意外に現実とリンクしている!? 将棋漫画「ハチワンダイバー」レビュー

ふたたびお邪魔いたします。「ひろ(@shogitarou36)」と申します。
「将棋ワンストップ」管理人さまに「こんなん書きたいんでヤンスが……」とご連絡したら「YOU、ふたたび記事書いちゃいなよ」とご提案を受けて僭越ながら寄稿させていただくこととなりました。
拙い文ですが宜しくお願いいたします。

将棋漫画「ハチワンダイバー」

今回は、将棋漫画「ハチワンダイバー」をご紹介いたします。
荒唐無稽な漫画であるにもかかわらず、意外に現実の将棋とリンクしているのです。

私が将棋と触れるきっかけとなった漫画ですので、ネタバレにならない程度に紹介できればと思います。

作者「柴田ヨクサル」という人物

まずは作者の柴田ヨクサル氏について。
棋力は奨励会入会を考えたほどで、2008年にはなんと飛車落ちで佐藤康光九段に勝っています。
将棋の実力は永世棋聖資格保持者のお墨付きというハイレベル。

ヨクサル氏は「ハチワンダイバー」を描くまでに、デビュー作「谷仮面」、アクション漫画「エアマスター」を世に送り出しています。
もともと私はデビュー作からヨクサル氏の漫画は愛読していまして、その作風は一言で言うなら

「ケンカ&恋愛、そしてなにやら説得力のある謎セリフ」

です。

そんなヨクサル氏が世に送り出した将棋漫画の中身は、一言でいえば

「ケンカ(将棋と腕力の両方)&恋愛、そしてなにやら説得力のある謎セリフ」

と言えるでしょう。

そうです。「ケンカのしかた」以外は変わらずの作風で将棋と、それを取り巻く人々を描いたのです。
しかし、そこに将棋をねじ込んだのは、ヨクサル氏の将棋への並々ならぬ想いがあったようです。

2006年から2014年まで連載し、全35巻の壮大なストーリーは幕を下ろしました。
なお、コミックレンタルショップによっては、一度の貸し出しは30冊までという店があります。
その場合は、1~11巻まで、もしくは15巻まで借りて、続きを読みたければさらに、という借り方をお勧めします。

現実とのリンク

そんな「ハチワンダイバー」ですが、さまざまな部分で現実の将棋界とリンクしている部分があります。
不思議なくらいリンクしているのです……。

まずはなにより、鈴木大介八段が監修および「出演」されています。
「鈴木だいすき☆八段」とかではなく、モロ本名ご本人の出演です。

以下、そんな現実とリンクしているシーン等についてご紹介いたします。

第19巻p46「勝つしかない」

プロ棋士がアマチュアとの対局中に話し始めます。

“プロ棋士”になるには…緩い希望など…足しにもならん
勝つしかないんだよ
勝つしか
勝つしか
勝 つ  し か

「勝つしかない」。これはプロ編入試験を経てプロになった今泉健司四段が、からだごとたどり着き、自身をプロに押し上げた言葉でもあります。(「介護士からプロ棋士へ 大器じゃないけど晩成しました」本文および帯文章)

しかし、まあこのあたりは、「勝負の世界の普遍的な本質だから、現実とリンクするのも当然じゃないか?」と思われる向きもありましょう。
では以下「どう考えてもジャストあれ!」なシーンをご紹介しましょう。

ジャストあれ

第32巻p182「あるよ」

このシーンでは、戦い(ケンカ)の最中に恋人の愛情を再確認した人物が突然強くなります。
それを見たギャラリーは言います。

「“愛”で戦闘力が上がるってあります?」
「あるよ」

人は愛なしには生きていけません。その真実がここにあります。愛でひとは強くなるのです。
おわかりでしょう。

深浦九段の恋愛流とリンクしています。

愛でひとは強くなるのです。
いま、なにしてるのかなあ……と、タメイキをお伴に月を見るのです。

第33巻p15「虫は無視できない」

主人公が言います。「虫は無視できない」と。
ひとが無視してしまうような小さな虫。それを無視できない……。

おわかりでしょう。渡辺明棋王(2015,6現在)のことを指しています。

第22巻p47「日曜に」

あるプロ棋士が言います。

「日曜に将棋のテレビ放送もやってます」

やってます

こじつけじゃないです

もしかすると、ここまで読んで下さったかたの中には「こじつけじゃないか!」と思っているかたがいますか?
いえいえ、こじつけではありません。

とっておきを出しましょう。
なんと、未来の出来事とリンクしている部分があるのです……。

第11巻p114「二人にしかわからない世界」

主人公とライバルの対局中、通常では考えられない進行を迎えます。観客たちも驚いています。
それを表して、このように説明しています。

二人にしかわからない世界

そうです。3七です。

あの3七のマスです。

第64期王将戦第6局渡辺棋王と挑戦者郷田九段、145手目における3七のマスです

kifu20150319-145手

郷田真隆、渡辺明の両対局者の世界には、3七に桂馬などいなかったのです……。
二人にしかわからない世界……。

これはもう、いわゆる「完全に一致」というやつです。

連載は2014年まで。
それなのに2015年の棋譜ともリンクしている……。

将棋のもつなにかが、ヨクサル氏に描かせたとしか思えないレベルです……。

冗談はさておき

はい、冗談はさておき。すみません冗談でした。

本当にただ端的に現実とリンクし、きっと将棋の本質を現している描写もあります。

それをご紹介して、〆とさせて頂こうと思います。

第4巻p64「将棋はいい こんなジジィがあなたと戦える」

老人は、あるプロとの対局の前にこう言いました。勝敗は秘しておきます。

本当にそうだと思います。

老若男女、誰でも戦える。
言葉が通じなくても戦える。
何歳からだって、将棋を始めて、戦える。

本当にすばらしいことです。

私が将棋を始めたのも、40歳になる少し前くらいでした。
ああでもない、こうでもないと苦悩しつつ、勝てばうれしく、負ければくやしい。

人間はいつでも将棋で戦える。そんなすばらしい戦いの世界を描いた漫画「ハチワンダイバー」。

ぜひ読んでいただきたいと、心から思います。
(谷仮面、エアマスターも面白いんです)

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コメント

  1. あなあき より:

    昔から「他人に勧められたものはムシする主義だ」www

  2. 匿名 より:

    レビュー乙です
    ハチワンは最初は将棋マンガだったが最後エアマスになってましたなw

  3. ひろ より:

    管理人さまに代わってコメ返しを!

    >あなあきさん
    せっかくですから読んで!(`;ω;´)
    TSUTAYAなら11巻まで借りて……800円くらい?です!

    >匿名さん
    なんの前触れもなく出ましたね!
    ヨクサルさんはラストでぶちこむみたいです!きっとシャイな人だと想像してます!

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