に与えるインパクトというのは大変大きいと感じています。

ファンの拡大にもつながっていると思いますし、人工知能の開発にも役立っているといいますし。

プロ棋士の負担軽減やコンピュータ対局ルール

ただ、理事がおっしゃるように、プロ棋士の負担が大きすぎるのは確かにどうにかならないかと。人間とコンピュータが対局するときのルール的な話になるのかもしれませんが。

あと、不公平だと感じるのは、ソフト開発者は自分のソフトを強くすることの延長線上に電王戦があるのですが、プロ棋士側はそうではなく、ソフト用の研究をしなければならないということ。

それから、森下卓九段が言うように人間側が一方的に疲れてヒューマンエラーをする問題。

これらを解決できる良いアイディアがあれば電王戦を継続しやすいと思うのですが・・・。

例えばコンピュータ側は、その使用電力をソフト開発者の自転車による人力発電によって調達しなければならないとか。すると間接的に「疲れるコンピュータ」が実現し人間と条件が揃うし、消費電力の大きなCPUや指し手選択アルゴリズムは搭載できず性能に制限がかかるし、省電力技術の発展への貢献が期待できるし、おまけに不健康なソフト開発者は事前研究(体力をつけるためのトレーニング)で健康になると。

ええ、違う競技になってしまいますが、私が思いつくのはこれぐらいで申し訳ない限りです。

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コメント

  1. 匿名 より:

    まぁ確かに最後だから楽しめたってのはある
    電王戦への道とかのおかげで何か月も前から準備してそれを追っかけて
    高校最後の文化祭をなんとなく思い出して楽しかった

    これからもできるなら続けてほしいけどもっとお祭り要素を多めにして
    車将棋みたいなエキシビジョン的なノリでできたらいいなと思う
    棋士の負担も大きいし
    真剣勝負が見たいって人もいるだろうけど

  2.   より:

    車将棋ほどつまらんもんはなかった

    • 管理人 管理人 より:

      匿名さん:
      コメントありがとうございます。
      私もほとんど毎日電王戦FINALへの道のドキュメントを見ていたのですが、
      棋士さんらが強大な相手に向かって挑む姿は、彼らの魅力も引き出して楽しめました。

      お祭り要素と真剣勝負のバランスが難しいというか、まだまだ若いコンテンツなので
      連盟もドワンゴさんもいろいろ試して欲しいところですね。
      車将棋とか、お祭り的イベントは将棋をあまり知らない人と一緒に
      リビングでダラダラ(別のことしながら)観ても楽しめるのでいい感じです。

      コメントありがとうございました。

      (名前欄空白)さん:
      コメントありがとうございます。
      そうですね、真剣勝負が観たいという方もいらっしゃって、それぞれの楽しみがあれば
      良いと思います。
      それがニコニコ生放送というかネット中継の良さですよね。地上波だと電波の帯域に限りが
      あって限られた数の番組しか観られないですが、ネットだと無数にある中から選択できますしね。

      コメントありがとうございました。

  3. 匿名 より:

    毎回楽しく記事を読ませてもらっているが今回の記事は疑問
    開発者がノーリスクで単なる余暇でソフトを作ってるかのように思われてしまう
    彼らは別に電王戦のためにソフトを作っている訳でもなく限られた時間を将棋を愛するがために作っている
    現に電王戦トーナメントに出ない開発者や撤退する開発者もいるではないか
    また開発者が自転車をこぐというアイデアもナンセンス
    どのような状況でも同じ力を発揮するのがコンピューターの利点なのに開発者の身体能力という棋力ともプログラム力ともハードの力でもないものを比べてどうするのか
    それこそ開発者のアピールだけがクローズアップされる不味い展開になるのではないか
    人間対コンピューターができないのならやる意味が根本的にない

    • 管理人 管理人 より:

      コメントいただき有難うございます!

      そして楽しんでいただいているようで嬉しいです。
      また、ご指摘をいただきましてありがとうございます。

      そうですね、私はソフト開発者がノーリスクで、自らの自由な意志で参加していると思っていました。
      そうではないのですね、勉強不足でした。新参者の無知だと思ってお許し下さい。
      もし、お時間がありましたら、そのあたりの経緯がわかるまとまった文章か、資料があれば教えて下さい。
      勉強させていただきます。

      「開発者が自転車」は、冗談に近いですが、不快にさせてしまったとしたら本当に申し訳ございません。
      棋士の方とコンピュータとの対局ルールにおいて、何かいいアイディアはないかと思いました。
      また、そのようなテイストで記事も書きました。
      その手前、自分でも1つぐらいアイディアを出すのがいいかなと思って書こうとしました。
      しかし何もアイディアが出てこなかったためについ、あのようなことを書いてしまいました。

      電王戦は単なる勝ち負けではなくて、「テクノロジーの進化を加速させ人の未来へつなぐ」というテーマがあります。
      対局ルールについても、棋士もソフト開発者も参加しやすくて、かつこのテーマに沿った良いアイディアはないものでしょうか。
      もしなにかアイディアをお持ちであれば教えていただけますと幸いです。
      もしよろしければ、匿名さんからの寄稿またはアイディアということで、それを記事にしたいと思います。

