「できないと 言ってた将棋は 駒持てば・・・」。認知症患者を介護する女性の短歌、NHKハートネットTV介護百人一首に選ばれる

福祉情報をテーマにしたNHK Eテレの「ハートネットTV」で、将棋にまつわる素敵な短歌が「介護百人一首」として取り上げられていたのでご紹介します。

これは全国から寄せられた「介護」にまつわる14000首以上の短歌のなかから100首を「介護百人一首」として選び、番組のなかで取り上げるという企画。

2015年4月15日の回では、春夏秋冬にわたって合わせて100首取り上げられるうちの、「春編その一」ということで、約10首の短歌が紹介されていました。

介護を学ぶ女性の短歌

その「介護百人一首」の中で、高橋ほのかさんという、介護を学ぶ女性が詠んだ短歌がこちらです。

できないと
言ってた将棋は
駒持てば
動き出す手で
華麗に王手

背景

高橋さんは、実習先の施設利用者の方と将棋をしたそうです。

その利用者の方は認知症。

将棋について、その方は最初は「できない」と言ったそうですが、やってみるとスイスイと駒をすすめたそうです。

その様子に高橋さん

認知症でも、昔覚えたことは忘れないのです

将棋専門サイトを運営する私(管理人)としては、その戦型が何だったか気になるところです。

「動き出す手」というのは、駒を動かす手もそうなのですが、その思考も動き出した、というメタファーかもしれません。そして華麗に王手。

昔覚えたことが今でもできる

何十年も前に覚えたルールを、認知症になっても覚えていて、手を動かして王手できる。

不思議なことです。体が覚えている、に近いことなのでしょうか。

それからやっぱり将棋というゲームの魅力、変わらずあり続けることの重要性。以前書いた袴田さんの記事を引用します。

これって重要なことだと思いませんか。もし袴田さんが小さいころに将棋をやっていなかったら、現在はどんな会話ができていたのでしょうか。

もう一つ重要なのは、袴田さんが拘束されてからほぼ半世紀の時を経ても、当たり前なのですが将棋というゲームが存在し、そのルールを袴田さんが覚えていたということ。例えばテレビゲームとか、スマホのゲームとか、私もやることはありますが、いくら面白くても半世紀後にも存在し熱中できるゲームがどれほどあるでしょうか。

袴田さんの不幸の傍にある、将棋という完成されたゲームの偉大さに気づきます。

ちなみに、この介護百人一首、希望の方に「配布」しているそうです(郵便料金のみ必要)。詳しくはNHKの介護百人一首のページで。

以上、素敵な短歌のご紹介でした。

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コメント

  1. marr より:

    いい記事ですね。将棋をよっぽど愛してらっしゃったんでしょう。心温まりました。
    私も例の「脳内ソロバン」が一生身についてればいいですが。

    • 管理人 管理人 より:

      コメントありがとうございます。

      この話、周りの方もこの方が将棋が好きだと知っていないければ成立しない話なので、
      marrさんも、脳内そろばんがあるんだと周りの方に言っておかないといけないですね。

      それで周りの方が、認知症になったmarrさんにそっと問題を渡してくれる。動き出す手。

      コメントありがとうございます。

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