      このたびは私の不勉強で申し訳ございません。
      今後ともご助言をいただきますよう、宜しくお願い致します。

  4. 匿名 より:

    管理人様は自由意思の行動はノーリスクだと思われているのですか?
    そういう考えならもう何も言うことはないのですが

    詰将棋メモの第一回からFINALまでの電王戦コーナーの記事を「全部」読むのがおすすめなのですが、
    特に週アスの一局ごとのまとめ、松本博文氏の「ルポ 電王戦―人間 vs. コンピュータの真実 」「ドキュメント コンピュータ将棋 天才たちが紡ぐドラマ 」が開発者側の人となりを知るのに役立つのではないかと思います。

    • 管理人 管理人 より:

      再コメントありがとうございます。

      失礼しました。書き方が悪かったです。「ノーリスクで、自らの自由な意志で参加」は以下のようなことを言いたかったのです。
      1.ソフト開発者は、まずリスクのない状態にある。これはソフトを開発が、もし将棋ソフトを開発しなくても生活には支障はなく、あるいは強制されたり職業だったりするわけではないという意味です。
      2.ソフト開発者は、自らの自由な意思で将棋ソフトの開発をした。これは別のことを選択できる余地があったということです。例えばエベレストに登頂するとか、映画を自主制作するとか、ボランティア活動をするとか、将棋にしても普及活動をするとか、私のようにサイトを運営するとか、ソフトにしても囲碁やゲームソフトの開発など、いろいろやりがいがあることが無数に存在し、そのなかで、自由な意思で将棋ソフトの開発を選んだという意味です。
      3.その結果、開発したソフトは電王トーナメントに出場できるレベルになった。
      4.出場するかどうかは、自由な意思で自らが決定した。仮にこれに出場しないという判断であっても、生活には支障がなく、強制されたものでもないという意味です。
      5.出場した場合のリスクは有ると思います。自らの名誉の問題とか、時間などの負担です。一方でやりがいだとか、手に入れるものもあるので出場を判断したということだと思いました。

      このうち、確かに1,2と4は自信がありません。1,2は職業的に将棋ソフトを作っているプログラマの方がいらっしゃること、4は、もしかしたら主催者側から、あるいは別の人から参加するように言われた可能性があると思います。この辺りはご案内いただきました資料をできるかぎり順に読ませていただきまして、確認したいと思います。

      記事を修正又は追記しようかとも思ったのですが、上記のように私自身が状況を理解していないことで難しいです。
      おっしゃるように「開発者がノーリスクで単なる余暇でソフトを作ってるかのように思われてしまう」は、「開発者がノーリスクで単なる余暇で『電王戦(電王トーナメント)に出場する』ソフトを作ってる」という意味ですよね。もし「そうではない」といえるような文章があれば、そこにリンクを張って「こういう意見もあります」と記事中で紹介できるのですが・・・。なんでも聞いてしまい申し訳ございません。

      ご助言をいただきましてありがとうございます。

  5. 匿名 より:

    なにか言葉尻を捉えられてノーリスクで趣味で作ってるかが問題にされますが
    電王戦に出る棋士にはリスクがあるのに開発者にはリスクがないからフェアじゃないと本気で思われているのですか?
    これはプロアマ棋戦においても同じことがいえてしまうんじゃないですか?
    プロにはアマと戦うメリットはどれだけあるんですか
    アマの立場はフェアじゃないという論理になってしまいませんか?
    そしてアマ棋士はプロの看板背負ってないからノーリスクなのですか?

    • 管理人 管理人 より:

      再々コメントありがとうございます。

      >電王戦に出る棋士にはリスクがあるのに開発者にはリスクがないからフェアじゃないと本気で思われているのですか?

      少なくとも記事を書いた時点ではそれに近いことを思っていました。
      単純に比較は出来ないかもしれませんが、リスクの量としてはプロ棋士側のほうが多いのではないかと。
      ですので、これは教えていただいた資料を読ませていただき、考えてみるつもりです。

      プロ・アマのお話に関してですが、申し訳ございません、今回は電王戦の話に限らせてください。
      私の知識量からしてこれらが「同じこと」かどうか現時点でわからないためです。申し訳ございません。

      もし話が食い違っているとしたら「リスク」の言葉の定義の問題かもしれません。

      それで、せっかくご指摘いただいたのですから、何かまとまった文章があれば上記の記事中でご紹介したいと
      思った次第です。
      私の記事を読んで「・・・と思われてしまう」とご指摘いただいたということは、匿名さんには、そうでないことを読者に伝えたい意志があると感じました。
      他のサイトの記事のご紹介でも構いませんし、もしお時間があるなら匿名さんから寄稿いただくと大変うれしいです。
      サイトの趣旨はAboutに記載してあります。
      このサイトは私(管理人)一人で運営しているため、どうしても私の主観的な
      書き方になってしまいます。記事で不快にさせてしまい、申し訳ない気持ちでいます。
      ですのでなおさら、別の意見もご紹介したいと思っています。

      コメントいただきありがとうございます。

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